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「ひきこもり、30代中盤、無職」で検索し続けた… 「人間と関わりたくない」20代後半から10年閉じこもった45歳の“静かな絶望”

「ひきこもり、30代中盤、無職」で検索し続けた… 「人間と関わりたくない」20代後半から10年閉じこもった45歳の“静かな絶望”

家にひきこもり、パソコンゲームにのめり込む

「何のために何をすればいいのか何もわからなくなって、働く意欲がなくなっちゃって……。バイトで貯めたお金もあったんで、ちょこちょこ切り崩しながら最低限の暮らしをしていました」

ひきこもった当初、家で稼ぐことができないかとアフィリエイト広告の記事を書いてみた。月に8000円くらい稼げたが、やりがいが感じられず続かなかった。

その後も半年に1度くらい「働こう」という気持ちになって、会社に履歴書を送り面接を受けに行ったが、自分でもわかるくらいうまく受け答えができない。

バイトの面接すら落ちてしまい、「やっぱダメなんだ」と落ち込んだ。

生活時間もズレっぱなしで、起きる時間も寝る時間もめちゃくちゃ。起きている間、ひたすらやっていたのはパソコンのオンラインゲームだ。

「対戦系より協力系のゲームが好きだったんですが、基本的に1人でやるような設計になっていないので、途中から仲間が必要になるんですね。もし、このゲームができなくなったら、何もなくなると思って、知らない人に必死にチャットで話しかけました」

例えば、頑張って戦っている人がいたら、「めちゃめちゃ強いっすね」とほめると「ありがとうございます」と返ってくる。そこで「このゲームいつからやっているんですか」など共通の話題を探して、少しずつ距離を縮めていく。

大勢が集まっているロビーで「今日は、みんな盛り上がっているね!」と叫んだことも。

「いきなり叫んで変な風に思われないかって、エンターキーを押すまでめちゃくちゃ悩みましたよ。やっぱやめようか。でも、ここでやんなきゃどうするんだって。で、勇気を出して押したら、反応が来るまでまたドキドキして(笑)。

そんなことをやり続けていたら、ゲーム内でいっぱい友だちができて、コミュニケーション能力も培われたんです」

「ひきこもり、30代中盤、無職」で検索も

ひきこもる期間が長くなり、貯金が尽きると親が援助してくれた。だが、申し訳なさは募るばかり。精神的にも追いつめられ「自分が大っ嫌いだった」という。

「寝るときとか、いろいろ考えちゃって、すごく気持ちが落ち込むんですよね。少しずつ沈んでいく沼にいるみたいな感じなんですよ。ホントに、ちょっとずつ、ちょっとずつ沈む。

深く沈むほど出るのが大変になるから、このままじゃマズい。早く抜け出さなきゃと思うけど、でも実際には何もできなくて、どんどん沈んでいく。だから、心の中は静かに死んでいく、みたいな感じでしたね」

苦しさのあまり、本当に死んでしまおうとする人も少なくない。岡田さんの場合、どうだったのかと聞くと、「それだけは考えなかった」と強い口調で否定する。

「両親が悲しむのがわかっていたからです。死ぬっていう選択肢がないので、生きるしかない。だけど、働けるとも思えなかった。

30代後半で正社員経験が一度もないし、経歴の空白期間も10年ぐらいできちゃってる。40歳を過ぎたら、もっと働き口がなくなるという焦りもあったし、将来への不安がめちゃくちゃありました」

ネットサーフィンをしながら「ひきこもり、30代中盤、無職」というワードで何度も検索した。何とか抜け出した成功例を知りたかったのだが、参考にできるような事例は見つけられなかったそうだ。

そして、ひきこもってから10年が経ったある日、思いがけないことで、ひきこもりから脱するきっかけを得る――。

〈後編へつづく『「究極まで自己否定したら反転して…」10年ひきこもり男性の“逆転”』〉

取材・文/萩原絹代

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