イメージや感覚では「理解できない、実践できない」ことがゴルフには多々ある。それらをクリアにした1冊が『ゴルフスイング物理学』だ。「効率よくうまくなれる!」と評判の理論を毎月少しずつ紹介する。
切り返しで「骨盤は左にスライド」させる

胸骨が中心、骨盤が末端という振り子の動作で骨盤の位置を左にズラす
バックスイングの始動での骨盤の動作は、「斜めの回転」と「スライド」が混ざった動きです。切り返しでは、骨盤をいきなり左に回転させていくのではなく、スライドの動きによって胸骨の回転にきっかけを与えます。
「胸骨が中心、骨盤が末端という振り子のような動作」を使い、骨盤の位置を左にズラすことによって、右に回転した胸骨の下で、右のワキ腹の筋肉がさらに伸ばされます。瞬間的に伸ばされた筋肉はその後、急その反射を使ってダウンスイングからフォローに向かって胸骨を左に回転させます。
この骨盤のスライドの動作は、バンプと呼ばれる動作となります。バンプが起きる前に骨盤を先に左に回転させてしまうと、体の位置が右に残りすぎたり、ヘッドがアウトサイド・インに下りてくる原因となってしまいます。
左骨盤を背中側へ逃がす「スラストアップ」

切り返しで骨盤のスライドが起こった後、さらに左の骨盤を背中の方向に逃がすことで回転のきっかけをつくります。その時、脚の長さは左脚が長い状態になっていきます。骨盤を左に回転させるスピードが速ければ速いほど、体幹、おもにワキ腹の筋肉に大きな伸張を与えることができるため、胸骨の強い回転を誘導することができます。
左脚を長くする動き、つまり左ヒザを伸ばしていく動作はできるだけ速く行うのです。この左ヒザを瞬間的に伸ばす動作を「スラストアップ」と呼んでいます。
左ヒザを伸ばすときに使われるおもな筋肉は、モモの表側にある大腿四頭筋です。大腿四頭筋で大きな力を出すきっかけとなる伸張反射を起こすためには、切り返しのときに骨盤のスライドと同時に、左足に踏み込む動作を小さく入れることが有効です。この動作は、ジャンプをするときと似たものとなります。
瞬間的に脱力して重心を落とし、タイミングよくジャンプすることで高く跳ぶことができますが、この要領でスイング中にもスラストアップを行います。切り返しで左足に少しだけ重心を落としていき、タイミングよく左足でジャンプをするような使い方をすることで骨盤を回転させます。プロが切り返しの瞬間に沈み込むように見えるのも、この伸張反射を有効に使うための動作であると考えられます。


