驚愕の出来事の舞台となったのは南米アルゼンチン北部、サルタのシウダード・デル・ミラグロ地区。猛烈な嵐が街を襲ったこの3月の、とある深夜だった。激しい雨音に目覚めた住人が外の様子を撮影しようとスマホを向けた先、そこに映り込んでいたのはなんと、土砂降りの雨の中に微動だにせず佇む、異様に小さい人影だったのである。
TikTokユーザーによって投稿された映像には、街灯の下で不自然な動きを見せる子供のような黒いシルエットが鮮明に記録されており、この動画は瞬く間に拡散。地元ではスペイン語圏に伝わる邪悪な小鬼「ドゥエンデ」、あるいは「ゴブリン」ではないか、とする大騒動が勃発したのである。
実はアルゼンチンは古くから、この手の「小人型UMA」の多発地帯。2017年にはサンティアゴ・デル・エステロの公園で、サッカー中の少年たちの前に、水泳のクロールのような奇怪な動作で迫ってくる黒い小人が出現。撮影していた男性や少年らが恐怖のあまり、慌てて逃げ出したところで映像は終わっている。
少年たちは後日「人間のようには見えなかった」と証言したことで、地元はハチの巣をつついたような大騒ぎとなった。
2024年には農場で働く男性が「空から降ってきた黒い影」に襲撃され、人間離れした怪力で引きずり回されるという凶悪事件が発生。ニュース番組では被害者の証言を交え、大々的に報じられた。世界のUMA情報を収集するジャーナリストの話を聞こう。
「これら一連の事件に共通するのは、そのサイズ感と圧倒的な異物感です。彼らが見せる、物理法則を無視したような機動力や、まるで半透明化しているような隠密性は、あまりに不可解。これを単なる見間違いや徘徊者とするには、無理があります。研究者の中には、激しい嵐によって磁場が乱れ、それが異次元と現世を繋ぐ『窓』を開き、そこからエレメンタル(精霊)が物理世界に漏れ出したのではないか、という説を唱える者がいる。あるいは人跡未踏の地に潜んでいた人類の亜種が、近年の環境変化によって人里へ姿を現し始めたのではないか、という説も出ています。いずれにしても、南米の闇には今なお、『科学の物差しでは測れない何か』が息づいている可能性があるということです」
サルタの雨の中に立っていた影の正体は、邪悪な小鬼ドゥエンデなのか、はたまたゴブリンなのか。彼らはその姿を見せることで、我々へ何を伝えようとしているのだろうか。
(ジョン・ドゥ)

