インドネシア領ニューギニアの熱帯雨林で、6000年前に絶滅したと考えられていた哺乳類が、いまも森の奥で生きていたという驚きの発見が報告されました。科学者たちが確認したのは、小型の有袋類2種。これまで化石からしか知られていなかった動物です。
長年の調査、先住民の知識、そして偶然の写真記録がつながり、数千年の空白を埋める発見へと結びつきました。
絶滅したはずの動物が森の中で見つかった
オーストラリアの生物学者ティム・フラナリー氏が率いる研究チームは、ニューギニア島西部(インドネシア・パプア州)のフォーゲルコップ半島に広がる熱帯雨林で、2種の有袋類が現在も生息していることを確認しました。
発見されたのはピグミー・ロングフィンガード・ポッサム(Dactylonax kambuayai)とリングテイル・グライダー(Tous ayamaruensis)の2種類です。
どちらも長い間、少なくとも約6000年前には絶滅したと考えられていた動物でした。研究結果は、2026年3月6日に学術誌『Records of the Australian Museum』に掲載されています。
フラナリー氏は、この発見について「絶滅したと思われていた哺乳類を1種みつける確率はほぼゼロ。それが2種となれば、前例のない出来事だ」と語っています。
化石だけの存在だった「ラザロ分類群」
今回見つかった2種は、生物学で「ラザロ分類群」と呼ばれるタイプの生物です。これは化石記録から長く姿を消し、絶滅したと考えられていたものの、後になって生存が確認される生物を指します。
ピグミー・ロングフィンガード・ポッサムは、体に縞模様を持つ小型の有袋類。最大の特徴は1本だけ極端に長い指で、ほかの指の約2倍の長さがあります。この指を使って、腐った木の中にいる昆虫の幼虫を掘り出して食べていると考えられています。
一方のリングテイル・グライダーは、オーストラリアにいるオオフクロモモンガ(Petauroides)の近縁種ですが、体の大きさはそのおよそ半分。耳に毛がなく、枝に巻き付けることができる長い尾を持つのが特徴です。
ニューギニアで新しい属として記載された有袋類は1937年以来で、今回の研究は極めて珍しい事例となりました。

