巨人の守護神ライデル・マルティネスが来季中にも、球史に名を刻む。
巨人では田中将大が日米通算200勝を達成し、なんとか名球会入りにたどり着いた。落合博満氏のように入会条件を満たしても名前を連ねない人もいるが、野球選手にとってはステータスであることは間違いないない。
名球会への入会条件は、打者は2000安打、投手では200勝または250セーブだが、
セーブに関して元中日で通算400セーブ以上の岩瀬仁紀氏やヤクルトの高津臣吾監督ら4人しかおらず、まだまだ数は少ない。
外国人の打者ではアレックス・ラミレス氏やアレックス・カブレラ氏ら4人が名球会入りの資格を満たしているが、投手は皆無。長年、プロ野球を取材するマスコミ関係者が言う。
「外国人投手の200勝は、打者の2000本よりハードルが高い。長いプロ野球の歴史で200勝以上をマークしたのは戦前のスタルヒン(303勝)ぐらいで、西武の郭泰源や中日の郭源治がなんとか100勝を超えたぐらい。どうしても日本人選手より日本でのプレー期間が短い外国人投手が200勝を突破するのは、至難の技ですね」
では250セーブを突破しての名球会入りはどうかといえば、スポーツ紙遊軍記者は、
「あのソフトバンクで絶対的な守護神といわれたデニス・サファテでさえ、234セーブと届かなかった。250セーブはかなりハードルが高いですね」
マルティネスは今季終了時点で212セーブ。残りは38だ。今年も昨年も40セーブ以上をマークしており、残り1年で手が届くところまできた。球団関係者は記録達成を確信している様子だ。
「故障さえなければ楽に届くね。まだ29歳だし、心配はなさそう。怖いのは今オフに突然、契約を解除しでメジャーに行かれるこどだけど、来季は4年契約の2年目。年俸12億円を棒に振ってまではね。来季も活躍してくれるでしょう」
今季は阪神に独走を許した阿部慎之助監督にとって、来季は背水の陣。マルティネスの存在は不可欠だ。外国人投手の名球会入りは、それはそれで夢がある。来季のマルティネスの登板は、よりいっそう盛り上がることだろう。
(阿部勝彦)

