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「失点をしなければ勝てる可能性が高くなる」高速カウンターや粘り強い守備。川崎が立ち返りつつある“長谷部フロンターレ”の真骨頂

「失点をしなければ勝てる可能性が高くなる」高速カウンターや粘り強い守備。川崎が立ち返りつつある“長谷部フロンターレ”の真骨頂


[J1百年構想リーグEAST第7節]東京V 0-2 川崎/3月18日/味の素スタジアム

 川崎にとっては百年構想リーグでの6試合目。東京Vとのアウェー戦は、今季初の90分でのクリーンシート勝利を飾り、敗れた前節の鹿島戦からの改善を示した。

「前半は押し込まれながらも、押し返したり、自分たちのプレーに持っていったり、時間帯に持っていったりというのは非常に良かったと思います。(2点を奪った)前半がそのまま試合の結果になったのかなという印象です。またハーフタイムを含めて追加点を取りにいこうという話だったのですが、後半は少しチャンスらしいチャンスが減ったというか、作れなかったところはまだまだ課題だと思います。(前半終了間際にネットを揺らされるも)オフサイドに助けられた場面もありましたが、靴一個分、もしかしたらその半分かもしれませんし、10センチ、15センチぐらいかもしれません。そういった差で前節は失点してしまいましたが、その修正を選手たちができたし、結果に表われたとも思います」

 試合をそう振り返った長谷部茂利監督は無失点勝利を改めて喜んだ。

「非常に良かったと思います。この場で何回も話していますが、トレーニングとミーティングで選手たちの意識が非常に高まって、失点をしない、しなければ勝てる可能性が高くなる。それを体現してくれました。理解してはいるものの、それをなかなか体現できませんでしたが、今日のところは、もちろんシュートも打たれていますし、危ない場面もありましたが、そこに対していい寄せだったりGKを中心にセーブだったりブロックだったり、そういうところが非常に良かったと思います。とにかく選手たちの意識が非常に良かったと思います」

 長谷部体制1年目だった昨季は、リーグ最多得点を奪った一方、失点数はリーグワースト3位タイを数え、最終順位は8位。守備強化と攻撃のさらなるパワーアップをテーマに掲げて就任した指揮官の狙いは実現し切れなかった。

 そのうえで迎えた就任2年目はGKスベンド・ブローダーセン、CB谷口栄斗、SB山原怜音ら即戦力を迎えたが、開幕戦で柏と5-3の打ち合いを演じるなど失点がかさみ、開幕からの数戦は被シュート数の多さも話題となった。

 後方の顔ぶれがが多く入れ替わり、CBの佐々木旭、丸山祐市らも欠場し、さらに以前のようにしっかりボールをつなぐスタイルへより挑戦した印象もあったなかで、2節の昇格組の千葉戦で苦戦し、4節のFC東京との多摩川クラシコでは完敗。

 FC東京戦後にはCB谷口が問題提起したことで注目も集め、チームはより守備の整備に力を入れてきた。

 その変化を感じさせた4節の水戸戦を経たトレーニング後、新戦力の山原は守備面に関して語っていた。

「(守備の)やり方が間違っているとかではなく、やり方があるうえで、最後自分たちがどう緩さなくやるかが、まずベースだと思います。立ち位置など修正すべきところもありましたが、最後自分の内側をやらせないとか、サッカーなのでそれでもやられてしまうことがありますが、やられたら全力で戻るなど、そのあとの反応など個人の意識次第でもっと守備を固くできる要素はあると思っていました。そのあたりをしっかりやろうと、何かを変えないといけないという意識が全員にあったと思います。

 プレスをかけに行くところは行き、ファーストディフェンダーの迫力をもっと出すとか、行く時には中を閉じて自分の目の前に出させてから行くなどタイミングを図らないと、間を通されちゃうので、ものすごく難しいことを修正するというよりは、一人ひとりの意識をもうひとつ、ふたつ高く、守備の個人戦術をもう一回しっかりやろうというところもありました。

 3、4試合を戦い、このままじゃ、今のままじゃ、ダメだよねと、そうだったら変えなくちゃと、しっかりコミュニケーションを取ってやることができていると思います」

 そして山原は東京V戦後には、経験豊富なCB丸山の復帰の効果も口にした。

「マルくんの復帰は、締めるところを締めてくれますし、そうした存在感を出してくれる選手がいると、周りに伝わり、全員が声を出すようになるということは見受けられた部分もありました。

