早すぎる成功がもたらす重圧――。それを身をもって知る元世界ランキング5位のユージェー・ブシャールが、英紙『テレグラフ』のインタビューで、エマ・ラドゥカヌ(イギリス/現世界ランキング23位)に同情を寄せた。2021年の「全米オープン」で予選勝者として史上初のグランドスラム(四大大会)制覇という歴史的快挙を成し遂げたラドゥカヌだが、その後はツアーでのタイトル獲得がなく、現在も厳しい批判や詮索の的となっている。
カナダ出身のブシャールは14年、20歳で「ウインブルドン」準優勝。同年は「全豪オープン」「全仏オープン」で連続ベスト4入りを果たし、WTA1000の「武漢オープン」でも準優勝と、一気にスターダムへ駆け上がった。本人もインタビューで、キャリア初期が最も充実していた時期の一つだったと認めている。
だが、その後は重圧との戦いを強いられた。15年の頭部負傷や肩の故障もあり、以降は四大大会やWTA1000で準決勝以上に進めないまま、昨年キャリアに幕を下ろした。また、スポンサー活動に傾倒しているとの批判を受けた経験も、ラドゥカヌの状況を理解する一因となっている。
ブシャールは同紙に対し、早期の成功がもたらす負の側面についてこう語っている。
「精神的に間違いなく過酷でした。なぜなら、全く同じ結果を出せなければ、客観的に見て良い成績であったとしても、ネガティブに捉えられてしまうからです」
さらに、こう続ける。
「キャリアの終盤ではなく序盤で(成功を)手にしたことで、『彼女はいつかまたグランドスラムで優勝できるのか?』『以前のような活躍ができるのか?』というプレッシャーを毎年ずっと感じていました。そして、グランドスラムで勝ち進むことは本当に難しいのです」
それを継続できるのはセリーナ・ウィリアムズ(女子元1位)やノバク・ジョコビッチ(男子元1位)のような限られた存在だとしたうえで、周囲の過剰な期待にも言及する。
「(人々は)『次はいつ優勝するんだ? これから10年間は毎年1回は優勝するだろう』と考えます。しかし、物事はそんなふうには進まないのです」
過去にはラドゥカヌ自身も、「全米オープン」優勝を「後悔している」と語ったことがある。その発言は撤回したものの、この一件は、早すぎる成功がもたらす重圧の大きさを象徴していると言えるだろう。スターダムの光と影を知るブシャールの言葉は、現在ももがくラドゥカヌの置かれた状況の過酷さを、より鮮明に浮かび上がらせている。
構成●スマッシュ編集部
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