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「10年大会と比べて両チームの差は…」トナーリらを指導したイタリア人アナリストが北中米W杯のオランダ対日本を分析「最も魅力的でスペクタクルな試合になる可能性」

「10年大会と比べて両チームの差は…」トナーリらを指導したイタリア人アナリストが北中米W杯のオランダ対日本を分析「最も魅力的でスペクタクルな試合になる可能性」


 北中米ワールドカップ(W杯)のグループF初戦、オランダと日本が対戦する。本大会では2010年以来の顔合わせとなる注目カードを、『ワールドサッカーダイジェスト』本誌でお馴染みのイタリア人アナリスト、マルコ・ポンピーリ氏が先取りで展望。両チームの戦術的な狙いは? 勝敗を左右するキーファクターは?

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 オランダ対日本の一戦は、2026年W杯のグループステージにおいて、戦術的に最も興味深いカードのひとつだ。W杯での対戦は10年南アフリカ大会のグループステージ以来(オランダが1-0で勝利)となるが、当時と比べて両チームのレベル差は驚くほど小さくなっている。

 ロナルド・クーマン監督のオランダは、システマチックなビルドアップとポジショナルなボール保持を通してゲームを支配し、自分たちのリズムでのプレーを志向する。基本システムは伝統の4-3-3で、攻撃時にはアンカーが最終ラインに落ちると同時に両SBが大きく前進して3-2-5の配置に変化する。

 ビルドアップの狙いは、中央ゾーンを安定して占有することで相手のプレッシングを引きつけ、空いたハーフスペースに侵入したウイングやMFにボールを送り込むこと。そこで中核的な役割を担うのは、プレーのリズムと方向をコントロールする司令塔のフレンキー・デ・ヨングだ。プレス耐性、縦パスや持ち運びで相手のプレッシャーラインを割る能力、ポゼッションを維持する能力は、ミドルサードでの地域支配において決定的な機能を担っている。
 
 一方、森保一監督率いる日本は、世界最速でW杯出場権を獲得したチームであり、堅固さと柔軟性を併せ持つ成熟した戦術的アイデンティティーを備えている。日本はもはや組織と戦術的規律だけのチームではなく、マンツーマンのハイプレス、コンパクトなミドルブロック、素早いトランジションを明晰に使い分ける構造を持つ。

 非保持時の日本は、中央のパスコースを消してオランダをサイドに誘導し、そこでのボール奪取から素早いトランジションによるカウンターアタックを狙うだろう。守備組織の秩序はよく整っているが、オランダの対人能力の高さには細心の注意を払う必要がある。1対1のデュエルで劣勢に立つ場面が続けば、相手に数的優位と危険なスペースを与えることになるからだ。

 試合の流れを左右する要素になりそうなのがトランジションだ。オランダは、オープンスペースでの守備において個のクオリティーとフィジカル能力に弱点を持つ日本の守備を突くために、ハイプレスによるボール奪取、そこからのショートカウンターを狙うだろう。一方の日本は、オランダのハイラインから生じる背後のスペースを有効活用したいところ。オランダ同様ハイプレスによるボール奪取を起点に、2ライン(DFとMF)間に入り込む久保建英、鎌田大地のテクニックと戦術センスを活かし、裏に飛び出す上田綺世や三笘薫にスルーパスを送り込む形を作ることができれば、決定的なチャンスにつながる。
 
 試合を決定づけるであろう重要なデュエルのひとつが、右のシャドーに入る久保とオランダの左SBのマッチアップだ。クーマンはこのポジションにミッキー・ファン・デ・フェンあるいはネイサン・アケーという、CBが本職のDFを起用していて、久保はフィジカル面では厳しい状況に置かれることになる。

 しかし彼の高い技術、クイックネス、駆け引きの巧さは、アジリティーで劣る大型DFを翻弄するに十分なレベルだ。このデュエルにおいて久保が優位に立ち、2ライン間でボールを受けてから効果的なパスやアシストを繰り出すことができれば、日本の勝機は大きく広がるだろう。1月に左足の怪我で離脱したのは気がかりだが、全治2か月程度と報じられていて、本大会にはおそらく間に合いそうだ。

 もうひとつ、試合のキーポイントとして無視できないのがGKだ。10年大会では、ヴェスレイ・スナイデルのミドルシュートを日本のGKがファンブルしてゴールに吸い込まれ、勝敗が決した。しかしいまの日本は、セービングの技術に加えて、足下のテクニックも備え、最終ライン背後のスペース管理にも長けたモダンなGKの鈴木彩艶を擁している。彼が本大会までに万全のコンディションに回復できるかどうかは(編集部・注/左手の骨折で昨年11月から欠場していたが、3月14日のセリエA29節トリノ戦で戦列復帰)、日本の命運を少なからず左右するはずだ。
 
 日本は10年当時のような、相手にボールを持たせて受動的に振る舞い、散発的なミドルシュートやセットプレーに勝機を見出すチームではない。チームとしても個人としても国際舞台で十分な経験を積み、トップレベルの相手に対しても気後れせず、ボールを保持しても保持しなくても、自分たちのペースで試合を進める力を持っている。選手層の厚みも十分だ。

 オランダはチームとしての明確な構造、個のクオリティーにおいて依然優位に立つが、集中力の低下やネガティブ・トランジションの乱れによって隙を見せれば、日本は難なくそこにつけ込んで困難を作り出すだろう。

 26年のオランダ対日本は、結果が予想できない均衡したカードだ。ポジショナルなボール支配によるゲームコントロール対組織的連携と戦術的柔軟性という構図は、グループステージで最も魅力的でスペクタクルな試合になる可能性を持っている。

文●マルコ・ポンピーリ(マッチアナリスト)
翻訳●片野道郎

【著者プロフィール】
マルコ・ポンピーリ/ユニオン・ブレシア(セリエC)のマッチアナリスト。ブレシア、ミランのアカデミーでコーチを務め、トナーリやカマルダらを指導した。日本、ペルー、ドバイのミランアカデミーでディレクターを歴任し、24-25シーズンから現職。UEFA-Aコーチ、アカデミーディレクター、マッチアナリストのプロライセンスとスポーツ科学の学位を持つ。1985年、ブレシア生まれ。

※ワールドサッカーダイジェスト2026年2月19日号の記事を加筆・修正

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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