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【三浦泰年の情熱地泰】イングランド戦に見えた日本サッカーの進化!カギは良い意味での“裏切り”

【三浦泰年の情熱地泰】イングランド戦に見えた日本サッカーの進化!カギは良い意味での“裏切り”


 4時に目覚ましを掛けてベッドからテレビのあるリビングに移り、チャンネルを合わせると、すでに日本代表-イングランド代表の試合は前半の15分以上を経過していた。

 幸いスコアは0-0。これからだと眠気も取れてきた瞬間。完全に目の覚める一発が三笘選手の右足から生まれた。

 前半を振り返り、プレーの質、展開、攻守の切り替え、選手の顔つき、動きから、「勝てる!」と勝手な楽観論が生まれてしまった。
 

 後半途中から相手も大きく選手を入れ替え、日本もその流れでたくさんの選手を入れ替えていった事で試合の勝敗はどうなるか? 展開は分からなくはなったが、完全に引き裂かれて失点のピンチに陥るような場面を作らせない。ブロックを引いて相手を前に置いた状態で終始、相手の位置を掴んで進める守備に、スーパーシュートや偶然のゴラッソがなければ「そのまま」かな!と思わせるような落ち着いた試合であった。

 もちろん90分間を通して攻撃の形を作るという理想を魅せたかったであろうが、ウェンブリーでの闘い。今まで勝利した事のない相手、イングランド。それを考えれば戦術的に内容をどこかに置いて、勝ちにいく。

 その結果、相手にゴール前で危なっかしくやられているように見えた時間もあったが…、やっぱり予想した通り「勝てたな」と満足し、あっという間に外の明るさを感じる時間になった。

 最近のサッカーは変わった。それは代表レベルだけでなく、世界のサッカーだけではなく、プロだけでもない。

 日本で言えば育成年代のアカデミーカテゴリーから選手に求められているモノが変わったという。

 それは監督の言う通りできない選手はいなくなり、監督の言う通りできない選手は選ばれないという。

 ブラジルもフランスも個人よりもより組織力が求められ、オートマチックにサッカーがなってきていると言う。

 僕もそう思うし、監督をやっていて監督が選手に与える「要求」が年々、増えていったと感じた。

 しかし、「監督の言われたことばかりやっているのか」と言えば、それは少し違う。森保監督の率いる日本代表を見ていて、もちろん監督の言っている事を聞かない、出来ない選手はいないと思う。

 それよりも、監督が要求している以上の事を、選手たちはやっているように見える。

 日本代表の選手たちは状況に応じてやり方を自分たちで変えられる、展開次第で自分たちで判断ができる。監督の求めている以上の事をやり、上回るアイデアを創出し、判断をしているように見えるのだ。

 僕は日本代表スタッフではないし、内部の事は分からない。ベンチ、控室で監督が何を言い、選手がどんな言動をしているかは知らない。これはイングランド代表もまた同じだ。

 さらに組織は、組織と戦術、戦術と世界のスタンダードと追求するに従い、個性・個人より重きが置かれ、個人に対してはよりフィジカル重視になっているともいう。

 それはそうであろう。いろんなトレーニング方法が生まれ、ネットなどで実際に見て、知ることが若い時からできる。走り方、蹴り方、陸上に近いスプリントを知り、ボールを蹴ることにも活かす。

 色んな種類のキックを知り、変化させる事も、もっと強く遠くへ蹴ることもできる。

 さらにはサプリメント、プロテイン、食事、栄養論のようなモノにおいても、より多くの知識が入ってくる。睡眠の仕方から回復のさせ方まで、どんどん進化すれば、サッカーはまだまだフィジカル要素が高くなるであろう。
 だからと言ってタイム競技でもウエイト制限のある競技でもない。

 その身に付いたフィジカルをどう使って、いかに判断するかが最も大事であり、監督の考える戦術に対して、相手監督もその弱点を突いて来る。
 
 そうなればカギを握るのは選手たちがいかに監督を良い意味で裏切り、より良い結果を生み出せるか。

 監督にもっと良いモノがあるんだと言わせる監督の期待以上のアイデアとイマジネーション、意外性が必要になる。

 それが個人スキルであり、グループとしてのトータルスキルでもあること。そうした選手によってチームを支えていくことが重要になってくるのだと思う。

 監督の言っている事をできるのは代表選手にとって当たり前。それだけでは代表選手ではない。それ以上の事をやれて初めて代表レベルとなり、それは自分だけが気持ち良くサッカーをやることではない。

 そしてきっと選手選考は、こうした個人スキルやチームへの献身性の高さを基準にワールドカップへ連れて行く選手が決まるのであろう。

 そして、現在の日本代表は、過去にイビチャ・オシム元日本代表監督が提唱していた、考えながら走る「日本らしさ」をベースに、森保監督が選手と共に長い年月を掛けて築き上げてきた。

 監督としてサンフレッチェ広島を率いてペトロビッチ監督の攻撃的サッカーを引き継ぎ、守備を安定させ日本一に引き上げた実績は言うまでもない。

 選手として日本代表でも個性豊かな選手たちから絶大な信頼を得てプレーした経験を糧に、スコットランド戦に勝ち、ウェンブリーでイングランドに勝ち、いよいよ2度目のワールドカップを迎える。

 そのまま興奮して眠れず、昨日入稿したばかりのコラムがありながら「日本代表、イングランド代表も撃破! 快勝」というコラムを書いた。

 これは4月1日のエイプリルフール(April Fool's Day)ではない。

 目の前の試合は事実。実力がついてきている日本代表なのだ。

 本大会で日本の同組の最終枠がスウェーデンに決まり、6月のワールドカップ3試合が待ち遠しく、楽しみでもある。

 本番も強い日本代表を見せてほしい。

2026年4月1日
三浦泰年

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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