
「驚くほどすごい!」「DFは彼を見失うんだ」7戦6発と絶好調の“日本代表エース”を蘭レジェンドたちもベタ褒め!本人は「2年前とは大きく変わった」と激白【現地発】
10月2日、ヨーロッパリーグ(EL)のリーグフェーズ第2節、フェイエノールト対アストン・ビラの試合開始30分あまり前のこと。ウォーミングアップのためフェイエノールトの選手たちがピッチに姿を現わすと、「エー、エエエー、ウエダ、ウー、ハー」というお馴染みのチャントがスタジアムを揺らした。現在のチームに個人チャントがあるのは、おそらく上田綺世だけ。試合が始まっても時おりゴール裏から沸き起こるチャントに、上田に対するヘット・レヒユン(フェイエノールト・サポーター)の期待が高まっているのを感じる。
それもそのはず、オランダリーグ7節を終えた時点で上田は6ゴールと絶好調。9月28日のフローニンヘン戦では、左からのクロスをヘッドで合わせて1対0の勝利に貢献した。その晩、NOS局「ストゥディオ・フットボール」では往年の名選手、ラファエル・ファン・デルファールトとピエール・ファン・ホーイドンクが、上田のことを語り尽くした。
ファン・デルファールト「(上田のトラップを見て)驚くほどすごい。3タッチからのシュート。これは相手GKにセーブされた。オッケー。彼にはそういう力がある。こうしたプレーからも、彼の自信がどんどん増しているのが分かる」
ファン・ホーイドンク「(ゴールシーンを見ながら)素晴らしいのは、DFの背後を取って前に出る――という同じ予備動作を2回繰り返した結果、彼はDFの死角に入った。1回目は右からのクロスが越えていったが、次も左からのクロスに対して同じ動きをしてゴールを決めた。上田の動きに対して、DFには一種の驚きが生まれる。DFはボールをまず見て、さらに周囲を見ようとするが、このときDFは上田の姿を見失い、落ち着きをなくしてしまう」
ファン・デルファールト「すでに6ゴールだ」
フローニンヘン戦後のロビン・ファン・ペルシ監督のコメントも紹介された。
ファン・ペルシ監督「綺世がまた活躍した。私が(2005年2月に)フェイエノールトに来てから素晴らしい活躍をしている。ゴールシーンを振り返ってみると、素晴らしいプレアクションを起こしている。一瞬、ファーに動くと見せて、中に入ってきた。そして彼の長所であるヘディング。2秒の瞬間にすべてが噛み合った。レネ(ハーケコーチ)と私はベンチでそれを眺めていた。監督として今日の試合で最も楽しい瞬間だった」
錚々たるレジェンドたちが、上田のトラップ&シュート、ゴールを仕留めるまでの過程、決定力の高さを褒め称えた。
アストン・ビラに0対2で敗れたものの、フル出場した上田のプレーコンテンツは相変わらず高かった。結果的にはノーゴール。しかし32分のヘディング弾はゴールと認められるべきだったもの。CKでの密集で、ボールとは関係ないところで反則があったと判定された。
「正直、ボールと関係なかった場所なのでね。ある意味、言ったら『(アタッカーに)ホールディングがあったらPKにしてくれるのか!?』みたいな。まあまあまあ、言ったらキリがないんでね。それ以外にも、僕にはチャンスがあったので、そこを沈められなかったのが悔しいです」
この幻のゴールシーン。巨漢選手相手に身体をぶつけて空中戦に勝ったうえ、上半身を捻ってヘディングシュートを地面に叩きつけ、しかも体勢を崩してからすぐに立て直して(ゴールラインを割ったボールをGKが弾いたため)リバウンドを詰めた一連の動作は、規格外だった。
私は過去2年あまり、オランダメディアからコメントを求められるたび、「上田綺世は規格外」と繰り返し答えてきて、その都度、現地のファンからツッコミを受けてきた。しかし今、風向きは完全に上田にとってフォローだ。アストン・ビラ戦後、上田に対して“6(及第点)”を付けたメディアに対して、ファンたちが「何見てるんだ。上田は“8(大活躍)”だっただろう」などとコメントしている。
