女性同士の切ないオフィスラブを描いた韓国発のYouTubeドラマ「ON&OFF」が今、世界的な注目を集めている。1話数分、1season=1時間程度でシリーズ累計770万再生を突破したWebドラマはなぜ異例のヒットを果たしたのか。同シリーズで主演を務めるハン・ジウ(한 지우)さん、チョ・ユン(조 윤)さんを直撃した。(前後編の後編)
俳優が語る、「ON&OFF」のビハインド──
お話しを伺ったのは、本作で主演を務める、クォン・セア役のハン・ジウさんと、イ・ハユン役のチョ・ユンさん。今回は撮影の裏側とともに、俳優としての生き方についても掘り下げる。
──season3までの撮影お疲れ様でした。早速ですが、全シリーズの中でもっとも気に入っているシーンを教えてください。
ハン・ジウ:season3 EP2のオープニングで、2人が一緒にベッドに横になっているシーンです。
朝、先に目を覚まして、愛する人の顔を静かに見つめながら、相手が起きるまで待って目を合わせる──。その一連の瞬間がとても印象的でした。特別な行動があるわけではないんですが、ただ静かに手をつないでいる、その空気感自体がとても好きで、個人的にも思い入れのあるシーンです。
チョ・ユン:season1でハユンがセアに告白するシーンが印象に残っています。セット全体の雰囲気がすごく綺麗に撮れていて、映像としてもとても美しく仕上がっていたので。
──そもそも、ずっと冷たい態度を取られ続けてきたのになぜハユンはセアのことを好きになったんでしょうか。
チョ・ユン:その冷たさの中にこそ、温もりを感じたのではないでしょうか。
──告白のシーンは本当に人気がある場面ですが、新入社員としてはなかなか大胆な行動に出ましたよね。当時、ハユンはどういった心情だったのでしょうか。
チョ・ユン:あの時、ハユンは告白することを決意しながらも、自分に足りないところが多いということも分かっていて不安があったはずです。
なんとか勇気を出して真心をこめた告白をしたのですが、本当に緊張して震えていて……。相手が受け入れてくれるかどうかも分からないから、言葉もたどたどしくなっています。震える心のまま、「ありのままの自分を受け入れてくれるだろうか」、そんな思いでいっぱいだったと思います。
──コメンタリーでは「意見が合わない時も、対話を通じて解決できた」というお話もありました。実際にはどんな形で作品作りに取り組みましたか。
ハン・ジウ:意見が食い違ったというよりは、常に話をしながら、ごく自然にお互いの意見をすり合わせていったという感じです。ですから、意見が大きく対立するようなことはありませんでした。
撮影中も、「こうしてみるのはどう?」「じゃあ、こうやってみようか」といった具合に話し合いながら、アンサンブルする感じで作り上げるように進めてきました。なので、特に問題になるようなシーンもなかったように思います。
──話し合って作っていく中で、作り上げた印象的なシーンはありましたか。
チョ・ユン:もちろん、大まかな枠組みはすべて台本にト書きで記してあるのですが、ディティールについては、すべて私たち俳優が対話を通じてすり合わせていきました。コミュニケーションを取り、主体的に参加する中で、対話によってディベロップ(発展)させていった部分が非常に多いと感じています。
──逆にNGが多かった場面はありますか。
ハン・ジウ:まず、テイク数自体をそれほど多く重ねなかったので、大きな問題(NGやトラブル)も起きなかったように思います。それに、ユニ(ユンさん)と私との呼吸もぴったりでしたし、演出部、俳優部、撮影部、全員のチームワークもすごく良かったので、どのシーンも順調に撮れたと思います。
チョ・ユン:その通りですね。外ロケの際に、外部環境によるNGが少しあったくらいです。
実は起きていた、コメンタリー衣装丸かぶり事件──
──シーズンを重ねるごとにセアとハユンの関係がとても深まっていきましたが、俳優さんたちとスタッフさんたちとの交流の中で記憶に残っているエピソードがあれば聞かせてください。
