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本塁打王シュワーバーは「外角スライダー」、首位打者ターナーには「カーブ」が有効!?――フィリーズ主力7選手の“攻略法”<SLUGGER>

本塁打王シュワーバーは「外角スライダー」、首位打者ターナーには「カーブ」が有効!?――フィリーズ主力7選手の“攻略法”<SLUGGER>

■クリストファー・サンチェス(先発投手)
 先発陣に定着した一昨年から目覚ましい成長を続けるサウスポー。今季は200イニングをクリアしてリーグ2位の防御率2.50を記録し、サイ・ヤング賞候補にも挙げられている。シンカー主体にゴロを打たせる投球が冴え、被本塁打は12本のみ。右投手相手に多投するチェンジアップは空振り率/スウィング率45.1%で、打者を腰砕けにさせている。縦に鋭く曲がるスライダーも威力十分で、左打者に対して被打率.189、被弾1本だけと滅法強い。

 ただ、12被弾のうち4本は実はドジャース戦。4月6日にはテオスカー・ヘルナンデスに2発献上し、9月16日にはアレックス・コール、キケ・ヘルナンデスにも本塁打を浴びた。右打者の対戦では、対左には力を発揮するスライダーが被打率.313と打たれがち。チェンジアップを我慢できれば、攻略の糸口をつかめるはずだ。
 ■レンジャー・スアレス(先発投手)
 技巧派左腕は2年連続で12勝を挙げ、防御率3点台前半の安定感で投手陣を支える。後半戦は調子を落としたが、ポストシーズンは通算10登板で防御率1.43と大舞台に滅法強い。6球種をそれぞれのコースに投げ分けるスタイルが持ち味で、打者を追い込んでからの低めへの制球力が光る。

 ただし球威はそれほどでもなく、サンチェスと同様に対右打者の相性も悪い。特にシンカー、カッターなどの速球系を打たれており、ドジャース打線もまずはここから攻略したい。個々の打者では、ムーキー・ベッツが通算10打数4安打でうち3本が長打(2本塁打、1二塁打)。また、途中加入のアレックス・コールも12打数5安打と相性がいい。

■ヘスス・ルザード(先発投手)
「戦闘モードに入る」ための眼鏡が印象的な左腕で、マーリンズから加入した今季はリーグ2位の216奪三振を記録。この数字からも分かるように、サンチェス、スアレスと違って支配力の高さが際立つ。決め球スイーパーは空振り/スウィング率43.7%を誇り、対左に多投するチェンジアップも36.2%と強力だ。

 4月4日のドジャース戦では7回2安打無失点8奪三振の快投を披露しており、好調時の勢いを止めるのは難しい。その一方、セットポジションでの投球回に課題を抱えており、走者を背負った場面では被打率.287、被OPS.801、得点圏では.301/.884とさらに数字が跳ね上がる。許した盗塁も22個と多く、ドジャースとしてはまずは粘り強く出塁していくことから始めたい。
 ■ヨアン・デュラン(救援投手)
 フィリーズが夏のトレード市場の目玉として獲得した球界屈指の剛腕クローザー。4シームは平均100.6マイル、スプリッターですら97.7マイル(!)というスピード違反野郎で、今季は両リーグ5位タイの32セーブを挙げた。滅多に長打を浴びないのも持ち味で、今季のゴロ率は実に65.4%、70イニングで被本塁打はわずか3本だった。

 コントロールも比較的安定していて攻略は非常に困難だが、だからといって最初からあきらめるわけにもいかない。つけ入る隙があるとすれば、左打者よりも右打者を苦手にしていることで、今季の被打率も対左.168、対右.278と1割以上も違う。また、デュランに今季初被弾を浴びせたのは大谷翔平(7月22日)で、通算でも通算5打数2安打(2本塁打)。さらに、パヘスも2打数2安打、9月15日の対戦では同点弾も浴びせており、こちらも期待できそうだ。

■カイル・シュワーバー(DH)
 フィリーズ打線の核は言うまでもなくシュワーバーだ。56本塁打で大谷との争いを制し、132打点と併せて二冠を獲得した。強烈なバットスピードで速球に滅法強いが、いわゆる曲がる系の変化球には弱く、とりわけスライダーは打率.167、空振り/スウィング率46.2%と苦戦している。また、じっくり待って絶好球を振り抜く打席アプローチで、真ん中高めやインサイドを狩場とする一方、外角低めは極めて苦手。本塁打0本、コンタクト率もかなり低い「急所」だ。

 そうすると「弱点の重ねがけ」、つまり外角低めへのスライダーが有効になるはず。ドジャース投手陣でこれを上手く活用しているのがアンソニー・バンダ。もともとスライダーを多投し、空振り/スウィング率も高い。左腕では他にアレックス・ベシアやジャスティン・ロブレスキー、ジャック・ドライヤー、右腕ではエメット・シーハンも対左打者のスライダーを有効な武器としており、彼らを「シュワーバー要員」として投入していきたい。
 ■ブライス・ハーパー(一塁手)
 MLBを代表するスーパースターの一人で、フィリーズのチームリーダー。プレーオフの通算OPSは1.016で歴代9位(100打席以上)と、大舞台で真価を発揮してきた男であり、彼の一打でフィリーズの本拠地シチズンズバンク・パークの雰囲気は一変する。その意味でも要注意の存在だ。

 ただし、今季は打率.261、27本塁打と不本意な成績。ボール球スウィング率35.6%は2015年以降ではワーストの数字で、まずはストライクゾーン外を有効に使っていきたい。ゾーン内で勝負する場合はアウトハイがカギになるかもしれない。バットに当てた際の打率は.500と驚異的だが、対して空振り/スウィング率は29%でゾーン内ワースト。アタリもハズレも大きいこのエリアをどう攻めるかがカギになるかもしれない。

■トレイ・ターナー(遊撃手)
 フィリーズ打線の火付け役を務め、今季は打率.304で4年ぶり2度目の首位打者に輝いた。「世界で最も美しいスライディング」でも知られ、リーグ4位の36盗塁を記録するなど俊足も大きな武器としている。23年に26本塁打を放ったように細身ながらパンチ力もあるが、コンタクト能力は平均以下で空振りも少なくない。まずはこの点が攻略の糸口になるだろう。

 問題はどの球種で攻めるべきかだが、速球系に打率.349とめっぽう強く、曲がる系・落ちる系とも.250以上とさすがは首位打者という打棒を発揮している。ただ、唯一はっきりと苦手な球種なのがカーブ(.146)だ。幸い、ドジャースはカーブの使い手には不自由していない。山本由伸、タイラー・グラスナウ、ブレイク・スネルの先発3人はいずれもカーブの被打率は1割台。初戦先発の大谷も、割合は決して多くない(8.8%)が、被打率.154、空振り/スウィングは驚異の55.0%に達する。

構成⚫SLUGGER編集部&藤原彬

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配信元: THE DIGEST

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