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「新しいアプローチがあるので、自信を持ってシーズンに臨みたい」昨季のリベンジを誓う今永昇太、メジャー3年目への“確信”<SLUGGER>

「新しいアプローチがあるので、自信を持ってシーズンに臨みたい」昨季のリベンジを誓う今永昇太、メジャー3年目への“確信”<SLUGGER>

ベネズエラ代表の守護神、ダニー・パレンシア投手がアメリカ代表とのWBC決勝戦のマウンドに上がった米山岳時間3月17日の午後7時過ぎ。パレンシアのカブスでのチームメイトでもある今永昇太は、アリゾナのキャンプ地の片隅で日本メディアの会見に応じていた。

「70球以上が(降板の)目処だったので、とにかく公式戦の想定というか、ペース配分とかコース、球種の選択とか、開幕した時と同じような配球で行こうと捕手と話し合っていたので、ペース配分自体は良かった。いい調整ができた」

 オープン戦4度目の登板で、エンジェルス打線を相手に4.2回、76球を投げて許したソロ本塁打の1安打のみ。他に走者を出したのは四球の一人だけで、打者17人から8三振(7個の空振り)を奪う快投を演じた直後である。6番ジェイマー・カンデラリオの本塁打も、低めのチャンジアップを上手く拾われ、アリゾナ独特の乾いた空気に乗ったフェンス間際へのもの。直近の2試合、6.1回で4本塁打と課題克服に苦戦していた左腕にとって、「微速(確実に)前進」といったところだ。

「今まで打たれている本塁打とは、少しレベルの違う話ができる本塁打だと思う。打たれたこと自体は凄く悔しいですけど、なぜ打たれたのかを説明できるし、次、打たれないためにはどうれば良いのかも説明できる」

 好材料の一つは、それほど出力を上げなくても相手打線を抑えたという部分だろう。

 今永はオープン戦初戦(2月24日パドレス戦)の初回、いきなり93マイル(約150キロ)の速球を投げ、日米のメディアにオフのトレーニングの成果を周囲に知らしめた。ところが、その後の登板で、前述のように本塁打を浴び続けたため、課題克服のための試行錯誤をすることになった。

 キャッチボールからして興味深かった。受け手に対してセットポジションするのはいつものこと。そこから正対したり、セットする際、軸足や骨盤の位置を確認したり。お尻の部分をピクピクと微妙に動かしてから、投げる日々を送っている。「フォーム的な部分で、頭の中で思い浮かんだエネルギーの流れみたいなものがすごく良かったんで、今日のスムーズさっていうのを覚えておきたい。(球速は概ね)91マイルとか93マイルとかでしたけど、投げている感覚がそういう球じゃないなと思っていた。質がちょっと違った」

 そこで問題になるのが、WBC日本代表の準々決勝敗退の際に敗因の一つとして取り上げられた「ピッチクロック」だ。日本では、「試合時間短縮を目的とした投球間隔の制限ルール」として伝えられている。メジャーリーグ(MLB)では2023年から本格導入されているが、今永=投手からすると、こうなる。

走者なし:15秒以内に投球動作に入る。
走者あり:18秒以内に投球動作に入る。
違反時の罰則:1ボールがカウントに加算される。

 日本プロ野球(NPB)とMLBの中継を見ていて、最も顕著な違いは試合時間の長さで、「ピッチクロック」が存在しないNPBでは、今永がキャッチボールの際にやっていたような「身体の準備」を投手はマウンド上でじっくりやりやすい。

 投げるための「意識付け」のような準備こそは「身体の作りが違う」、「身体の強さが違う」、「骨格そのものが違う」などと、日本人選手がMLBに移籍する際に言われ続けてきた弱点の克服法ようなものだ。

 SNS全盛の昨今では、メディアだけではなく、身体の専門家やファンが「日本人は骨盤が後ろに倒れる『後傾』傾向にある」とか、「日本人は欧米人に比べて背骨の弯曲(S字)が緩い」などという情報を発信している。では、それを矯正、もしくは武器に変えるにはどうすればいいのか? というのも、昔から語られてきたことで、一流の選手たちはそれを見つけ、実践してきたのだ。
  それを阻むのが「ピッチクロック」であり、今永の昨季までのメジャー2年間は、いかに適応するかの闘いだったとも言える。新人王投票4位、サイ・ヤング賞投票5位に入った1年目の成功、シーズンの大部分を左太腿裏の張りとその余波を抱えたまま投げ続けた2年目の苦戦を踏まえた上で、彼はさらなる適応を求められている。

