
ラムが表紙に描かれた『うる星やつら公式ファンブック DancingStar』著:高橋留美子(小学館)
【画像】え、「ウソでしょ!?」 ラムと“メインヒロイン交代”した『うる星やつら』美女を知る
脇役から正ヒロインへ昇格の軌跡
マンガ作品において、ヒロインは主人公の成長を支えたり、恋愛関係へと発展したりと、物語の重要な存在となることが少なくありません。しかしなかには、ゲストキャラなどメインヒロイン以外の人物が圧倒的な存在感を放ち、読者の注目を集める場合もあります。
マンガ『GS美神』(作:椎名高志)では、除霊師「美神令子」と煩悩の助手「横島忠夫」、少女の幽霊「おキヌ」を中心に、妖怪とのバトルや日常のドタバタが描かれます。抜群のスタイルと美貌を持つ美神と、明るく心優しいおキヌという魅力的なヒロインが登場し、恋愛関係へ発展するのかどうかも読者の関心を集めました。
ところが、最終章の通称「アシュタロス編」で敵として現れた「ルシオラ」が横島と恋に落ち、ヒロインのようなポジションを確立させます。ルシオラは大魔族「アシュタロス」に創造された3姉妹の長女で、寿命1年という運命を背負いながら横島に寄り添う姿を見せ、読者から一気に注目を浴びました。横島自身がルシオラの存在により急成長を遂げた点も、彼女が支持される理由のひとつとなっているようです。
最終的にルシオラは儚い最期を迎えますが、ファンの間では「私のなかでは彼女が正ヒロインだったし、そこだけ単行本も買った思い出がある」「終盤の新キャラなのに凄い勢いでヒロインレースをぶっちぎった」といわれ、圧倒的な印象を残しています。
高橋留美子先生によるドタバタ格闘ラブコメディーの名作『らんま1/2』では主人公「早乙女乱馬」の許嫁である「天道あかね」が、ヒロインとして登場します。親の定めた許婚となり、はじめはいがみ合うふたりが次第に惹かれ合っていく点が見どころですが、後に乱馬に求愛する武闘家の少女「シャンプー」が、多くのファンを魅了しました。
シャンプーは、愛らしい顔立ちと抜群のスタイルに加え、独特なイントネーションの口調が特徴です。一途に乱馬を想い、軽くあしらわれても猛アタックを続ける姿は、素直になれないあかねと対照的で「妻としての心構えはあかね以上かも」と感じている読者もいました。
2019年にNHKで実施された高橋先生の作品にまつわるアニメ投票企画「全るーみっくアニメ大投票」では、キャラクター部門で本作のキャラのなかではトップの4位にランクインする人気ぶりです。魅力的な女性キャラが多いなかでひときわ輝く存在である一方、「乱馬にはあかね以外考えられない」「乱馬とあかねがケンカしつつも仲を深めていったから、どんなにシャンプーが人気になろうとあかねのヒロインの座は揺るがない」との意見もあり、あかねはメインヒロインとしての存在を確立しているようです。
同じく高橋先生による人気ラブコメ作品『うる星やつら』では、鬼族の娘「ラム」がメインヒロインとして知られていますが、連載当初はゲストキャラでした。『漫画家本vol.14 高橋留美子本』(小学館)によると、初登場時は脇役のひとりとして描いており、当時は主人公「諸星あたる」のガールフレンド「三宅しのぶ」をメインヒロインにする予定だったそうです。
セクシーな見た目と天真爛漫な魅力をあわせ持つラムは、「自分のなかでラムちゃんを超えるマンガ界のヒロインはいない」「登場時はイナズマが走るほどの衝撃で、一瞬で憧れた」など、作品を超えて絶大な支持を得るヒロインとなりました。もし彼女がヒロインになっていなければ、まったく違う世界観の作品になっていたことでしょう。
