
大河ドラマ『新選組!』ビジュアル
【画像】「何でひらパー兄さんが?」「たけしも?」 これが『新選組』映画の意外な配役です(7枚)
集団ドラマが得意な三谷幸喜のオリジナル脚本
60年以上の長い伝統を持つNHK大河ドラマにおいて、新風を吹き込んだと評価されたのが、2004年に放映された『新選組!』です。幕末を舞台に、多摩出身の近藤勇、土方歳三、沖田総司らが京都で幕府側の警備隊「新選組」として活躍する姿を描いた群像劇でした。
原作なしで脚本を担当したのは、『王様のレストラン』(フジテレビ系)など集団ドラマを得意とする三谷幸喜氏です。大変な歴史オタクでもある三谷氏は、これが初めての大河ドラマでした。新選組の隊士たちと実年齢に近い香取慎吾さん、山本耕史さん、藤原竜也さん、堺雅人さんら若手俳優を大挙起用したことでも話題となりました。
2025年9月からNHKオンデマンドなどで順次配信が始まった『新選組!』から、視聴者に衝撃を与えた2大エピソードを紹介します。
若手の前に立ちはだかった芹沢鴨役の佐藤浩市
シリーズ前半の大きな山場となったのは、第25回「新選組誕生」でした。新選組を正式に名乗る前、近藤(香取慎吾)たちは「壬生浪士組」と呼ばれていました。浪士組の筆頭局長だった芹沢鴨(佐藤浩市)が、この回で土方(山本耕史)らに暗殺されることになります。近藤を中心に隊の結束を図りたいと考えていた土方たちにとって、芹沢は大きな障害となっていたのです。
農村で生まれ育った近藤や土方たちに比べ、水戸藩士だった芹沢は学があり、剣術にも優れ、しかも女性にもモテる大人の男でした。同時に破滅願望の持ち主として、三谷氏は芹沢を描いています。危険な雰囲気を漂わせる芹沢を、当時43歳だった佐藤浩市さんが実に魅力的に演じています。
思慮深かった芹沢は自分の命が狙われていることに気づきながら、京都から逃げようとしません。人生経験を積んだ芹沢から見れば、国の将来を憂う近藤たちの真っ直ぐな気持ちが青臭くも、眩しく感じられていたのです。あえて、土方たちの襲撃を待ち、沖田(藤原竜也)らと刃を交わします。
芹沢が絶命した寝所には、愛人のお梅(鈴木京香)もいました。沖田は「早く逃げて」と促しますが、お梅は惚れた芹沢の後を追うことになります。
新選組の誕生前夜、近藤、土方、沖田たちが本当の意味での大人になるための痛い「通過儀礼」を体験する様子をドラマチックに描いたエピソードでした。

『新選組!』の山南役で注目を集め、後の大河ドラマで主役を務める、堺雅人さん(2017年10月、時事通信フォト)
