
厚くなった選手層を最大限に活用。ニューカマーが抱える課題はむしろ伸びしろ。今季のアーセナルは、まだ発展途上にあると言えるだろう【現地発】
アーセナルが、チャンピオンズリーグで2連勝を飾った。
10月1日に行なわれたCLアーセナル対オリンピアコス戦。アーセナルは前半にブラジル代表FWガブリエウ・マルティネッリが先制点を挙げると、後半アディショナルタイムの90+2分にもMFブカヨ・サカが追加点を入れ、2-0で快勝した。途中、オリンピアコスのしぶとさに苦しみ、GKダビド・ラジャのセーブに救われるシーンもあったが、終わってみれば2点差をつけて勝利を収めた。
ミケル・アルテタ監督は、このオリンピアコス戦では、3日前に敵地ニューカッスル戦で勝利した先発メンバーから6選手を入れ替えた。今夏の移籍期間で2億5000万ポンド(約500億円)の大型資金を投じて8人の新戦力を獲得しており、この日はデクラン・ライスやサカがベンチスタート。厚くなった選手層を最大限に活用した格好だ。
試合後、アルテタ監督は次のように振り返った。
「勝利とクリーンシートにとても満足している。オリンピアコスはとてもタフなチームだった。試合の入りは非常に良く、先制点を奪い、大きなチャンスもいくつか作れた。そこから少しオープンな展開になってしまい、クリーンシートを守るためにダビドのビッグセーブが必要になった。ニューカッスル戦の後で、こうしたパフォーマンスを見せてくれた選手たちを称えたい。
選手層が厚くなった影響? チームの全員に大きな役割を果たしてほしいと思っている。交代で入った選手たちもチームを助けてくれた。誰が入っても、新しい次元をもたらしてくれるんだ」
注目すべきは、アーセナルの2人のキープレーヤーだった。1人は、主将のマルティン・ウーデゴー。先制点の場面で、ノルウェー代表MFは得点の起点となるスルーパスを出し、サカのゴールでも鮮やかなスルーパスを通してアシストをマークした。2ゴールに絡む大活躍で、チームを勝利に導いた。
ここまで肩の怪我で欠場していたキャプテンだが、英BBC放送や英衛星放送スカイスポーツはウーデゴーをMOMに選出。層の厚くなったアーセナルで、ひときわ眩しい輝きを放った。英BBC放送は次のように評価した。
「CLの3日前に行なわれたニューカッスル戦で、途中交代で出場したウーデゴーは逆転勝利に大きな役割を果たした。出場してすぐに試合をコントロールし、決勝点となったDFガブリエウのゴールをCKで演出した。
CLオリンピアコス戦で先発に戻り、中盤で十分な時間とスペースを確保して、オリンピアコスの最終ラインに危険なパスを送り続けた。先制点はまさにその流れから生まれた。今夏の移籍市場を経て、中盤の起用オプションが増え、これまでウーデゴー不在の影響をさほど感じさせなかった。しかしオリンピアコス戦で、ノルウェー代表MFがアーセナルにとって欠かせない存在であることが改めて証明された」
英紙ガーディアンも賛辞を送った。
「ウーデゴーが90分間プレーし、84回のタッチ、4本のシュート、1本のアシスト、そして数々の素晴らしいパスを披露した。彼がこのようにプレーする姿は実に楽しい。羽根のように軽快なアーティストであると同時に、容赦なくプレッシャーをかけるマシンのような存在だった」
もう1人の注目選手は、今夏の移籍期間で加入したスウェーデン代表FWヴィクトル・ギェケレシュだった。マルティネッリの先制ゴールの場面では、ウーデゴーの鋭いスルーパスに反応。ペナルティエリア内で相手を吹き飛ばしてシュートまで持ち込んだ。だがポストに嫌われ、そのこぼれ球をマルティネッリが押し込んだ。
英紙デーリー・テレグラフは「ギェケレシュ本人ですら『CLでのアーセナル初ゴールは近い』と思っていたに違いない」と報じたように、ゴールに迫る場面は何度かあったものの、この日は無得点に終わった。同紙は次のようにも伝えている。
「ギェケレシュは、ここまで公式戦9試合で3得点を挙げている。悪い数字ではないが、マンチェスター・Cのアーリング・ハーランドとは比較にならない。CLのモナコ対マンC戦で、ハーランドは今季11点目を決め、別次元の存在であることを示した。対するギェケレシュはチャンスの場面でやや冷静さを欠いていた」
英紙ガーディアンは「課題も見えたが、改善の兆しが見える」と評価している。
「基本技術の面では粗さが目立つが、彼は臆することなくプレーした。ギェケレシュは、アーセナルの中で異質の存在。たとえば、 彼のボールの運び方は独特だ。ドリブルというより、『前に蹴り出し、それを自分で追いかける』スタイルである。まるで大型犬が、ビーチボールを追いかけているようである。彼は鈍器のような存在だが、それでいい。アーセナルにはこれまで鈍器と呼べるタイプの選手がいなかったのだから。
もちろん、さらなる成長が必要だ。シュートの決断を早め、相手守備がコンパクトになった時により正確なプレーを見せなければならない。ただし、これは同時にチームにとっての伸びしろでもある。まだ完全に噛み合っていない部分だからだ」
アルテタ監督は、ギェケレシュについて不安は抱いていないと語った。
「彼は試合の中でより良いプレーをどんどん見せていると思う。今夜はシュートがゴールキーパーに止められたり、ポストに当たったりした。だが彼のパフォーマンスは素晴らしかった。もちろんゴールを決めてほしい。だが、決められない時もチームに大きく貢献している」
ウーデゴーが復調しているのは心強い。そしてギェケレシュが抱える課題は、アーセナルの伸びしろでもある。今季のアーセナルは、まだ発展途上にあると言えるだろう。
取材・文●田嶋コウスケ
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