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〈『冬のなんかさ、春のなんかね』完結〉今泉力哉が乃木坂46、BE:FIRSTの現場で見つけた才能 “まだ知らないもの”に出会う日々

〈『冬のなんかさ、春のなんかね』完結〉今泉力哉が乃木坂46、BE:FIRSTの現場で見つけた才能 “まだ知らないもの”に出会う日々

急にすごい芝居を見せる

──今泉監督はミュージック・ビデオの仕事もされていますが、映画やドラマとはかなり勝手が違うのでは。

全然違いますね。まずセリフが使えないし、尺も短い。セリフが使えないってことは、映像で全部を表現しなくちゃいけないわけじゃないですか。俺はもう、ずっと映像表現が苦手でして。普段はセリフに頼って作品をつくっているので、もうどうしたらいいんだ……っていうか(笑)。

もちろん映像で見せることは考えるけど、やっぱりセリフとか、会話の温度とか、そういうところから入るほうが自然なんですよね。MVだとそこが封じられるから、毎回難しいです。

──それでも、MVの現場には別の発見がある。

ありますね。この間、BE:FIRSTのミュージック・ビデオをやらせてもらったんですけど、みなさん本当に芝居が良くて。

特にJUNONさんは俳優ばんばんやってほしい。目の温度も下げることができて、めちゃくちゃかっこよかったです。

今回の『冬のなんかさ、春のなんかね』でもそうですけど、歌っている人とか、別のフィールドにいる人が、急にすごい芝居を見せることって全然あるので。

──いわゆる俳優専業ではない人の中からも、芝居の才能を見出そうとしている。

肩書きで見てるわけじゃないので、「この人はやれるな」って思ったら普通にキャスティングの候補に入れますし、逆に「俳優だからできるはず」とも思ってないです。次の新作では芸人さんを何人かキャスティングしてます。

──今の今泉監督にとって、仕事を続ける理由はどこにあるんでしょう。

つくればつくるだけ、まだまだ知らないことが出てくる。新しい問題も起きるし、新しい人にも出会うし。そういうものにまだ出会えるから続けてるんだと思います。楽ではないけど、楽しいので。知らないことばっかです。

もし全部わかったら、辞めちゃうと思います。自分のやり方も、得意なことも苦手なことも、ある程度は見えてきたけど、それでも現場に行くと毎回ちょっとずつ予想を裏切られる。

俳優の芝居もそうだし、スタッフとのやりとりもそうだし、自分が書いたはずの本ですら、思っていたのと違うものになる瞬間があるんですよね。その「ちょっと違う」があるうちは、まだ続けられるのかなと思います。

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取材・文/キムラ 撮影/杉山慶伍

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