球団創設90周年を迎えた中日ドラゴンズにとって、開幕第2節の巨人3連戦が、今シーズンを占う重要な対戦となりそうだ。
球団創設90周年といえば、2024年の巨人、そして2025年の阪神がひと足先にそのメモリアルイヤーを迎え、リーグ優勝を決めている。中日も「この2球団に続いて」と思っているはずだ。
今季の中日は本拠地バンテリンドームナゴヤに「ホームランウイング」を新設。従来の外野フェンス前に観客席を設け、フェンスの高さは4.8メートルから3.6メートルに。右中間、左中間までの距離は116メートルから110メートルまで短くなった。
その影響だろう。オープン戦で中日打線が放った本塁打数は、12球団トップの16本。10本がバンテリンドームで出たもので、うち6本が「ホームランウイング」に飛び込んでいる。
近年の課題だった貧打のイメージは払拭されたようだが、オープン戦では「マイナスのデータ」も露呈した。
「中日はバンテリンドームでオープン戦9試合を行い、7本のホームランを食らいました」(名古屋在住記者)
得点力は上がったが、失点も多くなったというわけだ。
その9試合で中日打線が稼いだ総得点は43、失点は36だ。この時期は投手が調整過程にあるとはいえ、9試合中2試合が2ケタ失点だった。
「ホームランウイングができて右中間、左中間の膨らみがなくなり、球場のフィールドが菱形に変わりましたね」(前出・名古屋在住記者)
相手打線も一度火が点いたら、止まらなくなるようだ。
そんなバンテリンドームでの公式戦は、3月30日からの巨人との3連戦で幕を明ける。打線が火を噴くのは中日か、それとも巨人か。仮に巨人打線に試合終盤での一発が出たら、ダメージが残る試合になるだろう。
「開幕1軍の当落ライン上にいる、もしくはオープン戦での奮闘が買われて1軍登録される、その両方の声が聞こえているのが、根尾昂です」(前出・名古屋在住記者)
今季の根尾に期待する声は多い。中日投手陣は松山晋也、清水達也、斎藤綱記といった勝ちパターンのリリーバーが相次いで故障してしまったが、ブルペン陣は人材が豊富だ。1軍当確ではなく「当落ライン上」の声があるのはそのせいだが、試合序盤で先発投手が炎上してしまった場合、どうなるのか。「ビハインドの試合で、まずは経験を積ませて」と長い目で見てもらえるのなら、十分にチャンスはあろう。
球団関係者が言う。
「投手らしいボールになってきたと、井上一樹監督は根尾を褒めていました。ファームではなく、1軍で経験すべき時期にあります」
ホームランウイングの恩恵を受けるのは打線ではなく、根尾かもしれない。
(飯山満/スポーツライター)

