最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
脳トレ四択クイズ | Merkystyle
あなたのプレイリストは知能を映すのか? 手がかりはメロディーではなく歌詞だった

あなたのプレイリストは知能を映すのか? 手がかりはメロディーではなく歌詞だった

あなたのプレイリストは知能を映すのか? 手がかりはメロディーではなく歌詞だった
あなたのプレイリストは知能を映すのか? 手がかりはメロディーではなく歌詞だった / Credit:Canva

ドイツのルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン(LMUミュンヘン)で行われた研究によって、どんな音楽を聴いているかや音楽の聴き方が知能と関連していることが示されました。

これまでは「クラシックやジャズを聴いている人は頭がいい」という、音楽のジャンルと知能が語られがちでしたが、新たな研究では最も知能と高い関連を示したのは、音楽のテンポやメロディーそのものよりも、「どんな歌詞の曲を選んでいるか」でした。

いったいどんな歌詞が、知能の高さや低さと関連していたのでしょうか?

研究内容の詳細は2026年2月13日に『Journal of Intelligence』にて発表されました。

目次

  • 音楽は脳の“総合運動”だった
  • 知能と結び付いているのは音楽ジャンルより歌詞だった
  • プレイリストは知能診断になるのか

音楽は脳の“総合運動”だった

音楽は脳の“総合運動”だった
音楽は脳の“総合運動”だった / Credit:Canva

これまでの知能研究は、テストや学校の成績、仕事の業績といった「重要な場面」でのパフォーマンスばかりに目を向けてきました。

もちろん、こうした場面では知能の差がわかりやすく出るので研究もしやすかったのです。

でも私たちは毎日、家でくつろいだり、スーパーで買い物したり、通勤の電車でスマホを触ったりと、もっと気軽な日常の中でも確実に頭を使っています。

そこで今回の研究チームは、その見落とされた日常のなかに、知性を映す“手がかり”があるかもしれないと考え、「音楽を聴く」という活動に目をつけました。

なぜ音楽なのでしょう?

実は音楽を聴くというのは、脳にとって意外と“濃厚な”活動だからです。

音楽はただ耳に心地よいだけではなく、感情や記憶、集中力やモチベーションまで巻き込む、まさに脳の総合的な刺激だと言われています。

このことから、音楽を選ぶ行動には、その人が日常でどんなふうに頭を使い、何を考え、どういう心理状態を好むのか、そういった微妙な知的特徴がにじみ出ている可能性があるわけです。

ただ既存の手法は問題点がありました。

これまでの音楽と知能を結びつける研究は、多くが「どのジャンルが好きか?」というアンケートや、短時間の実験室内でのテストに頼っていました。

でも人って、「好きな音楽は?」と聞かれると、つい自分をよく見せようと見栄を張ったり、記憶があいまいで実際の好みと違う回答をしてしまったりします。

たとえば中二病を発症している人は、実際にはほとんど聞いていないにもかかわらず「洋楽」と答えるかもしれません。

また自分を高尚で賢いと思わせたい心理がある人は「クラシック」を実際よりも多めに申告してしまうかもしれません。

さらに実際に聞いている曲がゲームやアニメにかかわる音楽がかなり多くても、本人はそれを自覚しておらず、現実に即さない答えを返してしまう場合もあるでしょう。

調査が人間と対面しないアンケートであっても、これらの心理や誤解は影響を与えてしまいます。

そうなると、実際の日常でどんな音楽を選んでいるのかとはズレてしまうわけです。

今回の研究チームは、そうした“建前の好み”や実験室の人工的な状況を避けるために、実際に人々がスマホで聴いている音楽を正確に追跡する方法を取りました。

つまり、「聞いた話」ではなく、「リアルな視聴履歴」を元にして「何が好きだと言うか」ではなく「実際に何を流したか」というより本物に近い音楽の好みと知性の関係を見ようと考えたのです。

