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糖質の依存性はコカイン以上!? カロリー制限だけのダイエットでは失敗する“本質的”な理由

糖質の依存性はコカイン以上!? カロリー制限だけのダイエットでは失敗する“本質的”な理由

「カロリーを減らしているのに、なぜか痩せない」そんな経験をした人も多いだろう。食事量を我慢しているのに結果が出ない背景には、これまで見落とされてきた体の仕組みが関係していることはご存知だろうか。

『なぜヒトは脂質で痩せるのか』より一部抜粋、再構成してお届けする。

なぜ糖を摂ると太るのか?

ここで、糖質が肥満を招く仕組みについて触れてみましょう。

僕たちは食事をすると血糖値が上がります。すると、その上昇を抑えるためにすい臓からインスリンが分泌され、血液中の糖が各細胞に取り込まれます。

インスリンには「余った糖をグリコーゲンに変える」働きがあり、さらに貯蔵限界を超えると中性脂肪として体に蓄える作用もあります。

しかも、インスリンは脂肪の分解をストップさせる機能まで持っている。便利な仕組みのはずが、現代人はここで大きな歯車の狂いを抱えているのです。

血糖値を上げるホルモンはグルカゴン、アドレナリン、糖質コルチコイド、成長ホルモン、チロキシンの5種類。対して血糖値を下げる主要ホルモンはインスリンただひとつ。補助的にアミリンがちょっと働く程度です。

つまり人類の進化的な定常状態は「飢餓」。血糖値を下げる仕組みは最小限に抑えられていると考えられます。僕自身もその考えに基づき、1週間にわずか6回しか食事をとっていません。

編集者:「え、6回って少なすぎないですか?」
僕:「でも理屈に合ってるんだよね」

とはいえ、糖質の中毒性は非常に強烈。依存性はコカイン以上とする研究結果まで存在します。

さらに「バランスのよい食事」とされるPFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物=2:2:6)の場合、糖質を断つだけでは1日の必要エネルギー量の60%を失い、エネルギー不足に陥る可能性があります。

そこで、この問題を解決するのが「断糖高脂質食」の“高脂質”部分。糖を断つことと脂を摂ること、この二つはセットで行う必要があるのです。

「体内で燃やされるか、蓄えられるか」を決めるのはホルモン

脂質はカロリーが高く、「ダイエットの敵」と見なされがちです。大量摂取に抵抗を感じる人もいるでしょう。しかし、脂を摂って痩せる高脂質食を僕が推すのには、ちゃんとした理由があります。

ダイエットの指標として「カロリー」を重視する人は多いですが、これは本質的には意味を持ちません。

カロリーはボンブ熱量計で燃やした食物と排泄物の差を熱量として仮定した数値。体内での代謝とは別物です。栄養素ごとに代謝や消化吸収率は異なるため、単純な数字としてのカロリーは参考にならないのです。

カロリー制限がダイエットで失敗する本質的な理由は、人の体が「カロリー」ではなく「代謝とホルモン」で動いているから。カロリーは単なる熱量の指標であり、「体内で燃やされるか、蓄えられるか」を決めるのはホルモン。

インスリンをはじめとするホルモンが脂肪を使うか、貯めるかを支配しているのです。

カロリーだけを減らすと、体は「飢餓だ!」と判断し、代謝を落としてエネルギー消費を節約。結果、痩せにくくリバウンドしやすい状態になります。

代謝やホルモンの仕組みを理解せず、分かりやすい数字である「カロリー」だけを指標にしてしまうこと自体が、ダイエットを失敗に導く原因と考えられます。

インスリンは現代では「血糖値を下げるホルモン」として知られていますが、その役割はもっと広いものでした。

農耕文明以前、人類の食生活は肉や魚を中心とした高タンパク・高脂質であり、糖質は季節的に限られていました。この環境ではインスリンは血糖処理よりも、アミノ酸や脂肪酸を効率的に細胞へ取り込むために機能していたと考えられます。

実際、猫やイルカなどの食肉目は糖をほとんど摂取しないにもかかわらずインスリンを分泌し、タンパク質代謝や脂質代謝に不可欠な役割を果たしています。

人類も旧石器時代にはほぼカーニボア(肉食)的な食生活を送っていたため、インスリンは筋肉合成やエネルギー代謝を支える「栄養取り込みホルモン」として働いていたと推測されます。

つまり、インスリンの存在理由は必ずしも血糖値を下げるためだけではなく、進化的には細胞に栄養を届ける普遍的な仕組みとして備わった可能性が高いと考えます。

文/金森重樹

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