
【岩本輝雄】「やっぱり柴崎だよね」みたいなプレーで魅了。今の鹿島はハードワークの中に“うまさ”がある。そこで輝く10番
開幕戦はFC東京にPK戦負けの鹿島。でも、そのあとはずっと勝ってる。直近の町田戦は3-0で勝利して、これで6連勝。強いね。EASTで堂々の首位だ。
町田戦を振り返れば、後半はちょっと押される時間帯もあったとはいえ、完勝と言ってもいいんじゃないかな。
とにかくチーム全体で選手個々のポジショニングが良いよね。たとえば鈴木優磨。左サイドの彼は、相手のウイングバックや3バックに「俺が行っていいの?」と思わせるような、絶妙な位置取りをする。相手をフリーズさせるというのかな。
それでも敵のディフェンダーをつり出せば、空いたスペースにレオ・セアラがすっと入ってフリーになる。レオ・セアラは1点目の場面でも、わずかなスペースを見逃さずに起点となっていた。
それぞれが次の展開を予測して、ポジションを取る。その“点”がちゃんと“線”につながる連動性がある。守備のハメ方もうまい。2点目もそう。高い位置で次々とプレスをかけて、相手のミスを誘って、奪ったら素早く仕掛けて確実に仕留めた。
攻守の両局面で、やろうとしていることが熟成されてきているよね。そのなかで特に際立つのが、鹿島の10番を背負う柴崎岳だ。
ポジショニングでは、相手のダブルボランチの横あたりに立って、来なければフリーで受けるよ、来たら他の誰かのマークがずれるよ、という感じの立ち位置が実に見事。オフ・ザ・ボールの動きを見ているだけでも、本当にクレバーだと思う。
ボールを足もとに収めれば、難しいことはしないで、シンプルだけど効果的に、長短織り交ぜたパスを配球して組み立てる。判断も早くて的確。キープ力もあるから簡単には奪われない。味方も安心して預けられるよ。
今の鹿島は、ハードワークの中に“うまさ”がある。そこで輝く柴崎。J1で優勝した昨季は、出番も限られて、思うような活躍を示せなかったはず。でも、この百年構想リーグでは、本来の実力を証明している。試合を重ねるごとに「やっぱり柴崎だよね」みたいなプレーが増えてきている。
実績十分でセンスある司令塔がチームを操舵。鹿島は充実しているね。
【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、53歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。
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