10月4日に投開票が行われる自民党総裁選での、小泉進次郎氏の勝利が既定路線化している。
報道各社による党員・党友と国会議員への調査では、控えめに「先行」と評されている小泉氏だが、10月3日時点での海外ベッティングサイト「ウィリアムヒル」が「日本の次期総理」に関する予想で提示されるオッズは1.2倍。
続いて高市早苗氏が5倍、林芳正氏が9倍と、あらゆる情報を精査する海外のベッターたちは、小泉氏を独走状態とみているのだ。
こうした中、小泉氏がこのまま勝利したら「自民党に地獄が待ち受けている」と示唆するデータが。京都大学大学院の藤井聡教授は「『自民党支持・経験者』の意識調査・報告書」と題したシミュレーションを、9月29日に発表。その分析によれば、仮に小泉氏が総裁に選ばれた場合、次の衆院選で「自民党の獲得議席は164にとどまる」と試算した。
公明党の現有24議席を足しても188となり、過半数の233を大きく下回る。すなわち「少数与党」のままどころか、現有196議席からさらに後退する結果になるというわけだ。
かたや、高市氏が総裁になった場合のシミュレーションは対照的だ。藤井教授の推計では、自民の議席数は226、公明を含めた自公で250に達し、過半数を超える多数与党が実現するとしている。
また、高市総裁誕生なら「自民党から離れた支持者の3分の2が戻る」とも指摘するのだ。
はたして自民党は、藤井教授が示した「地獄への道」を突き進むのか。自民党関係者が総裁選直前の実感を語る。
「この状況でも『高市さんだけには投票しない』と断言する議員は少なくありません。しかし、小泉氏を支持する議員の多くが、人気にあやかって自らが選挙に当選するがための計算で動いているのも事実。決して小泉氏の政策に共鳴しているわけではないことを考えると、最後の最後で高市支持に翻意する可能性は捨てきれません」
自民党の命運や、いかに。
(川瀬大輔)

