食卓に響いた、信じられない一言
夫が初めてそう言ったのは、結婚2年目の冬の夜でした。「おまえの作った料理なんて、犬も食わないよ」笑いながら、はっきりと。まるで当たり前のことを言うような口調でした。
それからというもの、「薄い」「変な味」「外で食べたほうがまし」といった言葉が、食卓では当たり前のようになりました。何度か言い返そうと思ったこともあります。ですが夫の口調には、いつも「これが正しい評価だ」という確信がありました。
それでも私は、翌朝には朝食を作り、お弁当を詰めました。料理をやめる理由が、見つからなかったからです。
SNSへの投稿がきっかけに
友人に「SNSに載せてみたら?」と勧められたのは、去年の春でした。「どうせ誰にも見られないだろう」と思いながら、試しに数品投稿してみました。
すると一週間後、コメントが届いていました。「作りました!家族に大好評でした」「また作りたいです」その画面を見つめながら、私はしばらく動けませんでした。
夫が「犬も食わない」と言った料理を、見知らぬ誰かが「もう一度作りたい」と思ってくれている。それだけで、十分でした。
