善なるものを追求しなければならない
最後に筆者も質問するチャンスをもらったので、「AI を利用して我々の生活を壊滅的なものにするのではなく、より良いものにするために、何を一番心に留めておくべきでしょう?」と聞いてみた。
アルトマンさんは「今日 AI を使用することには明らかな利点が数多くあります」と答えた。
「AIは生産性を高めるのに役立ちます。それはすでに新しい科学の発見に役立っています。壊滅的ことが起こらないように、追跡し続けることは非常に重要だと思います。これらのモデルをどうテストするか、安全基準をどう定義するかについて、世界中で共通の基準を構築することは、今日非常に重要かつ緊急であると思います。確かに、再帰的な自己改善が可能な AI モデルには追加の安全性テストが必要です。サイバーセキュリティー同様です。世の中にはAIの活用方法がいろいろあると思います。良いものもあれば悪いものもあるでしょう。でも、悪いものを避けることに集中する必要があります」と、しっかりとした回答をくれた。

アルトマンさんは、世界を変えた知性の持ち主なのに、高圧的でなく、非常に思慮深く対談に応じ、質問に答えてくれていた。ChatGPTが与えた衝撃に対して、なんともおとなしく控えめな人だと感じた。
生成AIの進歩はあまりに速く、それに対して不安になったり、反発心を持ったりする人が多いのはよく分かる。しかし、パンドラの箱はすでに開かれた。そして、今回の取材を通じて、箱を開けたのがアルトマンさんで良かったなと思った。いずれにせよ、あらゆるテクノロジーを使う時に、一番必要とされるのは『善なる心』なのだ。そういう意味で、筆者はアルトマンさんの人間性と、テクノロジーの開く未来を信じようと思った。
(村上タクタ)