最近SNSなどでも話題になっており、気になっている人も多いかもしれません。
実は漢方の視点で見ると、麻辣湯は“巡り”や胃腸との相性がポイントになります。
そこで、今回は麻辣湯がからだに与える影響や注意点などを、あんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに教えていただきます。
麻辣湯、流行ってるけど注意すべきこと
麻辣湯は中国発祥のスパイススープ料理です。
唐辛子や花椒(ホアジャオ)などをベースに、野菜や春雨、きのこ、豆腐、肉類などを自由に選べるのが魅力です。
美容志向の女性から人気を集める理由は、「野菜がたっぷり摂れる」「からだが温まる」「代謝が上がりそう」といったイメージがあるからかもしれません。
実際、唐辛子に含まれるカプサイシンは脂肪代謝などエネルギー代謝を促進したり、発汗を促したりするといわれています。
しかし、だからといって誰にでも常にいい影響があるとは限りません。
漢方では、食べ物にも体質との相性があると考えます。
とくにポイントになるのは「その日の体調(寝不足、生理前、風邪気味など)」「もともとの体質(冷えやすい、のぼせやすい)」「食べるタイミング(空腹時、深夜など)」などです。
もともと冷えやすく、手足が冷たい「寒証(かんしょう)」タイプの人には、麻辣湯のような熱性の食材はプラスに働きやすい傾向があります。
一方で、のぼせやすい、口内炎ができやすい、便秘気味といった「熱証(ねっしょう)」傾向の人は、辛味を強くしすぎると不調を悪化させることもあります。
また、大量のカプサイシンが体内に入ると、粘膜が傷つきやすくなって胃腸などが荒れる可能性があるので、とくに胃腸が弱っている日や空腹すぎる状態での摂取はおすすめできません。
「流行っているから」ではなく、「今日は自分に合う日?」と一度立ち止まる視点が大切です。
辛味&香辛料の影響を3軸で整理
麻辣湯のメリットを理解するには、「血流」「発汗」「胃腸」の3軸で考えるとわかりやすいでしょう。
血流
唐辛子の辛味成分カプサイシンは、体温を上昇させ血流を促進する働きがあるとされています。血流がよくなることで、冷え改善や肩こりの軽減につながるかもしれません。
漢方ではこれを「血(けつ)の巡りを促す」と表現します。
血流が滞ると、顔色がくすむ、生理痛が重い、クマができやすいといった不調が出やすいと考えられています。
つまり、血の巡りが滞りがちな人にとって、適度な辛味は巡りを動かすサポートになる可能性があるのです。
発汗
辛いものを食べると汗が出ますよね。これはカプサイシンが交感神経を刺激し、発汗を促すためとされています。
漢方では「発散作用」と呼ばれ、体表にこもった余分な熱や水分、老廃物などを外へ出す働きと考えます。
むくみやすい人や、からだに熱がこもりやすい人にとってはメリットになることも。
ただし、汗をかきすぎると体力も消耗しやすいとされます。
疲労感が強い日や寝不足の日は、発汗過多でぐったりしてしまうこともあるため注意が必要です。
胃腸
辛味は胃液分泌を促す一方で、過剰になると胃粘膜を刺激します。適量なら食欲増進につながりますが、食べすぎれば胃痛や下痢の原因になることも。
漢方的に、胃腸は「エネルギー」を作る大切な場所。
ここが弱ると、肌荒れや疲れやすさにもつながると考えます。
つまり、麻辣湯は「巡りをよくする力」がある反面、「胃腸に負担をかけやすい一面」も持ち合わせているのです。