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早乙女太一「“劇団朱雀”という新たなジャンルを作るような気持ちで」早乙女友貴「お祭りを楽しむような感覚で」豪華ゲストと共に3年ぶりの公演に挑む 劇団朱雀「OMIAKASHI」【インタビュー】

早乙女太一「“劇団朱雀”という新たなジャンルを作るような気持ちで」早乙女友貴「お祭りを楽しむような感覚で」豪華ゲストと共に3年ぶりの公演に挑む 劇団朱雀「OMIAKASHI」【インタビュー】

 大衆演劇の伝統を大切にしつつ現代的な感性や表現を取り入れ、多くの観客を魅了してきた劇団朱雀。2代目座長・早乙女太一率いるこの一座が、2023年5月以来3年ぶりとなる公演「OMIAKASHI」に挑む。

 二部構成で一部は芝居、二部は舞踊ショーとなる今回の公演には、NHKの大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(25)での活躍も記憶に新しい浜中文一が初参加。さらに劇団朱雀の常連、須賀健太(東京・大阪のみ)と喜矢武豊が今回も出演。豪華ゲストを迎えた公演は、4月10日開幕の東京公演を皮切りに大阪、福岡の三都市を巡回する。総合演出と出演を兼任する早乙女太一と、早乙女友貴の兄弟が、今回の公演に懸ける思いを語ってくれた。

-劇団朱雀3年ぶりの公演となる舞台の脚本を手掛けたのは、人気劇団「劇団☆新感線」の作家、中島かずきさんです。中島さんに依頼した理由を教えてください。

太一 7年前の劇団朱雀の復活公演(2015年に一度解散し、2019年に復活)から毎回、中島さんの力をお借りしています。というのも、僕らの大衆演劇では、時代劇好きな方なら誰もが知る有名な芝居を上演することが多いのですが、時代劇に不慣れなお客さまはやや距離を感じてしまいます。そういう方たちにも楽しんでいただきたいという思いから、幅広い世代に支持される「劇団☆新感線」の舞台を手掛ける中島さんにお願いすることにしました。今回、僕の方からは「『オーシャンズ11』(01/ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットなど、ハリウッドスター豪華共演の痛快エンターテインメント)のような感じで」とリクエストしています。今回はゲストで出演してくださる方が多いので、皆さんにきちんとスポットを当てつつ、スカッとする活劇にしたいと思って。

友貴 今回もそれぞれのキャラクターが立っていますし、傾く(かぶく)ところはきちんと傾いて、笑いもある。しゃれたネタもふんだんに盛り込まれた中島さんらしい内容になっています。

太一 しかも、中島さんの台本には毎回、時代劇の有名なキャラクターが“隠れキャラ”のように登場するんです。たとえば以前の公演では、“遠山の金さん”が登場し、まだ無名の頃から桜吹雪の入れ墨で有名な奉行に成長していく姿が描かれました。そういう遊び心のある仕掛けは、今回も用意されています。もちろん、ご存じなくても楽しめるので、今まで時代劇になじみのなかった方も、これをきっかけに興味を持っていただけたらうれしいです。

-その中で、お二人は演じる上でどんなことを心がけていますか。

太一 今回は、浜中(文一)さんや須賀(健太)さん、喜屋武(豊)さんといった公私ともに親しく、僕らが信頼する俳優の皆さんをゲストにお迎えしました。だから、皆さんの魅力をいかに発揮していただくかを第一に考えています。

友貴 普段から親しい方が集まったので、稽古中も皆さん、ものすごくのびのびとやっていて。そういう皆さんの持ち味を生かしてにぎやかに盛り上がるように、僕たち二人が全体のバランスを取りつつ、自分も楽しみながら演じられたらと思っています。

-劇団朱雀の中核として活躍されるお二人は、幼い頃から一緒にお芝居をしてきましたが、役者としての関係をどのように捉えていますか。

太一 友貴とは意識することなくいろんなやりとりができる関係が出来上がっています。もちろん、何をやる場合でも稽古は必要ですが、長く一緒にやってきた分、「あうんの呼吸」みたいなものがありますから。

