フォロワーの憧れの的であり、時代の潮流を体現するアイコンとして君臨していたインフルエンサーの「仮面」が、ついに剥がれ落ちた。
2026年3月18日、東京地裁。広告会社「Solarie(ソラリエ)」の社長であり、「宮崎麗果」として活動する黒木麗香被告(38)は、法人税など約1億5700万円を脱税したとされる起訴内容を全面的に認めた。
インスタグラムで美容関連の商品をPRし、莫大なアフィリエイト報酬を得る──。一見、現代のサクセスストーリーを鮮やかに描き出しているかのように見えた彼女のビジネスの裏側には、架空の業務委託費を計上するという、極めて古典的で悪質な「所得隠し」が潜んでいたとされる。
華やかな投稿の影で積み上げられた「架空の経費」
起訴状によって明らかになった脱税の手口は、巧妙かつ執拗なものだった。黒木被告は2021年から2024年にかけて、ソラリエの所得約4億9600万円を圧縮し、法人税など約1億2600万円を免れたとされる。
さらに、消費税約3100万円を脱税しただけでなく、あろうことか約1400万円の還付を不正に受けようとした罪にも問われている。
彼女のインスタグラムを覗けば、高級ブランドに身を包み、洗練されたライフスタイルを謳歌する姿が並ぶ。
しかし、その贅沢な暮らしを支えていた資金の一部が、本来国に納めるべき税金を不当に免れることで捻出されていた可能性があるという事実は、多くのファンを戦慄させている。法廷という冷徹な現実の場所で、彼女が認めたのは「美しきセレブ」という虚像の裏にある、あまりに泥臭い「脱税マネー」の作り方だった。
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ネット上に渦巻く怒り「憧れていた自分が情けない」
初公判で罪を認めた報が流れると、ニュースサイトのコメント欄やSNSは瞬く間に批判の嵐に包まれた。そこにあるのは、単なる脱税への憤りだけではない。彼女の発信を信じ、商品を購入し、彼女のようになりたいと願った人々から生まれる、深い裏切りの痛みだ。
ネット上では「インスタでブランド品を自慢する前に、納税という社会人の義務を果たすべきだった」「彼女を信じてアフィリエイト経由で商品を買ったのに」という怒りの声が相次いだ。
また「在宅起訴された時に陳謝していたが、結局はバレたから認めただけ」「法廷で罪を認めても、失った信頼は二度と戻らない」といった冷ややかな声も広がっている。
さらに「華やかな生活を見せつけて人を集め、その裏で国を欺く。インフルエンサーという職業自体のイメージを著しく汚した」という、業界全体への批判にまで発展している。
コメントの多くに共通しているのは、彼女が長年積み上げてきた「信頼」という資産が、一瞬にして崩れ去ったことへの冷ややかな視線だ。
問われるインフルエンサーの倫理と「虚像」の終焉
黒木被告は2025年12月に在宅起訴された際、インスタグラムで「多大なるご迷惑とご心配をおかけし、深く陳謝申し上げます」と投稿していた。
しかし、初公判で巨額脱税の起訴内容を全面的に認めた今、その謝罪の真意についても厳しい目が向けられている。
インフルエンサーという存在の本質は、フォロワーとの信頼関係にある。今回、1.5億円という巨額の脱税スキームが法廷で裏付けられたことで、彼女が築き上げたブランドイメージの失墜は避けられない情勢だ。
SNSという虚像の世界でトップを走り続けた女性が、現実の法廷で見せた「素顔」。検察側が今後どのような求刑を行い、裁判所がどのような判断を下すのか。インフルエンサー業界全体のコンプライアンスが問われる中、次回の公判に大きな注目が集まっている。
