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〈『冬のなんかさ、春のなんかね』完結〉今泉力哉が乃木坂46、BE:FIRSTの現場で見つけた才能 “まだ知らないもの”に出会う日々

〈『冬のなんかさ、春のなんかね』完結〉今泉力哉が乃木坂46、BE:FIRSTの現場で見つけた才能 “まだ知らないもの”に出会う日々

新宿のとある居酒屋。ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』の監督・脚本を手がける今泉力哉に話を訊いた。外から見れば、順調に作品を撮り続けている監督に見える。だが本人の口から出てきたのは、意外なほど切実な実態だった。映画とは違うドラマの仕事、そしてミュージック・ビデオというさらにまた別の現場。お酒を飲みながら話を聞くうちに見えてきたのは、多作に見えて決して量産型ではない、今泉力哉の仕事のリアルだった。〈前後編の後編〉

「ストック、ゼロですから。枯渇、枯渇ですよ(笑)」

──ここ数年の今泉監督は、外から見るとすごくコンスタントに作品を作り続けている印象があります。

今泉力哉(以下同) 多いように見えるかもしれないですけど、自分ではそんなに器用にやれてる感じはまったくないです。多作なので脚本を書くのも早いと思われがちだけど、めっちゃ遅いし。常に休みたいです。基本寝てたい。ストックがたくさんあって、つくりたくてしょうがない、アイデアが湧いて湧いて、みたいな人間では全然ないです。ストック、ゼロですから。枯渇、枯渇ですよ(笑)。

──それでも、途切れずに仕事が続いている。

そうですね。本当にありがたい。でも、今回の『冬のなんかさ、春のなんかね』なんて50分×10話形式のドラマなので、全部合わせたら500分、映画5本分ぐらいの脚本量があるじゃないですか。

絶対書けない、書き上げられないと思ってました。締切、全然守れないし。でも、なんとかかんとか全部自分で書きました。書けた。なんかさ、なんかね、なんとか、かんとか、です。でも本当に大変でした。

これは本当によくないことなのですが、今回の脚本ってかなりギリギリに書き上げて、そのまま撮ってるんですよ。だから、何度も何度も書き直して、精度を上げていった整ったものというより、荒削りのまま世に放った感じもある。

もちろん、もっと本(脚本)の精度を上げたいという意識はあるんですけど、今回はそこまでたどり着けなかった。それでも、製本してからもずっと悩んで、書き直していました。ギリギリまで悩んで、面白くしました。その分、スタッフ・キャストには迷惑をおかけしました。申し訳なかったです。

──実際には、かなり綱渡りなんですね。

まあ、そうですね。とはいえ、それは監督も兼ねていたからで。(クランク)イン前に全10話、書き上げてはいたので。それって通常の連ドラよりは相当早いらしいですけどね。脚本に専念できるなら、イン前に全部あげる必要ないのかもですが、撮影中は監督の方に集中しなきゃなので。

本当に今年は休むつもりでいるんですよ。撮影はあっても映画1本くらいですね、年内は。

乃木坂46の現場で見つけたもの

──『1122 いいふうふ』の西野七瀬さんや、『冬のなんかさ、春のなんかね』の久保史緒里さん、『セフレと恋人の境界線』の山下美月さんなど、今泉監督は乃木坂46のOGメンバーをよくキャスティングされている印象です。僕自身も初期の乃木坂46の作品から今泉監督の存在を知りました。

なんか、たまたま続いてますね。魅力的だなあ、と思う人が乃木坂のOGなだけで意識してキャスティングしているわけじゃないです。いち俳優としてオファーしています。

実は『冬のなんかさ〜』の第8話のタイトル「水色と発熱」は、俺が手がけた乃木坂46の個人PVのタイトル「水色の花」(齋藤飛鳥)と「早春の発熱」(衛藤美彩と桜井玲香)もちょっとだけ意識してつけたんですよ。それにファンの方が気づいて、「もしかしたら」ってSNSにつぶやいていましたね。

山下美月さんは、数年前にご一緒した時よりも芝居がめちゃくちゃ良くなってて、本当にびっくりしました。思わず本人に「どの現場で、誰に教わったんですか?」って訊きそうになりました。そのくらい素晴らしかったです。

現役メンバーの中では、筒井あやめさんが自分の作品を見てくださっていると聞いていまして。いつかご一緒できたらと思っています。

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