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「家族の秘密基地」から「世界が集う島」へ 技術と歩んだスローライフゲームの25年

「家族の秘密基地」から「世界が集う島」へ 技術と歩んだスローライフゲームの25年


2020年3月20日に発売されたNintendo Switchソフト『あつまれ どうぶつの森』は、2025年末までに国内外で4932万本が販売された (C)2020 Nintendo

【画像4枚】こちら『あつ森』の毎年あるけど年1限定なレア(?)イベントの模様です

ハイテクで進化したスローライフの道のり

 2026年4月14日は、初代『どうぶつの森』が発売されてからちょうど25年です。本シリーズはゆったりしたスローライフが魅力であるため、最新作に至るまで「昔と変わらぬ懐かしの味わい」と思われがちですが、実際にはその時々の技術の制約や進歩をしっかりと反映しています。

 まずNINTENDO 64版の初代は、1本のソフトに4人までのキャラクターが同居し、それぞれが異なる時間にゲームを起動する、いわば「デジタルの交換日記」でした。子供が寝たあとに親が帰ってくるといった、すれ違う家族同士が掲示板にメッセージを残し、ひとつの村を囲む体験を共有できたのです。

 その時間差のある交流の核となったのが、「たぬきち」との関係でした。移住してきた翌朝に住宅ローンを提示され、返済したと思えばすぐに次のローンを勧められる小憎らしさは、家族共通の話題になりました。

 また、当初から友達の村(カセット)へ「おでかけ」する要素は備わっていたものの、実際に友達の家などへ「コントローラパック」を持参するというもので、最新作の「おでかけ」とは似て非なるものだったといえるでしょう。

 続くゲームキューブ版『どうぶつの森+』では、ゲームボーイアドバンスと接続することで離れ小島へのおでかけが可能となり、限定的ながら「屋外でのプレイ」が実現しました。さらに『どうぶつの森e+』では、別売りの物理カードを読み込んで新住民や家具データを追加できるようになり、後のダウンロードコンテンツを先取りしています。

 最初の大きな転換点は、2005年のニンテンドーDS版『おいでよ どうぶつの森』です。ソフトは本体ごと持ち歩かれるようになり、「ひとりにつき1本」という形へと変化しました。子供たちは学校にDSを持ち寄り、互いの村を行き来するようになります。さらにWi-Fiコネクションによる遠距離のおでかけも可能となり、ネット掲示板で「ともだちコード」を交換することで、「会ったことはないが村に遊びに行ける相手」という新しい関係性が生まれました。

 2012年のニンテンドー3DS版『とびだせ どうぶつの森』では、「夢見の館」によってサーバー越しに見知らぬ誰かの村を訪問できるようになりました。村はもはや家族や友人だけの私的な空間ではなく、インターネットに開かれた「パブリックな場所」へと変化していきます。

 そして2020年3月、Nintendo Switch向け『あつまれ どうぶつの森』が発売されたのは、日本でも新型コロナ禍で外出自粛が本格化し、在宅時間が急増した時期と重なります。「家にこもるしかないが、誰かとつながっていたい」という矛盾した願いに対し、『あつ森』は見事に応えました。

 オンラインプレイは最大8人まで拡張され、まさに「あつまれ」というコンセプトを体現しています。さらに「島クリエイター」によって島全体のレイアウトを自由に作り替えられるようになり、家具にも素材を組み合わせるクラフト要素が導入されました。これにより、他のプレイヤーとの交流の中で個性を表現しやすくなっています。

 そして極めつけが「マイデザイン」です。プレイヤーはドットエディタで図案を作成し公開できるだけでなく、外部で生成、配布されたQRコードをスマホアプリ経由でゲームに取り込むことも可能になりました。自作の服を任天堂のサーバー上で公開したり、美術館がオープンアクセス画像を提供したりすることで、交流の幅は飛躍的に広がっています。

 ゲームの技術は進化し、村はインターネット越しに世界中とつながる存在へと変わりました。それでも「誰かとゆっくり、同じ時間を生きる」という体験が変わらないように感じられるのは、任天堂が20年以上にわたって積み重ねてきた技術と設計思想の賜物でしょう。かつての子供が親となり、自分の子供と同じゲームを遊ぶ光景は、これから先も繰り返されていくはずです。

配信元: マグミクス

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