「日本一かわいい剣道女子」として雑誌で紹介され、一躍話題となったタレント・俳優の佐藤あかりさん(30)。剣道三段で、高校時代には全国大会3位や玉竜旗優秀選手賞などの実績を誇る“剣道ガチ勢”だ。
たしかな競技実績に加え、その愛されキャラも相まってJリーグ・大分トリニータ宣伝部員など、スポーツシーンを中心に活躍の場を広げている。 そんな佐藤さんに剣道との出会いから芸能界デビュー、現在に至るまでの歩みを聞いた。
剣道を始めたきっかけは「アルフォート」
──佐藤さんが剣道を始めたきっかけは?
佐藤あかり(以下同) 兄がやっていて、母と一緒に道場見学に行ったのが最初です。剣道って、最初に“すり足”の練習があるんですよ。まだ4歳くらいのころ、「道場の端から端までできたらアルフォート1個あげるよ」と先生に言われて。「今日もアルフォートを食べに行こう」という感覚で道場に通っていました。
──本格的に取り組むようになったのは?
中学生になってキャプテンを任されたときです。そこで「チーム」を意識するようになって、勝ちたい気持ちが強く芽生えました。団体戦で県大会2位、3位にはいけるけど、どうしても勝てない学校があって。
その学校の大将の女の子が、剣道が本当に強くて、私に足りないチームをまとめる力もあって。そのうちライバルというより憧れの気持ちが強くなって、「高校はこの子と一緒に剣道がしたい」と思うようになりました。
合同合宿でいくつかの学校が集まる機会があって、その子も参加していたんです。思いきって「一緒の部屋に泊まろうよ」って誘いました。
その子の中学とは練習試合もよくしていたので先生同士も仲が良く、「一緒の部屋でもいいですか?」と聞いたら、先生も許可してくれて。同じ部屋になったその夜、愛の告白をしました。
──具体的にはどういう?
「憧れてるんです」と伝えたり、「一緒の高校に行きたい」とか、心の中で思っていたことを全部言いました。その合宿の一晩で一気に距離が縮まって、「同じ高校に行こう」と約束し、本当に同じ高校へ進学しました。そこからは2人で剣道漬けの毎日でした。その子とは今でも親友です。
就活をせず芸能の道へ、朝ドラオーディションで見えたもの
──高校では、全国高校総体、全国選抜大会ともに女子団体3位に輝いていますね。大学でも剣道に打ち込んでいたそうですが、卒業後の進路はどのように考えていましたか?
何も考えてなかったです(笑)。まともな就職活動はしておらず、実業団という道もありましたが、大学では納得のいく結果を残せなくて。「どうしようかな」と街を歩いていたときに今の事務所にスカウトしてもらったんです。
当時は芸能界のことも正直わかっていなかったんですが、小学生のときに1年間だけミュージカルの劇団員をしていたことがあって。スカウトされたときにその記憶をふと思い出して、「芸能の世界で頑張ってみたい」と思うようになりました。
──実際芸能界に入ってみてどうでした?
思っていたものとは全然違いました。事務所に入れば自動的に仕事がもらえるような仕組みだと思っていたので…(笑)。そういう意味では厳しい世界でしたね。
悔しかったことのひとつが、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」のオーディションです。お芝居の経験はそれまであまりなかったのですが、どうしても受かりたくて。戦争がテーマだったこともあって、役の気持ちを理解しようと、その時代を生きた方の話を聞いてからオーディションに臨みました。
話を聞くために夜行バスで岡山に向かって、お寺の住職さんから当時の様子を聞いていたら、感情移入して涙が止まらなくなってしまって。
「この作品に絶対受かりたい」という気持ちは強くなっていったんですが、オーディションの結果は落選で。気持ちだけでなんとかなる世界ではないんだな、というのは大きな勉強になりましたね。
──すごい経験ですね。
そのあと、プロデューサーさんから「結果は縁が無かったけれど、すごく心に届きました」とお手紙をいただいて、感情はちゃんと届いていたんだと感じました。
「知ろうとする」ことで仕事への取り組み方が変わるんだ、というのはこのときに学びました。だから今は、ドラマを観ては演技を真似してみたり、ワークショップに行ったり、番組やドラマを作る人のインタビューを読んで意図を知ろうとするようにしています。まだテレビでの露出は全然多くないですが、チャンスをいただけたときに備えて、準備だけはできる限りしておきたいと思っています。

