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田中麗奈 & 森崎ウィン インタビュー “心のモヤモヤ”と閉塞感の先にある痛快クライム・コメディ『黄金泥棒』

田中麗奈 & 森崎ウィン インタビュー “心のモヤモヤ”と閉塞感の先にある痛快クライム・コメディ『黄金泥棒』

平凡な主婦が金 (きん) に魅せられて犯罪を犯したという実話から着想を得て生まれた映画『黄金泥棒』。田中麗奈が退屈な毎日に刺激を求める専業主婦【美香子】に扮し、森崎ウィン演じるゴールドショップの社員【金城】の隙をつこうと犯罪計画を立てる痛快クライム・コメディです。個性的な登場人物が次々と登場し、物語は意外な方向へと進んでいくのですが、監督・脚本を務めるのは『断捨離パラダイス』(2023)、『津田寛治に撮休はない』(2026) の萱野孝幸監督。しかも劇中登場する数々の金工芸は本物?! というのもゴールドカンパニーの株式会社SGCが協力しているからであり、「金のたこ焼き器」など目を見張るものまでスクリーンに映し出されます。

そんな本作の主演である田中麗奈さんと共演の森崎ウィンさんに、撮影時に登場した意外なモノ?! や、日常で大事にしていることまでざっくばらんに話して頂きました。

――お二人が出演を決められた理由を教えて下さい。

田中 本当に脚本自体が凄く面白かったんです。“これ、私がやっていいんですか? こんな面白いものを“と思ったんです。エンタメなのに、40代の普通に生きてきた専業主婦の心のモヤモヤとか、孤独さや閉塞感とかを凄く感じたんです。そんな心の穴を見つめ返して人生を取り戻していくような、そういう彼女の成長物語でもあると思いました。それに私が演じる【美香子】という人が天然で独特の空気を持っている人で、“絶対にやりたい”と思ったんです。なかなか【美香子】のような役には、出会えないですから凄く嬉しかったです。

――【美香子】のルーティーンと言えるテレビを見ながら食べる横顔のショットが、疲れた「主婦」って感じでなんか愛おしいというか。

田中 虚無感がありますよね。

森崎 萱野(孝幸)監督は僕と同い年なんです。監督が作られた前作『断捨離パラダイス』(2023) を観させて頂いたりしていて、“同い年でこんなにクリエイティブで、この監督はどういう考えを持った人なんだろう”という興味が湧いたんです。

台本を頂いて、なかなかこんな敵役と巡り会えないじゃないですか。敵役という一言でまとめるのはあまり好きではないのですが、わかりやすく言うのであれば【美香子】の進もうとする道に壁を作るような立ち回りで、ちょっと腹黒いというか、「成功の為だったら何でもしてやる!」みたいなガッツを持ったキャラクターってなかなか出会えないんです。それも自分にとってはチャレンジングですし、色々な要素が絡み合って、今作は“凄くやりたい”と純粋に思いました。

――お二人が飲みながら会話をしているシーンでは、再現ドラマが挿入されますよね。本当に突然映し出されるので“ ?? ”ってなって斬新でした。

森崎 突然、“えっ? ”ってなりますよね (笑)。

――あの【美香子】の幼少期の写真は?

田中 私です! あの写真は私の写真です (笑)。

――やっぱりそうですよね。

田中 実家から取り寄せた写真を提供したんです。

森崎 そうなんですね! (驚)。

――凄く顔が似ていたので“アレ? ”って思っていました。

田中 そういえば、今までこのことを言って来なかったです。初公開です。「ちょっとお写真を貸してもらえませんか? 」と監督に言われて提供させて頂きました。だから私は、あのシーンが個人的に勝手にエモイんです (笑) 。「これ、私なの」って感じで (笑)。でも、あの再現ドラマの挿入は本当に独特で、“この物語はどこに連れて行かれるんだろう? ”と思いますよね。“振り返り過ぎみたいな (笑)、幼少期からなんて! ちょっと最近の出来事ではない感じが可笑しい (笑)。あの水炊き屋さんのシーン、凄く楽しかったなぁ。

森崎 面白かったですね。

田中 あのシーンが本番で初めてご一緒したシーンになります。

森崎 僕の撮影初日でした。“これはどういけばいいんだ‥‥?! ”と、滅茶苦茶緊張しました。でもワークショップをやって、監督と話せる期間もあったので、そのお陰で現場は意外とスムーズだったと思います。

田中 スムーズだったと思う。

――脚本通りだったのですか、それともアドリブなど入れられていたのですか。

田中 ウィン君は結構アドリブを入れてくれる人なので、ちょいちょいありましたね (笑)。

森崎 そうでしたっけ? そうかもしれないですね。

――アドリブを入れていたのを忘れていました?