友貴 話し合うことはほとんどなく、僕は兄の演出や芝居を見て「自分はこうした方がいいかな」とくみ取って動いている感じです。

太一 その中でも、最近は負担を分担できるようになってきた印象があります。それまでは「座長の自分が引っ張らないと」という意識が強かったのですが、今は友貴にバトンを渡せるような信頼感が芽生えてきたので、助かっています。

-逆に、ご両親も含めたご家族で公演を行う難しさはありませんか。

太一 やっぱり、身近な人の影響は強く受けますよね。僕の場合、目の前に父(初代座長・葵陽之介)がいたので、父からいかに吸収しながら、自分なりの形を見つけ出していくのか、模索した時期がありました。

友貴 僕も以前はそういう難しさを感じていましたが、一度解散し、それぞれが外で経験を積んだ分、「1人の演者」という感覚になって。だから、今は変に「家族」を意識することもなくなりました。

-お話からは劇団朱雀が常に進化を続けている様子が窺えますが、大衆演劇の伝統を大切にしつつ新しい演目を作り上げていく上で、心掛けていることはなんでしょうか。

太一 僕が舞台を作る上で最も大切にしているのが、その点です。当初は、「これを変えてしまうと大衆演劇ではなくなるかも」と迷う部分もありました。でも現在は、ベースを大衆演劇に置きつつ、和と洋、過去と現代を織り交ぜ、その時点の自分の感覚でブラッシュアップしていこうと。言ってみれば、“劇団朱雀”という新たなジャンルを作るような気持ちです。その上で、ご覧になる方が距離を感じないように、和の世界を生かしつつ、現代になじむものを作っていけたらと考えています。

友貴 大衆演劇には、「これを守らなければいけない」という縛りがありません。そういう意味で、さまざまな色を持っているのが劇団朱雀の強みです。今回もゲストのお三方が参加することで、また新たな色が加わるはずです。そうやって続けてきた結果、“劇団朱雀”が一つのジャンルとして確立されつつある気がします。

太一 今回は、お芝居だけでなく、歌やダンスも得意な浜中さんが加わったことで、舞踊ショーも今まで以上に幅が広がった手応えがあります。ダンスや日舞、殺陣、歌、さらにライブのような時間もあり、今の日本に存在するあらゆる娯楽を詰め込んだような、今までになかったものになるはずです。曲ごとに世界観も変わりますし、僕自身も初めてのチャレンジをしている曲があるので、多彩な世界観を楽しんでいただけると思います。

友貴 今までの三部構成(女形の舞踊ショー・芝居・舞踊ショー)を二部構成に変更した分、舞踊ショーも濃密になり、新たな楽しさが加わるはずです。これまでも参加してくださった須賀さんや喜矢武さんも今回、より多くの公演に出演していただけるので、その点でも変わってくるでしょうし。稽古を重ねる中で、ゲストのお三方がどんな輝きを放ってくださるのか、僕も楽しみです。

-その内容を知るヒントになるのが、「OMIAKASHI」(=御御明かし)という公演タイトルです。「神に捧げる灯り」、「縁起を担いで入口にともす提灯(ちょうちん)」などを指す言葉だそうですが、このタイトルに込めた想いをお聞かせください。

太一 劇団朱雀の公演は毎回、“お祭り”をテーマにしています。その中で今回は、見に来てくださるお客さまや関わってくれた方たちの明日を少しでも明るく照らしたい、さらにその炎が燃え移ることで、皆さんの明日への一歩を少しでも後押しできるエネルギーをお届けしたいという思いを込め、このタイトルに決めました。皆さん、日常の中で迷ったり、心が沈んだりすることがあると思います。そんなとき、僕たちがまず心に炎を灯し、皆さんに元気になっていただけたらうれしいです。

友貴 そういう意味では、劇団朱雀のカラーにぴったりなタイトルですし、公演のビジュアルもそのコンセプトを見事に表現しています。だから、皆さんも「OMIAKASHI」に照らされたお祭りを楽しむような感覚で来ていただき、明日への活力を得ていただけたらと。そのために、僕たちも全力で取り組みます。

(取材・文・写真/井上健一)

 劇団朱雀「OMIAKASHI」は、東京(4月10日~26日/サンシャイン劇場)、大阪(4月29日~5月10日/COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール)、福岡(5月13日~17日/キャナルシティ劇場)で上演。

配信元: エンタメOVO

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