レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、今季マシンRB21のポテンシャルを、最近まで最大限に引き出すことができていなかったことを認めた。
フェルスタッペンはイタリアGPとアゼルバイジャンGPを連勝。苦戦するという見方も多かったシンガポールGPでもポールポジションを争い、僅差の2番グリッドにつけた。ここ数戦の進歩は目覚ましいと言えるだろう。
もしシンガポールGPも制するようなことがあれば、当初マクラーレン同士で争われるものとみられていた2025年シーズンのドライバーズタイトル争いに加わってくるかもしれない。しかしフェルスタッペン自身はまだまだ冷静である。
■こんなことになるとは!
イタリアGPとアゼルバイジャンGPは必要なダウンフォース量が小さいサーキットであるため、それがレッドブル復調の要因であろうと言われていた。しかしここシンガポールでも速いということは、もはやレッドブルRB21は、どんなタイプのサーキットでも高いパフォーマンスを発揮する可能性があることを示している。しかもシンガポールの予選では、ライバルであるマクラーレンの2台を後ろに退けた。
「かなりうまくいったね」
高ダウンフォース仕様のパッケージ開発が計画通りに進んでいるかと尋ねられたフェルスタッペンはそう語った。
「週末の前にこんな展開になると聞いていたら、喜んだだろうね。ここは僕らにとってはこれまで、とても難しいサーキットだった。ポールポジションを争ったという事実が、すでにとても良い兆候だよ」
この状況は、フェルスタッペンでさえ想像できなかったことだ。
「正直に言って、誰もこんなことは予想していなかった。でももちろん、今になって突然調子が上がってきたのには理由がある。その理由が何なのかは言えないけどね」
レッドブル復活の理由……そのひとつは、イタリアGPの際に投入された新しいフロアだとも考えられている。ただフェルスタッペンはシンガポールGPのパドックで、新フロアの効果は確かにあったものの、それがパフォーマンス向上の最大の要因ではないと断言した。
「もちろん、全てのモノが役に立っている。でも、それが全てではないよ」
■マシンを変えたのは哲学?
では何か? そう尋ねられたフェルスタッペンは「異なる哲学だ」と答えた。
レッドブルはここ最近、マシンのセッティングを整えるのに異なるアプローチを採用したと言われている。フェルスタッペンは詳細を語ろうとはしなかったが、最近ではレッドブルが、金曜日が終わった後にマシンのセットアップを全面的に見直す必要があまりなくなった。シーズン序盤には、それをしなければならないこともよくあったのだ。
「その通りだ。今は週末を通じて、マシンをより細かく調整することができる。それが最も重要なことだ」
ただ当然ながら浮かび上がる、もうひとつの疑問がある。それは現在のようなポテンシャルが、そもそもRB21に最初から備わっていたのだろうか? ということだ。これはもしものシナリオであり、最終的な順位には何も影響を及ぼさない。しかし、それでも興味深いところだ。
フェルスタッペンの発言からすれば、レッドブルRB21は人々が考えているほど悪いマシンではなく、チームがそのパフォーマンスをコンスタントに引き出せなかった……それだけの可能性もある。
motorsport.comからこれについて尋ねられたフェルスタッペンは、改めて自身の見解を語った。
「確かにそれは明らかだ。でも、今更どうすることもできないよね」
つまり、レッドブルRB21は出来の良いマシンだが、扱いにくいマシンだったということだ。
■大逆転チャンピオンを目指せるか?
この勢いそのままに、チャンピオンを目指せるように見えるフェルスタッペン。しかし本人は慎重である。
「毎週末、最適なセッティングを見つけなければいけない。今は差がとても小さいから、セッティングの小さなミスで、大きな影響が出る可能性がある。毎週末、その点を注意深く検証する必要があるんだ」
それでもフェルスタッペンは、パフォーマンス向上が大いに励みになっていると語る。
「確かに、それが最も励みになるね」

