「すべての労働者は資本家になれ」……労働収益を資本収益が上回る現代において、投資はもはや選択ではなく生存戦略だ。しかし、初心者が闇雲に手を出せば、詐欺や損失の波に飲まれるのが関の山だろう。成功の鍵を握るのは、思い込みや感情を排し、事実のみを見極める「リサーチ」にあるという。
起業家でありながら投資家でもある佐野 Mykey 義仁氏の書籍『ずる賢い人のための億万長者入門 成功者の9割は性格が悪い』より一部を抜粋・再構成し、投資家として勝つためのリサーチの極意を紐解く。
すべての労働者諸君は「資本家」になれ
投資で勝つために絶対欠かせない「リサーチ」について語っていく。
しかし、その前に確認しておかなければならないことがある。
そもそも、なぜ私たちは「投資」をしなければならないのか?
トマス・ピケティの言葉を借りるまでもなく、億万長者になるには投資をして「資本家」になるしかない。ここでは「資本家」とは、会社や株や不動産などの資産を有して、金融所得(資本所得)を得ている者だと捉えよう。
労働所得を得るよりも、株や不動産などで金融所得を得るほうが、はるかに稼げるのである。
そのからくりを解説していこう。
先進国が成熟すると、GDP成長率(経済成長率)は鈍化していく。21世紀末になると、今よりさらに鈍化すると予測されている。
経済成長が停滞すると、給料が上がらず、貧しい人が増える。
その一方で、国民所得に占める金融所得の比率は上昇していくのである。つまり、株や不動産を持っている資本家はますます豊かになるのだ。
先進国の経済成長率は、高くても3%程度だ。そうすると給料は、多くても3%未満しか伸びない。インフレ率を加味すると、労働者はどんどん貧しくなっていく。
一方で、株や不動産などの金融所得は、1年で100%増えることもある。
つまり、お金を増やしたいのなら、株や不動産を保有する「資本家」になることが、現在最も合理的な方法なのである。
資本家は自ら労働しなくても、所有する会社(労働者)や株式や不動産が、勝手に利益を生み出してくれる。資本収益率が経済成長率を上回れば上回るほど、どんどんお金が貯まっていく。
仮にあなたが、時給や月給で働いている労働者だったとしても、その収入のうちいくらかを投資に回して、少しずつでも「資本家」にシフトしていかなければならない。
本物の投資家も感じる「投資の難しさ」
億万長者になるには、「投資」が必須だとわかった。では、どうすれば投資できるようになるか。投資環境の分析、個別企業の財務分析、デューデリジェンスやビジネスモデルの評価、経済環境やリスクの問題、学ぶべきことは山のようにある。
僕自身、25年以上勉強を続けているが、今でもわからないことがたくさんある。それくらい「投資」というものは難しいのだ。
一般の人が、投資の世界に入っていくには、何をすればいいのだろうか?
1つ目は、「何も考えずに始める」ことである。
何も考えずに始めるには、「投資顧問」を雇う手がある。自分の資産をどこに分散投資していくのがいいか、専門家からアドバイスを受けるのである。助言の範疇を超えて、売買の権限のある投資顧問もいる。ただ、投資顧問を雇えるのは大口投資家くらいなので、貧乏人であるみなさんには縁遠い話だろう。
もう1つの方法は、「投資信託」を買うことだ。投資信託は、投資家から集めた資金を専門家が分散投資し、運用成績に応じて投資家に還元する金融商品である。少額から投資できるため個人投資家が始めやすく、リスク分散もできる。
そのかわり大きなリターンは期待できないから、長期間にわたって買い続けて、含み益を得ていくしかない。銀行預金の延長線にある投資法だ。S&P500などの株価指数に連動したインデックスファンドなら、長期保有すれば安定したリターンが望める。
しかし、そんなものはつまらない。もっとおもしろくて、より合理的に、より早くたくさんお金を稼ぎたいのなら、もっと良い方法がある。
2つ目は、「コミュニティ」に入ることだ。
信頼できる投資家や研究者をメンターとし、彼らのもとで学ぶのである。知識と経験豊かな彼らとの交流は、あなたにとって大きな刺激になることは間違いない。あなたが価値を提供できれば、優秀な彼らの投資やビジネスに参画することもできるかもしれない。
しかし、そもそも勉強をしていなければ、誰が信頼できるのか、その人が本物か詐欺師かわからない。それに、これを読んでいるあなたは、まともなコミュニティへのツテなど持っていないだろう。だから、まずは自分で勉強することが必要なのである。

