「まさか、あそこまでハッキリ言われるとは…」
毎度のこととはいえ、今回のトランプ発言には、外務省幹部もさぞや青ざめたことだろう。
4月12日、イランとの交渉決裂を宣言した直後、SNS上で「ホルムズ海峡の完全封鎖」という最悪のカードを切ると明らかにした米トランプ大統領。そのトランプ大統領がFOXニュースのインタビューに応じ、NATO諸国とともに「日本が支援せず驚いた」と名指しで批判したことが大々的に報じられたのである。
国際ジャーナリストが言う。
「これまで日本政府は『世界最大の対米投資国』という看板を盾に、軍事的な要求を巧みにいなしてきました。しかし結局、この変人には大人の事情は通用しなかったということ。この『金は出すが血は流さないのか』という冷徹な突き上げは、まさに湾岸戦争トラウマの再現といえるでしょう」
さらに衝撃的なのは、通行料を支払った船舶の米海軍による「拿捕」にあるが、これは事実上、公海上での「カツアゲ禁止令」。こんな縛りをかけられれば、原油の命綱を握る海運各社がパニック状態に陥ることは間違いなかろう。
「つまりイランに通航料を払えば米軍に捕まり、払わなければ通航できない。トランプ大統領はホルムズ海峡にイランが敷設した機雷の破壊を始めるとしていますが、機雷の恐怖以上に、トランプ氏が敷くマイルールが世界の物流を再びマヒさせることになります」(前出・国際ジャーナリスト)
必死に「有志連合」と言い張るトランプ
トランプ大統領は「他国も関与する」と強弁しているが、核合意なき封鎖という暴挙に、同盟国であるはずのNATO諸国はドン引き。距離を置く姿勢に変化はなく、集まったのは身内の米海軍だけという独り相撲を、必死に「有志連合」と言い張っている。
「日本政府の今後の出方しだいでは、またお得意の『関税爆弾』をチラつかせる可能性はあり、そうなれば日本を襲うのはエネルギー危機だけではなくなります。ホルムズ海峡封鎖で原油コストが跳ね上がり、さらに輸出車に高率関税をかけられるというダブルパンチ。要はトランプ大統領の指先ひとつで、日本経済全体が崖っぷちに立たされる可能性があるということ。日本企業が『予見可能性』を求めてアメリカ進出したはいいが、突きつけられたのは、史上最悪の不確実性だったということになります」(経済アナリスト)
「いつも最後にはビビる」と揶揄されるトランプ大統領だが、今回ばかりはこの楽観論が通用しないかもしれない。狂犬を放たれた海峡で、日本は究極の選択を迫られている。
(灯倫太郎)