森崎 忘れていました (笑)。

田中 水炊き屋さんでの撮影時も多分言ってくれていたと思いますよ。過去の「観光は行きましたか? 」というところで、私が「いや、反省してたんで」って言ったら「そうですよね。それは行かないですよね」みたいなちょっと次の台詞に繋がる言葉を入れてくれたりしてくれて。

森崎 勝手に出ちゃった感じですね、すみません。

田中 でも、そこで私も何かギクシャクした気持ちとか、“今、それを言わないで欲しい”っていう、恥ずかしい気持ちの【美香子】を引き出してくれていたので、凄く楽しいシーンでした。

――演じている役者さんたちも、楽しんでいるようにさえ観えました。芸歴の長いお二人にとって、役者という仕事はなんだと思いますか。

森崎 ウワ~ッ、マジですか?! 難しい。

田中 やっぱり恥ずかしいとか、恥をかくことっていいですよね。恥ずかしいことをやってみるとか、あと学ぶこと。年下の人たちから凄く学ぶことが多いので、それを出来る限り吸収するというか。そうすることで自分も栄養を頂き成長出来る気がしています。刺激も凄くあるし、瞬発力であったり、対応力も含めて今の若手の皆さんは能力が高くなってると思います。自分と違うマインドでお芝居に対して積極的であったりもするので、毎回刺激になっています。

森崎 僕が今、思うのは俳優というのはそもそも頂くお仕事です。求められてなんぼの所もあるし、お芝居の凄い人もたくさんいらっしゃいます。上には上が居るという、まさにきりがない中で、毎回作品を得るごとに想うことは、“俺って、こんな人間だったんだ”という気付きです。自分の人間性というものと向き合うきっかけが凄く多くて、自分の過去とか、思い出したくないこととかまで気付いてしまうというか。“俺って、意外とこういうところにトラウマがあったんだ”とか“これ、凄く好きなんだな”とか自分を知るきっかけをくれることが沢山あるんです。僕は普段生きていて、振り返ることってあんまりないですけど、そういう場を与えてもらっているのもありがたいですし、そういうことを贅沢にやらせてもらえていることは幸せ者でしかありません。そういうことを最終的には感じています。

田中 確かに。

――とは言え、ちゃんとリセットしないといけないから、日常で心掛けていることはありますか。

田中 大事にしていること‥‥。そうですね‥‥、ウィン君、先にお願いします。

森崎 田中さんとかを見ているとリアルな人生でも色々な変化があるじゃないですか。例えば、独身だった頃があって、家族を持たれて、お子さんが出来て、どんどん環境が変化してるわけです。そこで感じるものだったり、現場にもお子さんを連れていらしたり、そんな姿を見るときっと俳優としても凄い変化が起こっていて、細かくは分かりませんが、演じる芝居も変わっていくんだろうなと。だから本当にリアルな人生もちゃんと生きている。だから僕も「そこにちゃんと生きる」ということを心がけようと思って、日本国籍も取得したんです。なら選挙に行くとか、俳優だからやらないという時代ではなく、人間としてちゃんと生活していくことを勉強していかなきゃいけないと思っています。芸能界だけにいるとわからないことが多かったりすることもあるので。

田中 確かに女性の方が男性より分かりやすく変化があるから‥‥。環境によって人間関係もどんどん変わっていきます。子どものお友達だったり、自分も「〇〇ちゃんのママ」になったりとか、立場も変わっていきます。そう思うと男性よりは日常で得られるものが自然にあるのかもしれません。だから男性が意識して、そうやって日常を見ていくことは、本当に素晴らしいと思います。

森崎 なるほど。そうですね。

田中 私は忙しいのも、大変なのも実は好きなんです。子育ては子育てで、何だろうな‥‥。仕事は頑張って集中してガッツでいっているけど、子育ては“どうすれば楽にできるか? ”をちょっと考えています。子どもと一緒に映画を観る時も『E.T.』(1982) とかは自分も子どもも観られるので、「スピルバーグ、凄いな」と言いながら一緒に観たり、無声映画だけどチャンプリンとかも観せて、一緒に笑いながら観ています。「全てが子どもだけの」ってなると正直疲れてしまうので、自分の好きなものに子どもも巻き込んじゃう (笑)。映画館ももちろん『ドラえもん』も行くけれど、実写版の映画とかにも一緒に行ったりもします。プールとかも行くけど、自分の運動にもなるから行く。

森崎 確かに、そっか (笑)。全部、プラスに変えるんですね。

田中 全部プラスに変えてやってます (笑)。やっぱり楽しく生きたいですから。

このページでも聞くことが出来るラジオ収録では、最近劇場で観たオススメ映画を語って頂いたんですが、田中麗奈さんはお子さんと鑑賞した『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』と『ほどなく、お別れです』を挙げていました。いっぽう森崎ウィンさんは、戦争映画『ウォーフェア 戦地最前線』を観て考えることが多かったよう。とにかく映画が好きなお二人のトークは楽しくてあっという間でありました。本作でも二人のシーンはなんだか滑稽で面白くて仕方がないですよ。

取材・文 / 伊藤さとり
撮影 / 岸 豊

作品情報 映画『黄金泥棒』

平凡な日々に退屈していた専業主婦の美香子は、ある日訪れた百貨店で、株式会社SGCが販売する数百万円もする金のおりんをつい盗んでしまう。きん金の魅力に取り憑かれ世界が一変した彼女は、「私にしかできないことをする」という幼き日の夢が蘇り、無謀にも100億円の秀吉のきん金ちゃわん茶碗を盗み出す計画を立てる。美香子を利用しようとするSGCの社員・金城との駆け引きや、なし崩し的に泥棒の共犯者となった夫の浮気やら、トラブルの連続。果たして、一世一代の大博打に出た彼女は、金茶碗を盗みだすことができるのか!?

監督・脚本:萱野孝幸

出演:田中麗奈、森崎ウィン、阿諏訪泰義、石川恋、岩谷健司、中村祐美子、勝野洋、宮崎美子

配給:キノフィルムズ

©2025『黄金泥棒』FILM PARTNERS.

2026年4月3日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

公式サイト ougondorobo.jp

配信元: otocoto

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