東南アジアの風物詩が、今年も4月13日にスタート。20日までタイ全土で開催される「ソンクラーン(水かけ祭り)」である。毎年、世界中の観光客で賑わうイベントだが、今年は例年とはひと味違う空気をまとったまま、開幕を迎えた。
その原因は、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃だ。これを受けて中東上空の航路に影響が出始め、乗り継ぎ便のキャンセルや遅延が各地で発生。日本や欧州からの旅行者の動きにブレーキがかかり、例年ならこの時期すでに増え始める観光客の姿が、どこか鈍いのだ。中東情勢の緊張を嫌って渡航を見送る外国人は少なくない。
タイ現地では「今年はちょっと静かな雰囲気」という声がチラホラ。開幕直後の街を見ても人出は控えめで、宿や飲食店の予約状況は例年に及ばない。観光業者はどこか様子見ムードを強めている。
そこに追い打ちをかけたのが、ローカル交通の値上げだ。バンコク、プーケット、パタヤを走る乗合バスのソンテウはガソリン代の高騰を背景に、5バーツから10バーツほど上乗せ。とりわけソンテウが旅行者のメインの足となるパタヤでは「地味に出費がかさんで痛い」という悲鳴が上がる。
「稼ぎどき」なのにあえて休業日を増やす夜の店
さらに気になるのは、夜の街の動きだ。バービア界隈では人手不足や客入りへの警戒感から、あえて休業日を増やす店や営業時間を絞る動きが出ている。例年なら「稼ぎどき」とばかりにフル回転するはずが、今年は慎重な構えが目立つ。
とはいえ、水をかけ合うあの熱狂が消えたわけではない。場所によってはすでに盛り上がりを見せ始めているが、そうではない地域との温度差もまた今年らしさか。
世界情勢の影を引きずったまま迎えたソンクラーンは、このまま一気に熱を帯びるのか。それとも静かなまま終わるのか。例年とは違う展開に、現地も観光客も様子を探っているのだった。
(カワノアユミ)

