1991年10月から毎年、春と秋の改編期に放送される「TBSオールスター感謝祭」。TBSの人気番組や新番組に出演する俳優やタレントらがクイズやゲームで競う、いわば番宣番組だ。今年は4月4日に放送されたのだが、番組の名物コーナー「赤坂5丁目マラソン」に関して、ちょっとした騒動が起きた。
「赤坂5丁目マラソン」とは、TBS放送センターの周辺とスタジオ内に特設コースを準備し、数十名のタレント参加者たちが、競技歴などによって設けられたハンデ(アスリートやマラソン歴が長い参加者は、遅れてのスタートになる)のもとに競走するもの。コロナ禍こそ、ギャラリーの密集を避けるために開催場所を変更したが、1993年春の放送回から30年以上も続く目玉企画だ。
しかし、この日のスタジオ解答者87名に「赤坂5丁目マラソン」への参加の意思を問うたところ、「走りたい」と答えたのはわずか9名だった。
あまりの少なさに、第1回放送からMCを続けている島崎和歌子はブチ切れ。
「いちばんの花形のイベントですよ。何年やってると思ってるんですか。冗談じゃないですよ! 30年やっております。赤坂5丁目、商店街の皆様の力、赤坂の消防署、警察の皆さんも、この番組のために協力していただいております。それをあんたたち、9名だなんて。私は面目が立ちません!」
興奮のあまり軽い眩暈を起こしながら、声も枯れんばかりに訴えたのだった。
俳優陣はまぁよしとして、体を張ってナンボの芸人たちは何をやっているのか。もしも先代MCの島田紳助があの場にいたら、「走りたくない」を選択したニューヨークやトム・ブラウン、エバースあたりは「腹パン」を食らわされていたに違いない。
そんな不甲斐ない出演者ばかりにあって、悪天候にもかかわらずマラソンに参加した2人の女性タレントは、実に素晴らしかった。
「島崎和歌子の飲み会」強制参加で説教を!
まずは、ゆうちゃみ。競技前、参加メンバーの紹介やルール説明を長々と説明する間、風雨に吹き晒されっぱなしだったにもかかわらず、笑顔を絶やさなかった。いざ走り出したらめちゃくちゃ遅かったのだが、応援に訪れた沿道の人々にずっと手を振る姿は、サービス精神の塊だった。
そして、元フィギュアスケート選手の高橋成美。ミラノ・コルティナ五輪での「りくりゅうペア」の演技に対する名解説がクローズアップされ、最近はバラエティー番組に出ずっぱりだ。
普段は天然ボケ気味の言動が多いが、慶応大学卒で、日本語の他に7カ国語を習得したマルチリンガルで、日本オリンピック委員会の評議員でもある。そしてなぜか、松竹芸能所属のタレントだったりもする。
マラソンの結果は全体8位、女性参加者の中では堂々の1位だったのだからアッパレだ。高橋は走破後に「次は勝ち切ります」と宣言していた。これで秋の感謝祭にも出演確実だ。
サービス精神とハングリーさ、どちらも芸人にとって大事なもののはず。今回、「走りたくない」と答えた芸人は全員、島崎の飲み会に強制的に参加して、こんこんと説教されろ!
(堀江南/テレビソムリエ)

