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【今さら聞けないサッカー用語:剥がす】単なる個人技ではない。次のプレーで有利な状況を作るためのプロセス

【今さら聞けないサッカー用語:剥がす】単なる個人技ではない。次のプレーで有利な状況を作るためのプロセス


 聞いたことはある、何となく意味も分かる。でも、詳しくは知らない。そんなサッカー用語を解説。第16弾は「剥がす」だ。

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 守備側の選手や守備ブロックのプレッシャーを外し、相手の守備構造から自由になることを意味する。単純に相手を抜き去るといった意味だけではなく、パスやポジショニング、ドリブルなどで、守備の対応を外すプレーを指して使われる。英語では「Peeling Off(ピーリング・オフ)」と表現されるのが一般的だ。

 最も分かりやすい例は、ドリブルによる「剥がし」だ。ボール保持者が対面する守備者を抜き去れば、その瞬間に守備ラインの一部が崩れ、後方の選手が新たに対応しなければならなくなる。これにより守備のバランスが乱れ、スペースや数的優位が生まれる可能性が高まるのだ。

 ただし、現代サッカーではドリブルだけでなく、動き出しを交えたパスワークやオフ・ザ・ボールの立ち位置、あるいはファーストタッチの向きによって守備を剥がすケースも多い。
 
 ビルドアップの局面では、相手のプレスに対してパス交換やポジション移動を行ない、相手の守備者をボールの位置から外す。守備側の選手がボール保持者にプレッシャーをかけに出た瞬間、その背後にスペースが生まれ、そこへパスを通すことができれば、プレスに来た選手を一度のプレーで無効化できる。このように相手の守備を一人、あるいは複数人まとめて外すプレーも「剥がす」と表現される。

 ポジショニングによる剥がしも重要な要素だ。攻撃側の選手が守備ラインの間や背後に適切な立ち位置を取ることで、守備側は誰が対応するべきかの判断を迫られる。

 もし守備側が前に出れば背後が空き、出なければ前を向いてプレーできる。こうした状況を作るのも、守備を剥がす効果的な方法と言える。

 剥がすことが重要視される理由は、サッカーが基本的に同数で守備が整いやすいスポーツだからだ。守備側は組織的にブロックを作ることでスペースを消すが、その構造の一部を外すことができれば、局面に優位性が生まれる。

 マンツーマンで対応される場合でも、1つ守備を剥がすことで攻撃側の一時的な数的優位が生まれたり、周りの選手がマークされにくくなる。

「剥がす」とは単なる個人技ではない。守備の構造を動かし、味方の時間やスペースを生み出すことで、次のプレーで有利な状況を作るためのプロセスなのだ。ドリブルやパスワーク、ポジショニングなど様々な手段によって実現されるものであり、現代サッカーのビルドアップや崩しの局面を理解するうえで、重要なワードとなっている。

文●河治良幸

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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