「僕はマウンドに立つ前にしっかり準備を整えたいタイプなので、やっぱり、ちょっと時間が足りないと思うことがある。メジャーの選手はすっと立ってすぐに軸足に乗って、パッと投げるみたいな感じですけど、僕はまだ、そこまでできない。(元ソフトバンクのコリン・)レイとか、(オフのトレードで加入したエドワード・)カブレラとかは上手いし、見ていても参考になります」

 今永は日々の取り組みを「トライ・アンド・エラー」と表現する。

 英語表現の「trial and error(トライアル・アンド・エラー)」から来た和製英語だが、意味は同じ「新しい手法を試して、失敗から学び、改善していくこと=試行錯誤」だ。今の彼はまさしく、それを体現しており、全体練習が終わると、トレーニングコーチと1対1で、腰に荷重可変式のワイヤーを付けて前述の「ピクピク」をやったり、ただひたすらダッシュしたり。これぞスプリング・トレーニングという感じである。

 WBC東京ラウンドで日本が盛り上がってる時にすでに疲労のピークは訪れ、今は回復から徐々に上げている状態で、やたら元気にトレーニングする姿が目立つ。

「去年の反省点は、有酸素運動とかが少なすぎて、重たい時にはちょっと休めるとかしても、身体が休まらなかっこと。だから、(疲労がピークの時でも)身体は重たいかも知れないけど、やらなければいけないことはやる。ランニングなどの有酸素運動もしっかりやる。あえてちゃんと動かして、あえてハードなトレーニングもやって、身体の中を整備してと言うか、そういう形に持っていこうと思ってますね」

 メジャーリーグという名のエンターテイメントにおいて、今永が今季、巻きかえせるかどうかのポイントはとても分かりやすい。
  まず何よりも、去年の8月からポストシーズン2試合を含めた11試合連続の被本塁打を止めること。

 本塁打を防げたからといって、必ずしもチームが勝つ確率が増えたり、彼自身の防御率が飛躍的に改善するわけではないが、1年目のように、打者がドンピシャのタイミングで振ったはずがファウルや外野フライになる速球の復活が、すべてのカギを握っていると言ってもいいだろう。冒頭のエンジェルス戦後、今永自身がこう言っている。

「(開幕までの課題は)今日の真っすぐの再現性を高くできるかどうか。何球かむちゃくちゃ引っ張られたのもありましたけど、ファウルとか空振りとかあったんで、それをコンスタントに投げ続けるかどうかが大事。それを確認しながら、スプリットに関しては今日も空振り取れたので継続しながら、もう一個変化を加えたところがあるので。継続してやっていきたい」

 カブスはすでに、WBCアメリカ代表にも名を連ねた左腕マシュー・ボイドが開幕投手を務めることを発表。2番手には若手のケイド・ホートン、3番手は今永が有力とみられている。

「(MLB)3年目である程度、道筋と言うか、どうやってこのシーズンを戦っていくか。相手打者がどう対策してくるかは分かってきた。このオープン戦を見ても、それを感じることができたので、去年と同じ失敗をしないように、去年と同じ失敗をした時、こっちとしては新しいアプローチがあるので、自信を持ってシーズンに臨みたい」

 まずは、開幕前の最後の調整登板となる3月23日(現地)のヤンキース戦に注目だ。

文●ナガオ勝司

【著者プロフィール】
シカゴ郊外在住のフリーランスライター。'97年に渡米し、アイオワ州のマイナーリーグ球団で取材活動を始め、ロードアイランド州に転居した'01年からはメジャーリーグが主な取材現場になるも、リトルリーグや女子サッカー、F1GPやフェンシングなど多岐に渡る。'08年より全米野球記者協会会員となり、現在は米野球殿堂の投票資格を有する。日米で職歴多数。私見ツイッター@KATNGO

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配信元: THE DIGEST

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