
本作の舞台は、神奈川の横浜。バイクの祭典を訪れていたコナンたちの前に突如、暴走する謎の“黒いバイク”が出現。それを追っていたのは、神奈川県警交通機動隊の白バイ隊員で、蘭がかつて目にした“風の女神”萩原千速(声:沢城みゆき)だった。フェス会場で最新技術を搭載した白バイ“エンジェル”のお披露目が行われる一方、都内では黒いバイク“ルシファー”が再び暴走を始め、風の女神と黒き堕天使によるバトルミステリーが開幕する。

断続的に雨が降っていた、この日の横浜。イベントの開始時刻には雨がぴたりと止み、登壇者陣がレッドカーペットに姿を現すと、大きな歓声が上がった。コナンと手を繋いでカーペットを歩いた高山をはじめ、それぞれが笑顔で手を振ってファンとの対面に喜びを滲ませていた。

登壇者がステージに上がると晴れ間も見え、高山は「みんなの日頃の行いがいいんだね!晴れてきたよー!ありがとう」と感謝を伝え、会場も大喜び。テレビアニメは放送30周年記念を迎えたが、「長く続けていられるのは、皆さんの応援のおかげ。皆さんの熱をいつも感じて、いい作品にしていこうと思っています」と背中を押されると語る。「自分は雨男なので、会場に来る途中で『ヤバいな…』と思っていたんです」と打ち明けた横浜は、「皆さんと高山さんのおかげで晴れました。本日はよろしくお願いします」と安堵の表情を浮かべ、拍手を浴びた。横浜もファンの熱気に感銘を受けたようで、「30年間続けていること。30年間続いている役を、ずっと生き続けていること。役者としても深く尊敬します」と声優陣に敬意を表していた。

イベント冒頭には、本作のメインキャラクターとなる萩原千速役を演じる沢城みゆきからコメント映像が到着した。2024年8月に亡くなった田中敦子さんから、千速役を受け継いだ沢城。
コメント内で「大きなプレッシャーと同時に喜びがある役でした」と胸の内を明かした沢城は、「皆さんに私の声がどう届くか緊張していたんですが、映像が公開されてから『劇場に毎年、行っています』『今年のコナン、楽しみにしています』という声をたくさんいただいた。心強く思いました」とファンからの声が力になった感激しきり。さらに最新作は「衝撃映像の連続。『子どもは絶対に真似しないでね』みたいなシーンもいっぱいあります」と太鼓判を押しつつ、「コナンファンのみんな、逃しやしないよ!」と千速としてクールなセリフをお見舞いして会場を興奮させていた。

高山は「『千速さんってこういう人だったんだ』ということが、今作でわかります。これまでわからなかった千速さんが、見られちゃう。プライベート公開…かなぁ?」と期待をあおり、「千速さんに親近感を感じる。より好きになるかもしれないです」と予告した。そして千速と神奈川県警の警部・横溝重悟との関係性にも注目が集まるなか、重悟役の大塚は「どうも重悟は、千速のことがだいぶ好きみたいですね」とにっこり。高山が「みんな、知っているよね」とツッコミ、観客もうなずきながら手を挙げると、大塚は「みんな知っていたんですか!全然知らなかった。楽しみにしてくださいね」と呼びかけていた。

毛利小五郎役の小山は、「横浜さんが来ていただいて、畑さんが来ていただいて、もう優勝です。独走です」と強力なゲスト声優を迎えて、ヒットを確信。『緋色の弾丸』(21)以来、5年ぶりの劇場版への参加となった世良真純役の日高は、「実はここ2年くらい、テレビシリーズにも出演していなくて。寂しい日々を送っていた」と吐露。「3年前に青山(剛昌)先生から、『世良ちゃん、3年後の映画に出るよ』と教えていただいて。喜ぶと同時に『3年間は出ないのか』という悲しみが胸をよぎった」と素直に打ち明けて会場を笑わせながら「今回は出られたことがめちゃくちゃうれしいです!」と喜び爆発。「皆さん、僕のこと待っててくれたー?」と世良として声を上げると、賛同の拍手が沸き起こっていた。

白バイ「エンジェル」の開発者・大前一暁役として参加した横浜は、今回が声優初挑戦。「お邪魔させていただく側なので、失礼のないよう、敬意を払って臨めればと思って挑戦させていただいた」と力を込めた横浜は、アフレコでは「高山さんにも立ち会っていただいて、なにからなにまでご指導いただいた。こんな若造に、声優を志している人からしたらなんてことをしているんだと。マンツーマンで指導していただけるという、すごく幸せな時間をいただいた」と恐縮しながら、「心から感謝しています」とお礼。高山は「勘がすばらしい。『こういうふうにやってみたら』と言うと、すぐにできるんです。すごいですよ。いいお芝居をされている」と横浜の演技に驚き、「アドリブが難しかったと言っていたけれど、それもすごくよかった」と絶賛。息づかいのアドリブもあったそうで、横浜は「戦隊モノをやっていたので慣れていたつもりなんですが、また全然違いました。いい経験ができました」とたくさんの刺激を受けた様子だ。

神奈川県警の女性巡査・舘沖を演じる畑も、声優初挑戦。横浜と共にレギュラー声優陣のアフレコを見学し、ブースのなかにも入ることができたという。畑は「具合が悪かったです」と当日の緊張を振り返って会場の笑いを誘い、「ブースに入ったら、唾も飲み込めないし、呼吸をするのも忘れてしまうくらい、皆さんの迫力がすごかった。学ぶものが、たくさんありました」としみじみ。「マイクが人数分あると思っていたんですが、3、4本のマイクをローテーションでまわすんです。感動しました」とプロの仕事に惚れ惚れとしつつ、「千速さんと重悟さん、甘酸っぱいところがある。見どころなんじゃないかと思います」と訴えていた。

新たなPV映像が解禁となる場面もあった。ど迫力のアクションをとらえた映像で、「いいっすねえ!」と胸を高鳴らせた高山は、続けて「横浜、神奈川の皆さん、お騒がせして本当にすみません。いろいろ壊すかもしれません、すみません。先に謝っておきます」と謝罪。横浜出身の横浜にも「ごめんね」とコナンの声で謝り、これには横浜も「いえいえ」と苦笑い。息の合ったやり取りを繰り広げるなど、終始、温かな笑いと熱気に満ちたイベントとなった。
取材・文/成田おり枝