アストン・ビラ戦で繰り返し見せた上田のシュート、ポストプレー、献身的な守備。これだけのハードワークをし尽くしてもなお、90分に上田は力を振り絞って素晴らしいプレーを披露した。それは相手を背負いながら中盤に引いて、そこから絶妙のスルーパスを味方に通したシーン。判定は惜しくもオフサイドだったが、疲弊し切った時間帯で見せた高質なプレーに好調さを感じた。このシーンを例に挙げると、上田は「そうですね」と一拍置いてから語った。
「自分の成長も感じられた試合でした。そういった試合で一個ね、結果を残せるか残せないかというのは大きく違うので、自分の中で悔しさが大きいですね」
“幻のゴール”の判定への不満を噛み殺しつつ、上田は自身に矢印を向けていた。
ルリアーノ・バレンテというイタリア系オランダ人MFはスルーパスの名手だ。58分、上田がサイドからフリーランニングで相手の背後を取った瞬間、絶妙のスルーパスを通してくれた。こうして上田はGKと1対1になったが、シュートを枠に捉えることができず、さらに判定はオフサイドだった。
こうした上田の動きを活かした連携は過去2年、フェイエノールトで滅多に見られなかったもの。1年目は唯一、MFクインティン・ティンバーが、上田が動いたスペースに走り込んでいたが、そこから何かが生まれたわけでもなかった。つまり、上田のオフ・ザ・ボールの動きは単なる“個人戦術”だったわけだ。
だが、今は違う。アストン・ビラ戦では不発に終わったものの、MFセム・スタインはかつてのヨン・ダール・トマソンのように“9.5番”の役割を果たし、上田とコミュニケーションを取りながら、共に活かし活かされながらゴール前で危険なシーンを作っている。新進気鋭の右SBジバイロ・リードはポケットを突いたり、ワイドで中を見ながら上田にラストパスやクロスを入れてくる。中盤の底からファン・インボムが左右両足から楔を上田に付けるパスは正確。また、渡辺剛という足下のプレーが飛躍的に伸びたCBもいる。こうして上田の“個人戦術”は“グループ戦術”へ、さらに“チーム戦術”へと昇華した。
「2年前とはかなり大きく変わりましたね。自分のクオリティーもそうだし、ポジションもそうだし、自分も成長したし。やっぱり(当時とは)違うフィーリング、感覚でプレーできてます。こうやって相手が強くても、リーグ戦でも結果に出ている。この2年間、もちろんうまく行かなかったことのほうが多かったですけれど、間違いなく自分の力になっている実感があります」
ファン・ペルシ監督は「綺世は私がフェイエノールトに来てから活躍している」と頬を緩ませながら言っていた。上田自身は「監督による違い」を感じているものだろうか。「ちょっと戦術的な話になっちゃうので詳しくは話せませんが」と前置きして、背番号9は続けた。
「結果に直結するようなプレーだったり、“フォワードらしいプレーを、フォワードらしく求められる”というか。もちろん、それは自分から勝手に『フォワードだったら、やれよ』という話なんですけれど。アルネ(・スロット/現リバプール監督)の時だったらゴール前で“壁”になったりとか、僕がやってこなかったことを求められることが多かった」
――“ゴール前の壁”とは?
「背負って2枚目の選手、3枚目の選手が入ってきて、そこを使って、という落としのところ。ポストプレーもそう。例えば、ゴール前じゃなく外に出てビルドアップに参加することとか。そういう僕にとって慣れないことをいろいろやってきたなかで、(ファン・ペルシ監督からは)逆にセンターフォワードらしいことを求められているというか。それが単純に僕には合っていたというところがある。
(ファン・ペルシ)監督からの信頼、リスペクトを僕も感じているし、もちろん僕もリスペクトしているので、その期待に応えたいというのはありますね」
順当に10月の日本代表シリーズのメンバーに選ばれた上田。しかしそれまでは、週末のリーグ戦のみにフォーカスする。
「ユトレヒト戦が中2日であるので、僕はやっぱり怪我をしないことが一番大事だと思うので、怪我せずにやっていくこと。自分の身体とちゃんと会話して試合に向かっていくことですね。代表はその後なので、またそのとき考えます」
ちょうど1年前、フェイエノールトで調子が良くなり始めた矢先、上田は怪我に泣いた。その二の舞いは踏まない。
取材・文●中田 徹
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