
Netflixにて世界独占配信中のアニメ『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』キービジュアル (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SBR製作委員会
【画像】え、いつなの? こちらが気になるアニメ『スティール・ボール・ラン』2ndステージのティザーです
『ジョジョ』要素をアニメではどう描いたか?
Netflixでアニメ『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』(原作:荒木飛呂彦)が配信開始となり、大きな話題を集めています。
さて、『ジョジョの奇妙な冒険』の「第7部」にあたる『スティール・ボール・ラン』が、もともと『ジョジョ』の続編ではなく、独立した作品として連載が開始されていました。
これは単なる噂ではありません。実際、2004年2月2日発売の「週刊少年ジャンプ」で連載が開始された当初、本作のタイトルは『スティール・ボール・ラン』のみであり、そこに「ジョジョの奇妙な冒険」と冠されてはいませんでした。
また、連載開始時における荒木先生の巻末コメントにも「ジョジョの奇妙な冒険P(パラレル)ワールドに突入した。そして、ジョジョでなくなったっていう事でSBR(スティール・ボール・ラン)」と、書いてあります。そう、並行世界ではありつつも、正統な『ジョジョ』続編ではないという位置付けで、連載はスタートしたのです。
『スティール・ボール・ラン』の序盤で描かれたのは、圧倒的な個性を放つキャラたちが織りなす、アメリカ大陸を横断する競走馬でのレースでした。ただ、話が進むにつれ、徐々に「能力」が現れ、「スタンド」も登場し……『スティール・ボール・ラン』は凄まじい速度で『ジョジョ』(とりわけ3部以降)の世界観へと融合していきます。
そして連載開始から約1年後、2005年3月に「ウルトラジャンプ」に掲載誌を移したタイミングで、タイトルも『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』と変更したのです。コミックスも初版では『スティール・ボール・ラン』と銘打たれていましたが、重版されて以降は『ジョジョの奇妙な冒険 Part7』の文言がタイトルに追加されています。
『スティール・ボール・ラン』と『ジョジョ』の合流が、どこまで最初から予定されていたのかは不明です。しかし20年以上経ってからのアニメ化となれば、本作が『ジョジョ』であることを無視することはできません。連載開始時の『ジョジョ』からの独立した雰囲気を、アニメではどの程度、反映していたのでしょうか。
結論から言えば、アニメは原作以上に『ジョジョ』的描写、とりわけ「スタンド」描写を抑えていました。もちろん、冒頭から「JOJO’S BIZARRE ADVENTURE Part7」という文言が登場しますが、重要なのはそれ以降です。
原作の『スティール・ボール・ラン』でも、初期の時点でスタンド能力の匂わせはしていました。たとえばネイティブ・アメリカンである「サンドマン」や、50億人にひとりの幸運の持ち主「ポコロコ」には、それぞれ示唆する程度にスタンドと思しきものが存在します。しかし、それが直接的に描かれるのは、物語のもっと後のことです。
驚くべきはアニメの第1話です。時間、構成上の制約もあったかもしれませんが、サンドマン、ポコロコのスタンド匂わせ描写が丸ごとカットされていました。これはつまり、『ジョジョ』の続編としての側面を最小限に抑えている、ととらえて良いでしょう。
原作ではこの後、スタンドバトルが前面化していきます。第2話である「2nd STAGE」がいつになるか不明ですが、おそらくはアニメでもそうなっていくことでしょう。とはいえ、このアニメ第1話に限って言えば、原作以上に純度の高い「馬によるレースもの」の『スティール・ボール・ラン』だった、といっても過言ではありません。
