主将5年目の日本代表で今年の活動を終え、主戦場イタリアへ帰還したばかりの石川祐希を現地でインタビュー取材した。所属するシル スーザ スカイ・ペルージャ(今季イタリアリーグ登録名)の本拠地パラバルトンへ赴き、10月7日と8日に日本(東京・有明アリーナ)で開催されるサントリーサンバーズ大阪との国際親善試合「ワールドチャレンジシリーズ2025」を控える背番号14の近況と、対戦への意気込みを訊いた。
6対6の練習を始めた選手たちの声とフロアを叩くボールの音が響く体育館に到着すると、真っ先に目に飛び込んできたのは、真新しい鮮紅色のアームカバーをつけた石川だった。
チーム合流から日が浅かったこの日は、守備をメインに体を慣らし、アンジェロ・ロレンツェッティ監督とレシーブの腕の出し方を幾度となく確認。サーブ練習では、世界選手権で日本代表の最終戦となった対リビアの第2セット途中から左手だったトスアップは、昨季終盤に変えた右手に戻っていた。
「お帰りなさい!」の後に、「久しぶりのペルージャは?」と尋ねると、「今回は日本にいたのが3か月ぐらいで短かったので、いつもと比べるとまた(イタリアに)戻って来たなぁぐらいですね」と、リーグ11年目を迎える石川ならではの返答だった。
代表シーズンに練習や試合の後に続けていた肩のアイシングが気になっていた。今の状態については、「世界選手権の時は全然体調の問題はなかったです。アイシングは予防のためだったので。心配ないですよ」とのこと。コンディションは安心して良さそうだ。
日本滞在中のトレーニングや練習については、「ペルージャのトレーナーからメニューを送ってもらいやっていました。世界選手権が終わってからは一度もボールを触っていなくて…こっちに戻って最初の練習で初めてボールを使いました」と明かす。続けて、「まだまったく体が動いてないですね」と口にしたが、終始笑顔が弾け久しぶりの感触を楽しんでいるように見えた。
そして、母国凱旋と呼ぶにふさわしい間近に迫ったサントリーとの親善試合については次のように答えた。
「まずは日本へ出発するまでにしっかりと自分の体を戻したいですね。サントリー戦もそうですけど、その後にリーグ開幕が控えているので。それを念頭に、まずはしっかりと(コンディションを)上げてベストへ持っていきたいと思っています」
「まだ合流していない選手だったり怪我人もいたりするので、チームとしてどこまで戦えるか分からないですけど、せっかくの機会ですからペルージャの一員として戦う僕のパフォーマンスを見ていただければと思っています」 取材当日は、世界選手権2連覇を果たしたイタリア代表の主将であり司令塔のシモーネ・ジャンネッリとミドルブロッカーのロベルト・ルッソ、銅メダルに輝いたポーランド代表のアウトサイドヒッター(OH)を務めるカミル・セメニウクが、代表シーズン後の休養で不在だったが、日本へ旅立つ前日にチームと合流。9月に行なわれた実戦練習4試合の間に、脇腹を打撲して調整が続いていた元ウクライナ代表OHオレフ・プロトニツキのコンディションも間に合いそうだ。
石川を待つ間、「やぁ、元気か?」と声をかけてくれたロレンツェッティ監督も、「来週の今頃は日本にいるんだよ。フフフ」とシーズン中の張り詰めた表情とは一変のニコニコ顔。日本行きを心待ちにしているようだ。
忙しいスケジュールでシーズン準備期間を過ごすことになるのは確かだが、石川は「イタリアリーグに向けては、親善試合を終えてペルージャに戻ってからが準備の本番になると思う」と述べ、「僕がペルージャのチームメイトたちとプレーしてるところを日本でお見せできる機会はなかなかないことなので、皆さんにたくさん楽しんでもらえるよう試合に臨みたいと思っています」と、日本のファンへの思いが込もった言葉でインタビューを締めくくった。
ペルージャは、ドリームマッチへ向けて現地10月5日にイタリアを出発、6日に日本入りの予定だ。欧州王者の猛者たちと来日するユウキ・イシカワが、インパクト抜群なプレーで満員御礼の会場を沸かせてくれるに違いない。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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