 でも、選手からするとそれで良いのかというところもあると思います。誰かがいないと、特定の選手がいないとスイッチが入らない状態はダメだと思います。誰がいようと関係なく、一人ひとりが常に毎試合、周囲に働きかけ、声を出し、コミュニケーションを図るかが大事です。誰かがいるからできるではなく、その選手がいない時でもできるようにする。

 今日(東京V戦)は比較的、良い形でゲームを運べていたので、そういう時は自然と声が出る部分もあると思います。ただ、今、必要なのは苦しい時、例えば1点ビハインドとか、負けたあと、負けている状況など、苦しい時に誰がリーダーシップを取って声を出すのか。そこはまだまだやらなくちゃいけないと感じます。そこをやっている選手もいますが、鹿島に勝つには、FC東京戦のようなビハインドからひっくり返すためには、そういう意識がより必要だと思います」
 
 また守護神のブローダーセンも東京V戦後に守備の手応えを口にしている。

「今シーズン一番、守備で安定感を見せることができた。試合前にいろんな確認があり、特にクロスの時にタイトなマークに付くことができた。相手はそこまで調子が良くなかったかもしれませんが、安定的な勝利を挙げられた。今日は私はずっと自信を持っていて、無失点で最後まで抑えられると感じていました。クロスにしっかり対応できた。それが今日の素晴らしい結果の背景だと思います。

 いつも試合前、監督はどんな守備をするべきかしっかり教えてくれます。ヴェルディがどこからクロスを上げるか、分析ではハーフのところが多く、今日も多かった。だからファーでやられないように、しっかりマークに付くことができた。相手が中央を狙ってきても、マル(丸山)とヒロト(谷口)、そしてナガネ(松長根悠仁)もしっかり中を締め、ラインを崩さないように、一緒のタイミングでよくできていたと思います。

 みんなの頑張り、みんながしっかり話している。特に今日は(古巣戦となる)ヒロト(谷口)が気合いを入れていた。それにマル(丸山)のようにベテランの選手がいるのは助かる。でも彼に全部任せることはできない。マルがチャレンジにいったら背後をしっかりカバーする。空中戦で負けたら流れたボールをしっかり拾う。後ろを私がカバーして、もっと安定させる。それが今日はできていました」

 東京V戦の得点は、先制点はボランチの山本悠樹のフィードから、エリソン、マルシーニョとつなぎ、脇坂泰斗のシュートが相手DFに当たってネットに吸い込まれた形。

 そして2点目はまさに、“長谷部フロンターレ”の真骨頂で相手CKの流れからエリソン、マルシーニョのスピードとクオリティを活かした高速カウンターで奪ったものだった。

 東京Vの城福浩監督は「そもそもカウンターの時の最終ラインの対応が拙すぎます。スピードを吸収するような対応ができていない。もうこれはベースなので。そのあと1回GKが防いでくれたあとの対応も拙いですね。全員が一生懸命戻ろうとはしていますが、球際のところでそんなに簡単にシュートを打たれるのかというような状況を2回連続で作ってしまったというのは、僕の指導が足りないのかなと思います」と悔いたが、やはり前線の個のタレントをシンプルに活かすのが、今の川崎の攻撃の生命線と言えるのだろう。

 正直、かつてのように、レベルの高い止める・蹴るで心を掴まれるシーンや、そこに通すのかと驚かされるパス、ワクワクするような崩しは見られなくなった。

 それでも監督が変わればスタイルは変わるもの。守備を意識しながら手数を掛けずに個の力を活かして攻め切る。それが今の川崎の最適解なのだろう。開幕から紆余曲折あったが、そこにようやく立ち返ってきた印象がある。

 個人的にはこれまで培ってきた攻撃面への高い意識や、技術力が失われていくのは悲しい現実に映るが、“勝つ”ことに特化した路線を進むのであれば理にかなっている。

 一度手放したものはそう簡単に戻ってこないのが人生ではあるが、今は覚悟を決めて前進あるのみなのだろう。選手たちも守備をベースにしながら攻撃のレパートリーを増やしたいとの話もしている。その先の進化に期待したい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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