ハン・ジウ:まず、スタッフの皆さんやユニとは8ヶ月もの時間を共に過ごしてきたので、本当に家族のような愛情が深く移ったように思います。今では時々、名前よりもニックネームで呼び合うこともあるくらいです。
先日はヘアメイクの室長さんのお誕生日だったので、撮影現場でささやかな誕生日パーティーを開きました。
それから、撮影監督の中にいつも可愛い靴下を履いている方がいらっしゃるんです。私はその靴下に「監督のアイデンティティがある」と思っているのですが、「今日はどんな靴下を履いてこられたかな?」と確認するのが、密かな楽しみになっています。ユニと一緒に、今日はどんな柄か当てっこしてみたり。そんな風に過ごしています。
チョ・ユン:オンニ(ジウさん)と初めてのコメンタリー収録に行った時のことなんですが、衣装がまさかの「丸被り」だったんです! 本当に不思議ですよね?(笑)。
似ている服というレベルではなく、完全に全く同じ服だったんですよ。本当にビックリしたんですけれども、幸いなことにオンニがその日、衣装を2着持ってきてくれていたので、コメンタリーの時はオンニの服を1着借りて着ました。事前に相談もしていなかったのに、こんなことがあるなんて本当に不思議でした。
ハン・ジウ:ちょっとこれ見て(ユンさんにスマートフォンの画面を見せるジウさん)。私もそのエピソードを話したくて、メモしてきたの(笑)。
チョ・ユン:本当だ(笑)。
ハン・ジウ:今ちょうどユニがお話ししてくれた通りなのですが、その場にいたスタッフのみなさんも、それを見て大笑いでした。
しかも、その後もユニとは持ち物がかぶることが何度かあって……。「私たちは趣味や感性が似ているんだな」と実感しました。そういう偶然があるたびに、二人でたくさん笑いながら話をしたりしています。
──誤解を恐れずに言えば、部屋着のセンスはよく似ているように見えます。
ハン・ジウ:?
チョ・ユン:?
──ジウさんの謎の家のTシャツと、ユンさんのソジュのTシャツ。
ハン・ジウ:あぁ。
チョ・ユン:あぁ(顔を見合わせて頷く2人)。
──それ以外にもちょっとしたハプニングはありましたか。
チョ・ユン:実はseason3の撮影中につけていた指輪を私が失くしてしまったんですね……。
ハン・ジウ:(笑)。
チョ・ユン:それでPDさんが急いで注文をしてくださったんですが、その事件以来「指輪をどこに置いたか」「いつ外したか」をオンニにKakao Talk(メッセージアプリ)で共有してメモする癖がつきました。
私は普段時計も含めてアクセサリーを全く着けないタイプなので、おそらくうっかり紛失してしまったんだと思います……。
──各シーズンのゲスト(シーズン1のイ・ジュウォン、シーズン2のクァク・ヨヌ、シーズン3のソ・ジアン)を演じた俳優さんたちとの撮影の相性はいかがでしたか。
ハン・ジウ:season1で登場したジュウォンはセアの元彼女なのですが、現場で初めてお会いした日にいきなり別れるシーンの撮影だったんです。でも、相手の方が私の言葉や視線をしっかりと受け止めてくれたのを、今でもよく覚えています。
season2のヨヌとは、一緒に撮影したシーンが1つありました。ヨヌが酔っ払ったハユンを連れてくる場面ですね。しかし、私は立場的にヨヌのことを嫌わないといけないと努力していたので、正直に言えばあまり暖かい交流という記憶は残っていません。
season3のジアンは、対立しているわけでもないですから、すごくリラックスした雰囲気でした。特別な話をたくさんしなくても自然と呼吸が合って、演技する時もリラックスして臨むことができました。
チョ・ユン:ジュウォンさん、ジアンさんとはあまり関連するシーンがなかったので、共演者の方々とお顔を合わせる機会が多くありませんでした。
しかしヨヌチーム長とはお話する機会が多かったです。本当に親切な方で、すごく優しく接してくださったのでリラックスしてお話しすることができ、とてもよかったです。

