NBAの2025-26レギュラーシーズンは、現地時間4月9日(日本時間10日、日付は以下同)を終えた時点で全30チームが80試合を消化。10日と12日に各チームのラスト2試合、それぞれ15試合ずつが組まれている。
最終日にはスタッツリーダーが決定し、その後に各アウォードのファイナリストたちが順次発表される。
今季はマイアミ・ヒートのバム・アデバヨが3月10日のワシントン・ウィザーズ戦でNBA歴代2位の83得点を奪い、コビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)が2006年1月22日のトロント・ラプターズ戦であげた81得点を上回り話題になった。
現時点で今季のリーグ平均得点は115.6点で歴代6位と、過去58シーズンで最多ペースになっている。3ポイント全盛でもあることから、近い将来、 “1試合100得点”の伝説を作ったウィルト・チェンバレン(元サンフランシスコ・ウォリアーズほか)の記録へさらに近づく選手が出てきても不思議はない。
そんななか、7日にポッドキャスト番組『No Fouls Given』へ出演したポール・ピアース(元ボストン・セルティックスほか)は、今季のニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)が打ち立てる“偉業”に着目した。
今季のMVPレースは、64勝16敗(勝率80.0%)でリーグトップに立つオクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)が最有力候補。リーグ2位の平均31.1点に4.3リバウンド、6.6アシスト、1.40スティールを残す27歳は、ガードながらフィールドゴール成功率55.3%と驚異的なシュート精度を誇る。
一方のナゲッツはウエスタン・カンファレンス3位の52勝28敗(勝率65.0%)。首位サンダーとは12.0ゲーム離れているとはいえ、ヨキッチは昨季に続いて2シーズン連続の“平均トリプルダブル”が決定。ラッセル・ウエストブルック(サクラメント・キングス)に次ぐNBA史上2人目の快記録だが、加えて今季のヨキッチはリーグ創設80シーズン目で初の偉業を達成しようとしている。
31歳のビッグマンは、今季リーグ8位の平均27.8点に加え、いずれもリーグトップの12.9リバウンド、10.9アシストを誇る。リバウンド部門で2位のカール・アンソニー・タウンズ(ニューヨーク・ニックス/平均11.9本)に1.0本差、アシスト部門でも2位のケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ/平均9.9本)に1.0本差をつけているため、両部門でリーグトップに立つことがほぼ確定している。
番組内でピアースは、MVPレースで優位に立つSGAよりも、ヨキッチの万能性を高く評価した。
「1試合で100得点をあげる確率の方が、アシストとリバウンドでリーグトップになる確率よりも高いだろうな。俺は『アシストとリバウンドは重要じゃないのか?』と思うよ。別にSGAを批判しているわけじゃない。ただ、こんなに大きな差があってはならないということだ。(両者は)もっと拮抗しているべきだろ」
NBAの歴史上、リバウンドとアシストの両部門でスタッツリーダーになったのはチェンバレンのみ。
キャリア9年目の1967-68シーズン、フィラデルフィア・セブンティシクサーズに所属していたチェンバレンは、平均23.8リバウンド(1952本)と8.6アシスト(702本)を叩き出した。ただ、当時スタッツリーダーは“合計数”で決まっていて、平均アシストではオスカー・ロバートソン(シンシナティ・ロイヤルズ)の9.7本が最多だった。
そのため今季、ヨキッチがリバウンドとアシストのアベレージ2部門でスタッツリーダーに立つことは、NBA史上初の快挙となる。チーム成績の面でSGAが優勢なのは否定できないが、稀代の万能ビッグマンが残すインパクトは、十二分に“MVP級”と言っていいはずだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
【画像】シャック、アイバーソン、コビー、レブロン、カリー、ヨキッチ…2000年以降のMVPを受賞当時の写真で一挙振り返り!

