
佐藤浩市とのんが、10月4日に都内で開催された映画「アフター・ザ・クエイク」公開記念舞台あいさつに登壇。鳴海唯、渡辺大知、メガホンをとった井上剛監督と共に、作品への思いを語った。
■映画「アフター・ザ・クエイク」とは
同作は、2000年に刊行された村上春樹の短編連作「神の子どもたちはみな踊る」に収められた4編をベースに一部時代設定を変更して映画化。原作の世界観を踏まえつつ、大江崇允の脚本、井上監督の演出で1995年から2025年の30年にわたる新たな物語として生まれ変わった。人が抱く孤独をマジックリアリズムを交えて描き出し、別々の時代・場所に生きる4人の物語が時空を超えて未来へつながっていく様子が映し出される。
10月3日に公開された本作だけでなく、この秋公開の映画だけ見ても「THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE」(9月26日公開)、「てっぺんの向こうにあなたがいる」(10月31日公開)、「栄光のバックホーム」(11月28日公開)と出演作が相次ぐ佐藤。
本作では2025年を舞台にしたオリジナルのパート「続・かえるくん、東京を救う」で、新宿歌舞伎町の漫画喫茶で暮らしながら、地下駐車場の警備員として働いている片桐を演じている。
のんが声を担当する巨大なかえるの姿をした“かえるくん”と対峙(たいじ)する役どころだが、作品の印象について佐藤は「最初に監督から『これを映画にしたいんだけど読んでくれないか』と僕のパートの短編を渡されたんです。それを読んでもチンプンカンプンでさっぱり分からなくて」と苦笑いしつつ、「その後に原作を読ませていただいて、『なるほど!そういうことか』と。他の3編も読んで、全体として読んで納得できたので、どういう形であれ、何が起きようがあまり動じずにできました」と、撮影を振り返った。
■『あまちゃん』井上監督との現場に「安心して飛び込んでみようと」
一方、かえるくん役のオファーを受けたときのことを、のんは「かえるの役は初めてでした。どんな声なんだろうってすごくビックリしたんですけど、この映画になっている物語も原作も読ませていただいて、かえるくんは救いになる役だなと。意外と責任重大なのかもしれないと思って、頑張ってみよーと思いました」とのほほんとした笑顔を見せ、「井上監督は、以前朝ドラ(『あまちゃん』)でとてもお世話になったんですけど、そういうつながりもあり、これは安心して飛び込んでみようと思いました」と、ヒロインを務めた「あまちゃん」でもタッグを組んだ井上監督への信頼を口にした。
また、かえるくん役で気を付けたことについては「井上監督と以前ご一緒したときは全く違うムードの作品だったので、こういう作品のときはどんなモードなんだろうと。ちゃんと緊張感を持っていこうという面持ちでレコーディングに行きました。そしたら変わらず井上監督ワールドで軽快で明るい演出をしていただいたので、楽しくノリノリでやりました」と振り返った。
続けて、のんは「あとは(対峙する)佐藤さんの演技に集中することを気を付けていました。映像を見ながら演じることができたので、佐藤さんの演じる間だったり、息遣いだったり、そういうのを敏感に感じ取りながらできるように集中していました」と力を込めた。
そんなかえるくん役を務めたのんについて、佐藤は「彼女がどういう覚悟を持ってやるかなって最初に思っていて。『自分はこれではいけないんだ』ってことをいろいろ気付きながらやったな、と感じられるくらい、“かえる=のん”になってた。上から目線で言っちゃ申し訳ないけど、すごく良かったと思いました」と、のんの見事な役作りを称賛していた。
◆取材・文=森井夏月(STABLENT)

