昨年の夏を思い出してほしい。ゴルフのハーフを終えた時点で膝が笑い、昼のビールで完全にトドメを刺された。釣りに行けば日陰のない堤防で干物になりかけ、孫と行った遊園地では自分だけベンチから動けなかった。
体温調節が怪しくなってきた40代以降の男性にとって、日本の夏はもはや災害である。そして今年、気象庁は早々と「平年より高い」と言い始めている。つまり昨年と同じ装備で突っ込めば、また同じ地獄が待っているということだ。
そこで、だ。目をつけたのは、ワークマンの「ウィンドコア アイス×ヒーターペルチェベストプロ3」というシロモノ。名前が長い。だが中身は単純で、背中にペルチェ素子という電子部品を仕込んだ、ベスト型の冷却デバイスだ。
モバイルバッテリーを繋ぐと、スイッチひとつで背中がキンキンに冷える。青ランプのアイスモードで最大環境温度差マイナス30度、表面はマイナス5度に。昨年のモデルよりさらに冷える。ちなみに赤ランプに切り替えれば、ヒーターモードで秋冬も使える。一着で二度おいしい。
ただし、この装備は万能ではない。連続稼働時間は最長で約8.3時間、フルパワーで回せば約3時間(モードにより異なる)。つまり「朝から夕方までずっと冷えっぱなしの魔法の服」ではないのだ。
炎天下のゴルフならハーフで一度、釣りなら昼休憩のタイミングでバッテリーを意識する必要がある。逆に言えば、この数時間をどこで使うかで、快適さはまるで変わる。
さらに今年の目玉は、冷却デバイスを7カ所に増やしたスペシャルエディション「WZ-7」の存在だろう。通常モデルは5デバイス構成の「WZ-6」(1万9800円)。これでも十分だが、WZ-7は2万9800円で背中から腰回りまで広くカバーする、7デバイス仕様。しかも背面デバイスが4段階で位置調整できる新構造になり、「あと少し上を冷やしたい」というもどかしさがほぼ消えた。
サイズはSSから5L相当まで対応するフリー設計。中年太りの腹回りを気にする必要もない。着た瞬間に「あ、これ反則だわ」と思うやつだ。
転売市場では上乗せ価格の出品が…
真夏のゴルフ場で、同伴者が汗だくでグリップを滑らせている横で、一人だけ涼しい顔でティーショットを打つ。堤防釣りで隣のオジサンが日傘にすがっている横で、平然とクーラーボックスに腰を下ろす。この優越感は正直言って、スコアや釣果より気持ちがいい。自分だけ「ズルい装備」で夏を制する快感を一度知ったら、手放せなくなる。
問題は入手難度だ。このベスト、シーズンに入ると一気に動きが早くなる。転売市場では上乗せ価格の出品がチラホラ出始め、のんびり構えていると、欲しい時期に手に入らない。
公式Xでは3月27日から4月12日まで予約を受け付けているが、上限に達した時点で終了。「まだ4月だし」と余裕をかましていると、7月に灼熱の現場で後悔することになるかもしれない。
あの地獄を2、3万円で回避できるなら…これを安いとみるか、高いとみるか。判断はお早めに。
(ケン高田)

