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〈現役27年目・45歳〉我那覇和樹が語った「辞めなかった理由」…“ドーピング冤罪”から19年、いまもゴールにこだわる覚悟

〈現役27年目・45歳〉我那覇和樹が語った「辞めなかった理由」…“ドーピング冤罪”から19年、いまもゴールにこだわる覚悟

「サッカーがやりたくても、できなかった」――。かつて“ドーピング違反”と誤って断じられ、キャリアを狂わされた男がいる。45歳となった今も現役を続ける我那覇和樹。27年目の現在地と、彼を支え続けた“ある思い”を聞いた。また、潔白と冤罪事件の経緯を記した書籍「争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール」につき、著者の木村元彦がこのたび26年5月6日まで無料公開を決意した理由を記す。

「この年だからこそ、とことんFWにこだわっていきたい」

我那覇和樹の2026年シーズンが開幕した。所属するJFL沖縄SVは3月29日に第二節をミネベアミツミFCと戦い、3対0で勝利。この日、背番号9は後半に待望のピッチに立った。

今年9月に46歳を迎える島人(しまんちゅ)ストライカーは、得点こそ上げなかったが、チームにおいて彼にしか出来ない仕事のために今もフィジカルを鍛え上げ、静かにコンディションを整えている。沖縄で我那覇に現役27年目の現在地を聞いた。

「今は、試合に対してはもちろんそうですけど、その前に1日1日の練習に臨む上での準備を大切にしています。若い頃は、ある程度、体力でメニューを押し切ることが出来ましたけど、もうこの年になると、食事から睡眠と、全力でトレーニングに集中するためのルーティンを怠らずにやらないといけない。

今、食事の面では妻がすごく考えて作ってくれているので、自分は全くストレスなくやらせてもらっています」

FWらしくない性格、大言壮語せずに常に客観的に自身のプレーを分析してきた男に、今のストロングポイントを問うてみた。

「45歳ですけど、若い選手には絶対に負けたくないという、まずその気持ちを大事にしています。フィジカルはもちろん落ちてきているんですけど、感覚やゴール前のタイミングについては、僕はまだまだ成長できると思ってるんです。そこを自分の武器として持ち得ているから、今も現役でプレーが続けられているのかなと思います」

FWらしくないと書いたが、垣間見えてきたのは、強烈なゴールへの飢えであった。

「沖縄SVで7つ目のクラブですけど、環境に順応する力はある方だと思っているので、どこに行っても点を取る事についてはこだわってやってきました。

年齢を重ねるごとにポジションが下がっていく選手もいますし、自分も讃岐にいたときは、数試合、センターバックをやりましたけど、今はこの年だからこそ、とことんFWにこだわっていきたいです。自分は引退するまで最前線で体を張ってゴール前で勝負したいと思っています」

現役にこだわり続ける理由と「あの事件」

今だからこそ、FWにこだわりたい。7つのクラブを渡り歩いた中で、やはり特別な思いがあるのは、そのポジションでのオファーをくれた最初のチームだった。

「沖縄にいて全く無名だった僕に高校二年生のときから、スカウトの方が見て下さったのが、川崎フロンターレでした。フロンターレがオファーを下さらなければ、僕はプロになれていないし、それがすべての始まりでしたから感謝しかないです。

それも本土での生活が初めてで電車の乗り方も分からなかった少年をここまで育ててもらいました。当時J2だった川崎フロンターレに入団してチームと共に成長させてもらったと思っています」

18歳で上京し、右も左も分からなかったウチナーの少年。その後27年間もプレーを続けると誰が想像しただろうか。これまで引退を考えたことはなかったのか。

「正直、辞めようかと考えた時期もありました。期待してチームに呼んでもらったのに貢献できていないという思いがあったんです。でも辞めるのはいつでもできる。契約をして下さるというのならば、絶対続けた方がいいというアドバイスをいろんな方からもらって、不要と言われるまで必死になって頑張ろうと。JFL では自分が一番上になっちゃいましたね」

 ガナがここまで長くプレーできている理由は何なのだろうか。

三浦知良選手が現役にこだわり続けるというのは、1998年にフランスW杯を直前に控え、メンバーから外されて帰国を余儀なくされたことと無関係ではないはずだ。当時、彼がW杯に出ていたらおそらくもっと早く引退していたのではないか。

同様にガナの場合も、あのとんでもない事件に巻き込まれたことが大きいのではないだろうか。この問いに対してガナはよどみなく答えた。

「単純にサッカーが大好きだというのが、まずあります。それと確かに、あの事件の時にサッカーがやりたくてもできなかったという辛い思いがあるので、現役にこだわりたいという思いはあります。チームの垣根を超えて選手やサポーターの皆さんに支えていただいたので、感謝の気持ちを胸に今もずっとプレーしています」

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