
小柄で友好的な怪獣「ピグモン」を立体化した、「HGシリーズ ウルトラマン ソフビ道 其ノ三 ピグモン」(バンダイ)
【画像】「えっ、すご」「そうだったのか」 これが怪獣「ピグモン」に入っていた子役の「その後」の作品です(3枚)
子供しか入れなさそうな怪獣ピグモン もしかして?
特撮番組において、ヒーローや怪獣の「着ぐるみ」に入って演技する、いわゆる「スーツアクター」の仕事は、とにかく大変です。今でこそ、着ぐるみ内での温度調整や、軽量化が進みましたが、特撮黎明期においては、苛烈極まる仕事でもありました。
また、着ぐるみの造形によって「中の人」の体格や姿勢が大きく変わるのもこの職業の特徴です。それこそ『ウルトラマン』において「ウルトラマン」のスーツアクターを演じた古谷敏さんは、スラリとした八頭身のモデル体型の持ち主で、ウルトラマンのスーツも彼の背丈に合わせて製作されました。
複数のアクターさんが入る場合もあります。例えば『ウルトラマン』第12話「ミイラの叫び」に登場した「ドドンゴ」は、中国神話の麒麟のような姿をしており、ひとりが頭部と前脚を、もうひとりが後ろ脚を動かしました。第13話「オイルSOS」の「ペスター」はヒトデのような翼を持つ巨大コウモリといった姿をしており、右翼と左翼にそれぞれアクターが入って演じました。
巨大な怪獣は、その大変さこそ計り知れませんが、仕組みは理解できます。では、逆に小さい怪獣はどのように動かしていたのでしょうか。
小さい怪獣の代表といえば、第8話「怪獣無法地帯」で初登場した「ピグモン」です。人間に対し友好的で、子供くらいの背丈しかありません。実際、科学特捜隊のメンバーと並んでも、その小ささは歴然。合成でそのように見えるわけではなく、着ぐるみ自体が小さいのでした。まるで、子供が入っているかのように見えます。いったい、どのようなカラクリだったのでしょうか。
前作『ウルトラQ』にはピグモンにそっくりな怪獣「ガラモン」が登場しています。ガラモンの着ぐるみには、高橋実(稔)さんという低身長の俳優さんが入り、演じていました。なるほど、では、ピグモンも同様に高橋さんが演じていたのかといえば、これが違うのです。
高橋さんはピグモンの着ぐるみには入りませんでした。体調不良、体力面での問題などが理由だったとされていますが、結果としては、ピグモンには藤田修治さんという別の俳優が入りました。
当時、藤田さんは小学生の子役でした。そう、子供のように天真爛漫なピグモンには、正真正銘、子供が入っていたのです。さらに、ピグモンは第37話「小さな英雄」で再登場します。この時のピグモンは、別の子役である小宅雅裕さんが演じています。
「ふたりの子役」のうち、ひとりは「その後」に大活躍?
スーツアクターがいかに大変な仕事かを踏まえてこの事実に触れると「大丈夫か?」と、思わず心配の気持ちが優ってしまいます。加えて、『ウルトラマン』には「ホシノ少年」(演:津沢彰秀)がレギュラーとして顔出し出演しています。体力面、メンタル面でも、過酷だったことは想像に難くありません。
なお、藤田修治さんのその後の情報はつかめませんでしたが、小宅雅裕さんは、その後の活躍が顕著です。
小宅さんは芸名を「千葉裕」に改めると、そこから数多くのドラマ、映画に出演。映画『ハレンチ学園』で主役に抜擢され、ドラマ『われら青春』(日本テレビ)でもレギュラー出演。さらにドラマ『Gメン’75』では刑事役を演じます。これに加え、1980年代以降は実業家としても活動を開始しています。
あのピグモンは、こんなにも大きく成長していたのでした。
