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見ない・読まない・考えない? 人が何かを「パッと買う」ときの複雑で単純な行動原理とは?

見ない・読まない・考えない? 人が何かを「パッと買う」ときの複雑で単純な行動原理とは?

人の買い方は複雑で単純

人は合理的じゃないことの方が多くて、決まった通りに動くとはかぎらない。その事実をわかったうえで、合理的じゃない部分まで人の行動と気持ちを明らかにすればいいのです。

人の買い方は複雑で、単純です。

いろいろな買い方がある、という意味では複雑です。そして、多くの人が簡単な買い方を選びやすい、という意味では単純です。

多くの場面で、多くの人が、商品・サービスを簡単に選べる方法を好みます。例えば、イヤホンがほしいと思って家電量販店に行ってみると、多すぎるほどの種類のイヤホンがずらっと並んでいます。そのすべての選択肢について、どれほど優れた音質で、どれくらいの重さと形で、どんなイメージのブランドなのか、などを細かくチェックして、すべてを入念に検討してから買う人はとても少ないはずです。

簡単に選ぶ方法を好む

もっと簡単に、早く、パパッと商品を選びたいから、私たち消費者は、経験や記憶、価格、ブランド、そして他の人の行動などの情報を頼りにしやすいのです。

「前もこれを買ったから、今回も同じブランドのもので」「広告で見たことがあるものにしておこう」「値段が高い方が良いモノのはず」「有名なブランドにしておけば安心」などと考えて、よく調べず、よく見ずに選んだりするでしょう。自分が詳しくないジャンルや商品であれば、なおさらです。

他の人の行動、という情報も頼りにされやすいものです。「みんな」が買っていて、人気で、高評価しているものを、自分も買おうと思いやすいわけです。

在庫の残りが少ない、長い行列ができている、クチコミの数が多い、といった情報は、「人気」の手がかりになりますね。特に、SNSのクチコミの影響は大きく、自分1人で考えているつもりでも、無意識のうちにSNSの目立った情報に流されて、考えたり動いたりすることは増えています。

文/永井竜之介

マーケティング用語と解説

【サイエンス/アート】
人やビジネスについて考えるとき、データをもとに理屈で合理的に考えることを「サイエンス」、感覚や勘をもとに理屈を超えて非合理的に考えることを「アート」と呼びます。サイエンスとアートはどちらも大切です。

【データドリブン・マーケティング】
いろいろなデータを集め、分析したうえで進める、データ重視のマーケティング。

【消費者行動モデル】
合理的に考えたとき、人はこう動くだろう、という基本のルールになる考え方。人が商品やサービスに対して、注目し、興味を持ち、情報を調べて、買い、その後にクチコミを広める。こうした動く順序のモデルがいろいろと考えられています。

【ヒューリスティック】
経験・記憶・価格・ブランド、あるいは他の人の行動などの情報を使うことで、簡単に早く、パパッと選んだり買ったりすること。

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