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女性は「自分の犬」よりも「見知らぬ犬」に高い声で話しかける

女性は「自分の犬」よりも「見知らぬ犬」に高い声で話しかける

種族を超えたコミュニケーション能力は生まれつきなのか?

女性は「自分の犬」よりも「見知らぬ犬」に高い声で話しかける
女性は「自分の犬」よりも「見知らぬ犬」に高い声で話しかける / Credit:Canva

今回の研究から見えてきたのは、人が犬に話しかけるときのふるまいが、私たちが思っているよりずっと細やかに調整されているという事実です。

ただ「犬が好きだから優しい声になる」という単純な話ではなく、相手との関係や状況に応じて、無意識のうちに声や表情の使い方を変えている可能性が示されました。

さらに興味深いのは、人がどの情報を使って気持ちを伝えているかという点です。

人間同士であれば、笑顔や目の動きなど、顔の表情が重要な役割を果たしますが、犬に対しては、どうやら声のほうがより重要な手がかりになっている可能性があります。

つまり私たちは、相手が犬であることを無意識に考慮しながら、「伝わりやすい方法」を選び直しているのかもしれません。

研究者たちはその理由として「高くて明瞭な声は、友好的な接近や注意喚起に使われる古い進化的プロセスと関係しているかもしれない」と述べています。

この予測が正しければ、人類は動物と基礎的な意思疎通をするための、何らかの基盤を生まれながらに持っている可能性がでてくるでしょう。

(※もっとも、今回の参加者は女性の飼い主に限られており、男性でも同じような結果になるかは不明です。)

それでも、この研究が私たちに与えてくれる価値は決して小さくありません。

なぜなら、犬と人のコミュニケーションを考えるとき、私たちが普段無意識に行っている「最初の一言」や「声の微妙な調子」に注目することで、新しい視点が見えてくる可能性があるからです。

たとえば、保護犬や新しく家庭に迎える犬との最初の出会いで、どういった話し方が犬を安心させやすいのかを考える手がかりになるかもしれません。

さらに動物病院での診察や、犬のしつけ教室のような場面でも、今後の検証が進めば、科学的な根拠に基づいた話しかけ方を考える参考になるでしょう。

もしかしたら未来のドッグトレーナーは、場面に応じて最適なコミュニケーションをとるための声の高さの調整が必須技能になっているかもしれません。

元論文

The effect of familiarity and dog’s body size on female owners’ dog-directed communication
https://doi.org/10.1007/s10071-025-02041-1

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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