しっかり寝たはずなのに、なぜか疲れが抜けない。そんな感覚に襲われたことはないだろうか。実はそうした違和感を覚える中高年が今、増加している。いわゆる「休んだつもり疲労」だ。
かつては「とにかく寝れば回復する」が常識だったが、近年は事情が違う。スマートフォンの長時間使用や情報過多によって、脳が休まらないまま眠りについているケースが多いと指摘されている。体は横になっていても、頭の中はフル稼働。その結果、翌朝になっても疲労感だけが残るというわけだ。
では、この厄介な疲労にはどう対処すべきか。専門家が口を揃えて指摘するのが、生活習慣の見直しという極めてシンプルな処方箋だ。
とりわけ重要なのは、就寝前のスマートフォン使用を控えること。SNSやニュースは脳を刺激し続け、眠っている間も思考状態を引きずる原因となる。最低でも就寝30分前には画面から離れたい。
38度から40度のぬるめの入浴も効果的。シャワーで済ませがちな現代人だが、湯船に浸かることで自律神経が整い、睡眠の質が向上する。
さらには日中の軽い運動だ。激しいトレーニングは不要で、散歩やストレッチ程度で十分。「動かなすぎ」による血流低下こそが、脳の回復を妨げる一因だという。
では、この「休んだつもり」を放置した場合のリスクはというと、これがどうにも軽視できないのだ。
慢性的な脳疲労は集中力や判断力の低下を招き、仕事のパフォーマンスに直結する。これが長期化することで、睡眠障害へと発展することも。結果として、生活リズムの乱れや体調不良を引き起こすケースは少なくないのだ。
情報過多の現代においては、体ではなく脳をいかに休ませるかが鍵となる。何気ない習慣の積み重ねが翌日のコンディションを大きく左右することをいま一度、認識しておきたい。

