大相撲春場所は11日目、関脇・霧島と平幕の豪ノ山という、1敗同士が相まみえた。過去の対戦成績は4勝4敗だ。
「立ち合いで合わないところがあるので、しっかり先に手をついていこうと思っていた」
霧島はそう話していた。
時計回りに動きながら、相手の圧力を逃そうと努める霧島。左からのいなしに、左からの張りも加えた。それでも豪ノ山は突っ込んでくる。足が流れ、一瞬ヒヤッとするが、霧島の体はブレない。
「土俵際で体を開きながら、突き落とした。それが見事に決まりました」(相撲担当記者)
しっかり当たっていることで体がそうした動きになり、安定感が出てきた。師匠の音羽山親方にかけられた言葉がある。
「勝ちにいくのではなく、勝負にいけ」
2日目の美ノ海戦以外は、この言葉を体現できている。
12日目には横綱・豊昇龍との大一番が控える。八角理事長は言う。
「大きな山となる。本人はもう意識しているんじゃないか」
優勝争いの単独トップに立つ霧島は、
「そういうことは考えずに、いつも通りにやること」
努めて平静を装うが、前出の相撲担当記者によれば、
「前日の高安戦を見ても分かるように、立ち合いであれだけ睨み合ったのに、豊昇龍は横に飛んで逃げた。彼は気が小さい。安青錦との相撲では、どうしても勝てないじゃないですか。立ち合い睨み合ってもいいですが、相手のペースに巻き込まれないことが大切です」
大関返り咲きはなるか。