知能と結び付いているのは音楽ジャンルより歌詞だった

知能と結び付いているのは音楽ジャンルより歌詞だった
知能と結び付いているのは音楽ジャンルより歌詞だった / Credit:Canva

ここからは、実際に研究がどのように行われ、どんな結果が出たのかを、順を追って見ていきます。

研究者は、まずスマホ追跡研究に参加した850人のデータを集め、その中から条件を満たした185人を最終的な分析対象にしました。

参加者の私物スマートフォンには、専用の研究用アプリが入っていました。

このアプリは、参加者が日常で実際に再生した音楽を5か月間記録し続けるものです。

その間、参加者は特に普段どおりの生活をするだけで、特別に「いい音楽を聴こう」なんて考える必要はありません。

5か月間で集まった音楽データから、非音楽トラックを除くと、全部で5万8247曲のユニーク曲が残りました。

研究チームはここから、その曲のテンポやメロディーの特徴(たとえば曲調が落ち着いているのか元気なのか、ライブっぽさがあるかないかなど)と、歌詞に含まれる言葉やテーマ(前向きなのか、暗めなのか、家庭を意識した言葉が多いのか、曖昧な言い方をしているかなど)をコンピュータで解析しました。

さらに、参加者一人ひとりの音楽を聴く習慣、たとえばどれくらい長く音楽を聴いているのか、ドイツ語の曲がどれくらい多いのかなども細かくチェックしました。

こうして、音楽の好みをトータルで215種類の細かな数値にまとめたのです。

次に、これらの数値が本当に知性と関係しているのかを確かめるために、参加者にスマホ上で簡単なテストを受けてもらいました。

このテストでは、新しい問題を考える力、言葉の理解力、数の知識にまたがる、いわば「考える力の土台」が問われました。

つまり、日常の音楽の好みと、この「考える力の土台」がどのくらい関係しているかを分析したわけです。

するとまず予想外なことに、少なくとも今回の実データでは、好きな音楽ジャンルそのものより、歌詞や聴き方の特徴のほうが知能予測に役立つことがわかりました。

これまでは「クラシックが好きだと頭がいい」という話がしばしばなされていましたが、今回の研究は、そういった単純な図式だけでは説明しきれないことを示しました。

しかし関連がみられたものもありました。

中でも最も知能と関連が強かったのは、歌詞の言葉づかいでした。

具体的には、前向き一辺倒ではない歌詞、現在に焦点を当てた歌詞、飾らない誠実さを感じさせる言葉、家やベッドのような家庭関連の言葉を含む歌詞などが、やや高い方向の認知能力予測と結びつく傾向が見られました。

一方で、社会的な言葉が多すぎるものや、曖昧さやためらいを含む表現、強すぎるポジティブな感情表現などは、やや低い方向の認知能力予測に関連していました。

筆頭著者のラリッサ・サスト氏も、音の特徴より歌詞のほうが認知能力の予測に役立ったのは驚きだったと述べています。

また音の側では、ほとんどの特徴はあまり役に立たなかったのですが、例外的に「ライブ感」が影響していました。

ここでいうライブ感とは、その曲が観客の前で録音されたような臨場感のことです。

研究では、ライブ感が高い曲を好む傾向は、やや低い方向の認知能力予測に出ていました。

何を聴くかだけでなく、どれだけ聴くか、そしてどれだけ言語の幅をまたいで聴くかといった“聴き方のクセ”も、考える力のごく小さな手がかりになっていたのです。

具体的には、全体の聴取時間が長く、ドイツ語の曲の割合が低い人ほど、高い方向の認知能力予測と結びつく傾向がありました。

しかし、なぜこれらの要素が知能と関連しているのでしょうか?

配信元: ナゾロジー

提供元

プロフィール画像

ナゾロジー

ナゾロジーはkusuguru株式会社が運営する科学情報サイトです。読者をワクワクさせ、科学好きな人を増やすことを理念に運営しています。 現在、世界はたくさんの便利なテクノロジーによって支えられています。しかし、その背景にある科学の原理や法則を知る機会はあまりありません。 身近に潜む科学現象からちょっと難しい最先端の研究まで、その原理や面白さを分かりやすく伝えられるようにニュースを発信していきます。

あなたにおすすめ