
世界的に大人気の13人組K-POPボーイズグループ・SEVENTEEN。 CS衛星劇場では、「SEVENTEENスペシャル」と銘打ち、4月10日(金)より彼らがデビューするまでのカウントダウンを追ったリアリティ番組「SEVENTEENプロジェクト~デビュー大作戦」を放送(毎週金曜夜10:00~、全7回)。そして、同じく4月10日には、メンバーのJUNが子役時代に出演した香港映画「野。良犬」を日本初放送する(夜8:15~、4月20日[月]昼1:15~再放送)。本記事では、「野。良犬」の紹介を中心に、JUNとSEVENTEENについて解説する。
■SEVENTEENとは
SEVENTEENは、2015年5月に韓国でミニアルバム「17 CARAT」でデビュー。グループ名には、“13人のメンバー+3つ(VOCAL、HIPHOP、PERFORMANCE)のユニット+1つのチーム=17”という意味が込められている。作詞、作曲、振り付けだけでなく、アルバムのプロデュース、公演の演出やMVのコンセプトなど、あらゆる面でメンバーが携わっている“自家製グループ”だ。
日本では、2018年5月にミニアルバム「WE MAKE YOU」でデビューし、以降、精力的に活動。2023年には「香取慎吾×SEVENTEEN」名義で「BETTING」を発表。また、「第74回 NHK紅白歌合戦」にも初出場。メンバーのVERNON(バーノン)は、三山ひろしの「けん玉企画」にも参加し、番組を盛り上げた。2025年には4大ドームコンサートを計10公演を開催した。
■JUNは中国で子役として活動

メンバーのJUNは、1996年生まれの29歳。3つのユニットの内、PERFORMANCEチームに所属している。練習生になってから本格的にダンスを始めたが、武術で培った体力と筋肉、身長182cmで長い手足という恵まれたルックスで、短いダンス歴とは思えないパワフルで美しいダンスで魅了している。
彼は中国出身。中国で高校生の時にスカウトされ、周りにK-POPが好きな友達が多かったので、半ば興味本位で韓国にやって来た。だが、次第に歌やダンスの面白さに気付いたそう。今では韓国語はベラベラだが、最初は全く話せず、言葉がわからない中、厳しい練習生生活を送り、非常につらかったようだ。
中国時代は、2歳の頃からCM、ドラマ、映画…と子役として活動。その中で、2007年に今回衛星劇場で放送する香港映画「野。良犬」に出演(本名のムン・ジュンフィ名義)。繊細な演技が評価されて、第27回香港電影金像奨(香港アカデミー賞)の“最優秀新人俳優”にノミネート。また、第3回香港映画監督協会年度大賞では最優秀新人俳優賞を受賞した。
現在も、ドラマ「独家童話(邦題:独占おとぎ話)」に主演するなど、中国で演技活動を継続中。2025年公開の映画「シャドウズ・エッジ」では、彼が子供の頃から憧れていたジャッキー・チェンとの共演も果たしている。


■JUNの人気を受けて日本で公開となった「野。良犬」
「野。良犬」は、香港の裏社会に生きる孤独なチンピラと言葉を話すことができない少年の心の交流を描いた作品。映画「-悟空伝-」などで知られるデレク・クォック監督の長編デビュー作だ。主演は、香港で絶大な人気を誇る歌手で俳優のイーソン・チャン。JUNは、イーソン・チャン演じる主人公・チェンと心を通わせていく少年・ラムを演じている。JUNの人気を受けて、日本では香港の公開から18年経った2025年に公開された。
■「野。良犬」ストーリー
ラム(JUN)は、物心がついた頃から話すのをやめてしまった少年。彼が内心「鬼ババ」と呼んでいる口うるさい祖母と、いつもタンスに隠れて同じ歌ばかり聴いている病んだ母との3人暮らし。ラムは父の顔を知らない。「花が咲いたら父さんは戻ってくる」と言う母の言葉を信じて過ごしていたが、ある日、母は飛び降り自殺してしまう…。
心を閉ざし話さないラムは、小学校でも孤独で、友達など居なかった。そんな中、彼は用務員のチェン(イーソン・チャン)と出会う。チェンは天涯孤独な生い立ちで、ヤクザに拾われてなりゆきで組に入ってしまった男。10年前にボスを殺した男が香港に戻ってきたと知った組の連中が、敵をとる為にその息子を人質にして誘いだそうと考え、チェンに用務員として小学校に潜入して息子を探すように命じたのだった。
息子の顔もわからないまま校内を詮索していたところをラムに見られてしまったチェンは、自分は警察官で内偵をしている、とウソをつき、「任務を手伝え」と、ラムを丸め込んだ。誰にも相手にされたことがないラムは、チェンに好感を持つのだった。
そんなある日の遠足で、ラムは沼に落ちて行方不明に。チェンは代理教師のチャン(リン・ユアン)と共に夜まで探し、彼を助けた。そして、焚き火で暖をとりながら話すうち(ラムはジェスチャー)、お互いに両親と不幸な別れ方をしたと知り、急速に距離を縮めていった。
ラムにとって、チェンは初めての“友達”であり、父のような兄のような存在になった。だが、ひょんなことから、チェンは探している“息子”がラムだと知ってしまう…。
ラムが愛しくなっていたチェンは、任務との間で苦しみながらも、ラムと交流を続けていく。また、教師のチャンともお互いに魅かれ合い、ラムを通して3人は家族のような関係になり、穏やかな日々を過ごす。そこにラムの父が現れて…。

■ノワールの中で描かれる様々な愛
この作品は、軸はノワール物だが、友情、親子愛、恋心…とあらゆる愛が描かれ、穏やかな時間が流れている。温かさとせつなさが交錯し、90分間、作品の世界に引きこまれ続け、鑑賞後は長く余韻が残るはず。オープニングのチェンのアップとセリフがラストに繋がる構成も見事。なぜ、チェンがあんな表情でああ言ったのか…最後まで見届けていただきたい。
■少年時代のJUNの歌声にも注目
JUNが演じるラムは、話せない設定の為、セリフはモノローグの部分だけ。目の動きや表情でうまく感情を表している。孤独だった彼が幸せそうな笑顔を見せる時、哀しみを爆発させる時、胸がギュッとなる。“最優秀新人賞受賞”が納得の演技は必見だ。また、クリスマス会で歌うシーンもあり、ちょっとハスキーで小学生らしい歌声が郷愁を誘うので、そこにも注目だ。
この作品は2026年4月現在、配信がなく、見られるチャンスはここだけ。ファンならずとも、是非チェックしてほしい。
◆文=鳥居美保


